TENRI GOODFELLOWS2019を振り返る

今年4月29日に開催されたTENRI GOODFELLOWS2019。本日はそのレポをお届けする。
イベントの仕掛け人はD’OAMのMOCCHINさんと、sucreamgoodmanのoSaamさん。地元である天理を盛り上げるべく、そして関西のダンスシーンを盛り上げるべく、2017年に当イベントを始動。今年で3回目。

GWのお昼間に天理の駅前で開催されるイベントとしては明らかに

「規模がとんでもない」

ことでも有名。
例年、ダンスバトル、ナンバーやチームのショー、DJタイムなど、HIPHOPを軸にしたコンテンツをギュギュッと盛り込んでいます。

今回はあいにく夕方から雨の予報だったので屋内(天理市役所!)での開催だったのですが、それでも規模と盛り上がりは相当のものでした。

今回特に紹介したいのは

1, Dance Battle予選
2, DJ Time
3, Beat Session Live
4, なみかわ市長の名演説
5, Judge MoveからのBattle決勝
6, 超豪華Guest Show

の項目です。全体を通すと少し長くなりますので、多忙なストリートライフをお過ごしの方は気になった項目だけでもチェックいただけると幸いです。


1, Dance Battle予選

Dance Battleの事前エントリー者は200名!毎回の盛り上がりを聞きつけて駆けつけたであろう東海や関東のダンサーもちらほら。バトルの軍配をあげるJudgeは
Rubber Bandさん、MIDDLE FILERのHIROさん、HEX BEXのKUCHAさん、そしてsucreamgoodmanのBUUBEEさんの4名。えげつねえ。

毎回のバトルジャッジの豪華さもGOODFELLOWSならでは。オーガナイザーのお二人だからこそなせるキャスティング。

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バトル前になにやらPCをいじっているRubber Bandさん。予選サークルの時に、sucreamgoodmanが2013年に制作したDVD「LINKS」を流していた!!笑

最近リリースされたばかりの 「LINKS2」 の宣伝?彼なりのバトラーへの激励?日本のダンサーへのメッセージ?それとも単なる気まぐれ?意図は謎のままです。

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会場も写真の通り、ダンサーでぎっしりになるほど。200人の中から8人を選ぶ予選は熾烈を極めました。


2, DJ Time

多くのGood VibesなダンスバトルがそうであるようにTENRI GOODFELLOWSもまた

DJタイムがいい。

Battle DJ、Floor DJを務めるのはDJ QUESTA& DJ DY!!この日もバトル、DJタイムともに申し分ない選曲とgroove。ダンサーの耳をたっぷり肥やしてくださいました。

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天理市役所で思いっきりHIPHOPがかかり、ダンサーが思いっきり汗だくになる。「公共の施設の中で音楽をかけて踊ってもいいの?」と疑問を呈す声もあるかもしれませんが、自分にとっては新鮮かつHIP HOPの可能性を感じる光景でした。

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3, Beat Session Live

今回、個人的に最も待ち遠しかったのがBeat Live。東京のビートメイカーであるBudamunkさん、そして奈良在住のビートメイカーYotaroさんによるビートセッションです。beat003

ラッパーにトラックを提供するプロデューサーはもちろん日本のHIPHOP黎明期からいたわけですが、インストのビートだけでライブをするビートメイカーは少なかったわけでして。
それでもこの数年でビートシーンが凄まじく盛り上がってきて「ビートライブをするビートメイカー」が増えました。

そんな日本のビートメイカーの中でも国内外のアーティストから高い評価を受け
トラックを提供したり日本各地のパーティでライブを行なっているのがBudamunkさんとYotaroさんです。2017年には共同でアルバムをリリースされたりもしましたが現場でのビートセッションライブは初めてとのこと。


動画では伝わりにくいかもしれませんが、Youtubeでその時の様子があがっていますのでよければ是非チェックを(撮影はYotaroさんの実の弟のYujiro君)。

Budamunk&Yotaro Live @ Nara Japan

ちなみにBudamunkさんはこの後DJも行い、会場を揺らしていました。


4, なみかわ市長の名演説

イベントの後半には毎年恒例のなみかわ市長による挨拶が。朝礼の時の校長先生のような月並みで平々凡々なスピーチではなく、ダンサーの心をグッと掴む名演説が印象的で、これもまたGOODFELLOWS名物となっています。

