カテゴリー別アーカイブ: 30min interview

【30min INTERVIEW】GENKI (PYRO) —新たなペアダンスの形。NEW STYLE HUSTLEとは―

1970年代に生まれ、世界各地に広まったストリートダンス。音楽の歴史と共に進化し多様化し続けている。そんなストリートダンスの中で、2010年代に広まりはじめたジャンルがある。男女のペアダンスを基本とする「NEW STYLE HUSTLE(ニュースタイルハッスル)」だ。自分もDEEP HOUSEのかかるパーティでも踊っている人がいるのを見かけることがあったりとその存在については認知していた。が、やはりまだまだその人口は少なく、どんな特色がありどんなコミュニティがあるのかなど、このジャンルについて知っていることは非常に少ない。
そこで昨年からFRESH DANCE STUDIOにてNEW STYLE HUSTLEのクラスを持って頂いているGENKIさんに話をうかがった。

unnamed


 

―宜しくお願いします。早速ですが、まずNEW STYLE HUSTLEの歴史についてうかがえますか?

ディスコが流行りだしてブロンクスでHIP HOPが産声を上げる1970年代。サルサを踊るラティーノ達がディスコの様な所でも若い子達にパートナーダンスをと、サルサを簡素的にした踊りが「HUSTLE」の起源だと言われてる。HUSTLEは、1977年公開の映画「サタデーナイトフィーバー」で、瞬く間にアメリカにブームがきたんだよね。そして2009年のNY。HOUSE DANCEのオリジネーター集団Dance Fusion Familyの一員、Jeff Selbyが、現代のストリートミュージックに重視したスタイルで踊った事で生まれたのが「New Style Hustle(以下NSH)」と呼ばれてます。パートナーダンスの持つフリースタイルな流れやダイレクトにコミュニケーションができることが特徴のこの踊りは、その後、海を越えヨーロッパやアジアのストリートシーンにムーブメントを巻き起こした。NSHが誕生して今年でわずか10年なんだけど、その勢いはとどまる事なく、今もヨーロッパ、アジアや本家NYで大きなコンペディションが行われたりしているね。

―なるほど。HUSTLE自体は歴史の長さ的にはHIPHOPなどとさほど大差がない訳ですね。ではGENKIさんがNSHを始めたきっかけを教えてくださいますか?

もともとHUSTLEの存在は何となく知ってたんだけど、正直そこまで興味なく(笑) でも、ある日YAK FILMにNSHのオリジネーターのJeffと当時のパートナーのNicoleがNSHを踊ってる動画があがって。それを観たのがきっかけだった。

Jeff Selby & Nicole NEW STYLE HUSTLE Coney Island NYC | YAK FILMS

https://www.youtube.com/watch?v=5xe8BuGphC0

―どういったところに惹かれたんでしょうか?

それまで、ペアダンスに対して「社交ダンス」ってフィルターで見てたから自分がやってるダンスと種類が違う物って思ってた。堅苦しいイメージだし身構えてしまっていたんだけど、YAK FILMSの動画の中でJeffはジャージにTシャツ、キャップにスニーカーというカジュアルな格好なんだよね。何よりグルーヴを感じた。
そこから色々、動画とか漁っていくと、自分の社交ダンスへの解釈が余りにも浅かったなと。どうしてもスパンコールにスラックスなコンペティションのイメージが強かったんだけど、普段は結構ラフに踊られているんだって知ってね。「HOUSEと大して変わらないな」って。ほら、ディライトの様なコンペティションの時のパッケージと、普段クラブのフロアで踊る感覚って全く別物だったりするじゃん。それに、HUSTLE自体はDiscoやHouse Musicで踊られている事も良かった。

―1つの動画がきっかけで一気に広まるとは。現代らしいですね。

そこから興味を持って、家でYoutubeのHOW TOを観て、ステップや動きの流れを研究した。覚えた動きを自分のレッスンでやったりしてね(笑)  はじめて日本でNSHを本格的に観る機会があったのはHIRO(ALMA)が主催してるSDCJの第一回目だったかな。そこにNSHのゲスト講師でチェコから来ていたT-BOYが前夜祭で当時のパートナーMISS BIBIとNSHのショーをしたんだよね。HIROは一早く日本にこの踊りを紹介しようと動いていたよね。

T-BOY & MISS BIBI

https://www.youtube.com/watch?v=HDYmitXd8gA&feature=youtu.be

日本にNSHを持ち込んだZabuにプライベートレッスンをお願いしたら「まだ教えられる程じゃない」って謙虚に断られてね。逆に彼の提案で「互いのダンスをシェアしましょう」って一緒に練習するようになったんだ。

―Zabuさんは2019年から2020年にかけて、47都道府県をNSHのWSで行脚する旅に出られていたりと行動力もありますよね!GENKIさんは東京にいらっしゃった時は、どんな活動をされていたんですか?

