【アルバムリリース速報】大阪が誇るマルチプレイヤーがベールを脱ぐ

JNKというラッパーは、まだとてつもないものを隠している。

…そんな底知れない可能性を感じるのは僕だけだろうか。

十数年前にアメ村で産声をあげ、今や全国的にファンベースを広げている大所帯HIPHOPクルー「Tha Jointz」に所属するMC。
クルー名義の曲や、他のジョインツメンバーの作品には参加してきたものの、ソロ名義の作品は、これまでほとんどリリースされてこなかった。

大門弥生とのセッションでも、一歩引いてクールにラップする姿が印象的だったJNK。

おそらく多くのリスナーにとって、彼は謎多き存在だったのではないだろうか。
…しかしながら、彼の底知れない「ヤバさ」を紹介せずにはいられない。

フロウもビートもやべえ。スーパーマルチプレイヤーJNK。

彼のプレイヤーとしてのルーツはストリートダンスに始まる。特にティーンから二十歳頃まではダンスチームにも所属し、関西を中心に活動していた。

20代前半で仲間とともにTha Jointzを結成してからはラッパーとしての活動が軸になるわけだが、ダンス用語(「16ビート」「トップロック」「ロックステディ」など)を含んだリリックを見ると、今もなおダンスの世界からインスパイアされていることが伺える。

加えて、(僕は個人的にここが最もやばいと思っているのだが)フロウのグルーヴが尋常ではない!
独特な緩急に、言葉と言葉の間の余白、どんなビートでも悠々とスピットする脱力感。彼のラップを聴いた時の衝撃は今でも忘れられない。
そういったグルーヴの強度も、あるいはダンサーとしてのキャリアに少なからず起因しているのかもしれない。

さらにここ数年はビートメイクにも没頭していたという彼は、ここでもダンサーとしての経験と、加えて音楽オタクの素養をトラックに昇華している。

例えば自身も客演で参加しているKOH『ASOBI SINOBI』(2018)では、変態的ブーンバップをぶち込み、アパレルブランド[AFTERBASE]とのコラボ曲『AFTER JOINTZ』(2022)ではクセになる低音メロディループを構築し、さらに満を持してリリースしたソロ名義のシングル『ƒlourish』(2023)では一変、優雅なサンプリングミュージックで更なる世界観の深化を見せつけた。

iPhoneのGarageBandでこの変態的なビートを作ったというから驚きだ…。
Tha Jointz×AFTERBASEのコラボニュースもアメ村を騒がせた。
盟友c.h0c0のディレクションが光るPV。

また、BMXのキャリアも長く、素人目で見ても相当な難易度のトリックがインスタにアップされている。
ラップ、ダンス、ビートメイクにBMX…まさにマルチプレイヤーだ。

ついにそのベールを脱ぐ。1stアルバム『AMATERAS』

そんなJNKが、待望の1st ALBUMをリリースするという知らせを受けた。タイトルは『AMATERAS』。これまでも、神話や宇宙を引用することも多かっただけに、タイトルに込められた意味も気になるところ。

ありがたいことに、アルバムのオフィシャルインフォメーションを依頼してもらって書かせていただいた。
手前味噌で恐縮ではあるが、彼の作品の魅力を僕なりに言語化したつもりなので、ここにも載せておく。


JNK – AMATERAS

From Tha Jointz。
具体と抽象を行き来する言葉遊びと、悠々とした<間>の使い方で、クルーのなかでも独特な存在感を放つJNKによる待望の1stアルバムが完成。
ラップと並行してビートメイクにも打ち込んだ数年を経て生まれた今作は、Intro・Outro・Skitも含め全曲自作トラック。あえて客演も無しという完全セルフプロデュースで臨んだ意欲作。
ナチュラルなのにフリーキー。言葉を自在にスイングさせる“JNK節”はそのままに、ローからハイまでテンションを巧みにギアチェンジ。最後に広がるは夢かうつつか…。


もちろん百聞は一見(聴)にしかず。4/20に各種配信サイトで聴けるようになるとのことなので、ぜひチェックしてほしい。

JNK-AMATERAS (linkco)


これまで彼が大阪アンダーグラウンドで黙々と磨いてきたセンスと、今まさに積み上げられつつある経験値が噛み合ったとき、とんでもない世界に突入するのではないだろうか。1人のファンとして楽しみだ。

ちなみにTha Jointzがゲスト出演してくれたNAMURA ATTACKのレポはこちらから。

text Seiji Horiguchi

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