もちろん今回も割れんばかりの声援と喝采を浴びながら登場(この日登場したどのダンサーよりも声援を浴びていた…!)。

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挨拶の一部を紹介します。
(僕の記憶から書き起こしていますので言葉遣いや細かい言い回しは正確ではありません。悪しからず。)

今朝、oSaam君に電話をして「イベント準備は順調ですか?問題ないですか?」と言うと、「会場準備の段階で発電機が足りないんです」と言われました。そこで急いで商工所などに連絡をして協力を仰いだら、「そういうことでしたら」と、快く貸してくださいました。天理はそういう街なんです。来てくれた人に喜んで帰ってもらいたい、そういったホスピタリティのある街です。今日は皆さんに喜んで帰っていただけるよう、サポートさせていただきます!

これを聞いた会場は「なみかわさぁーん!!!」「市長ぉぉー!」の声でいっぱいでした。

また、「市役所は市民のものです。市民の方が望むのであれば喜んで場所を提供します。」とも。まだまだHIP HOPやダンスに対しての風当たりはよくないこともありますが、なみかわ市長の言葉とサポートする姿勢には、希望をもらいました。

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天理市長BIG UP。そして天理UP。


5, Judge MoveからのBattle決勝

ビートライブや数々のダンスショーが終わればいよいよイベントは佳境。バトルの優勝を決める戦いが始まります。まずは先ほども紹介した4名のジャッジによるジャッジムーブ。

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ジャッジムーブが終わればついに決勝戦。今年の決勝戦はfrom神戸のATSUKIさん vs from奈良のAkinobuさん。なんとここにきて審査が割れて割れて、幾度も延長戦が繰り返されました…。

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もう最後は二人の見事なまでの技と負けん気を目の当たりにして感動の渦でした。これも毎回のTenri Goodfellowsで生まれるドラマの一つと言えるでしょう。いくところまでいくと勝負よりも、ダンスのぶつかり合い(高め合い)自体の素晴らしさだけが現れることを痛感しました。

そんな中でも優勝をもぎ取り、賞金5万円と黒帯を獲得したのはATSUKIさん!!
見事なボディコントロールと再再再延長になっても折れない精神力。そしてアグレッシブなパッションで、優勝の座に輝きました!おめでとうございます!

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6, 超豪華Guest Show

最後のショーはもちろんGUEST SHOWCASE。関西のイベントでこの豪華さが今まであり得たでしょうか。

ゆるさと技巧の絶妙なバランスで会場を魅了した D’OAM.
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「これが俺らのHIP HOP!」と突き抜けたこだわりを見せつけたHEX BEX.
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BudamunkさんのBeatに流れるように乗りながら
ソロとコンビネーションを自在に組み合わせたsucreamgoodman.
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そしてそれら全てを飲み込みつつも
最後には全員を笑顔にさせる貫禄のショーを見せつけたMIDDLE FILTER.
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いずれも日本トップレベルのチーム。どのチームも種類の違う「物凄さ」がありました。”オーラの色”というとわかりやすいかもしれません。
オーディエンスの反応もチームごとに違っていて興味深かったです。


全てのショーが終わった段階でクローズの時間。DJ QUESTAさんのDJタイムと同時に撤収作業がジワジワ始まり、長い1日は幕を下ろしました。

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心斎橋から天理市までどれくらいかかるかというと、地下鉄と近鉄を乗り継いで、ざっと1時間強。

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そんな天理という町でこれだけ大規模なイベントを毎年開催するのは、本当にエネルギーが必要だと思うのです。改めてMOCCHINさん、oSaamさんの熱い気持ちと人望をしかと感じました。

来年もまた内容(と天候!!)が気になるところではありますが、それまではしっかりサバイブして行かねば、と気持ちもフレッシュになりました。兜の緒がキュッとしまっています。

日本一温かい気持ちになれるかつ刺激たっぷりなHIP HOPイベント、”Tenri Goodfeloows“また来年です!!!

文 : Seiji Horiguchi

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