日本で初めてNSHにフォーカスしたパーティ”HUSTLE BREAK TOKYO”を、ZABU&ERIと共に東京で5年前にスタートさせたり、後に「GENKI道場」なんて呼ばれてる事を知った練習会とかしていました。パーティといっても、目的は誰かにNSHをレクチャーするというよりも、ただ沢山踊りたかった。(笑)
当時は、まだまだ周りにNSHを踊れる人も多くなかったし、みんなで試行錯誤しながら「こういう流れはどうだろう?」って探求したり、そんな時間や空間が欲しくて。何といっても歴史が浅いジャンルだから。

S__124747785 S__124747783 S__124747787

Hustle Break Tokyo 2016-March
https://www.youtube.com/watch?v=c2cTzKyDAqI&feature=youtu.be

―NSHはなんとなくHOUSE DANCERがやっているイメージが強いのですが。

それはHUSTLEがHOUSEと同じカルチャーの中で育ってきたから。HOUSEカルチャーの前身にDISCOカルチャーがあって、それも正にNYカルチャーの一つのファクターだと思う。Jeff自身もHouse Dancerでもあるし、日本でもHIROや自分が反応したり。
でもNSHは、世界各国様々なダンサーが踊っている。日本のパイオニアの2人もバレエダンサーのERIとLOCKERのZABUだったり、ヨーロッパのパイオニアのT-BOYもPOOPERでBIBIもWAACKERだったりね。いろんなジャンルの人がいる。それぞれ自分のレペゼンしている事を自由に取り入れてクリエイトできるのも魅力と言えるかな。

―NSHは、カジュアルに自由に踊れるところが魅力だということですが、逆に難しいところはどういった点ですか?

NSHの足の運びとか動きの基礎って他のジャンルに比べるとかなり簡単で。だから3ヶ月もやれば大体のことはできるようになる。POPPINGとかHIP HOPとかだとそういうわけにいかないでしょ?でもそれだけにやり始めて3ヶ月くらいすると、飽きてきちゃうんだよね(笑) 「3ヶ月の壁」って俺は呼んでる。ただ、そこまではいわば「ラフにHUSTLEを嗜んでいる」に過ぎなくて。もちろんHUSTLEだってしっかり魅せようと思ったら難しい事も多い訳だけど。その「3ヶ月の壁」にぶつかってからは、どれだけ楽しみを個々が増やせるかだと思っているよ。

―FRESH DANCE STUDIOでのレッスンでも、経験者の方から、全くの未経験の方まで通われていますが、どういった内容で進められるんでしょうか?

クラスでは、ベーシックステップからパターンワークまで順を追ってレクチャーします。さっきも言ったように、とてもシンプルな踊りなのですぐに踊れるようになるよ。ただ誰かとダイレクトに繋がってコミュニケーション取りながら踊るってなかなか面白いと思う。ソロダンスにはない面白さだよね。後は、Musicality(音楽性)も重要。音楽に乗せて表現をしてこそ、スポーティーなORIGINAL HUSTLEだけでないNSHの魅力でもあると思うので、細かく手助けをしています。


 

NYでは、HOUSE MUSICが生活の中に溶け込んでいるのと同じくらい、ORIGINAL HUSTLEやNSHをたしなむことが自然なことだという。確かに日本では男女が触れ合う踊りは受容されにくく、個々がソロで自由に踊るパーティが多い。しかしNSHのイベントやレッスンの様子を観ていると、必要以上な性的密着や「くどさ」のようなものは一切見受けられない。むしろ流れている音楽に乗りながら、相手へのリスペクトをどう表現するかという挑戦に興じているようにも見える。さらっとパートナーとペアダンスができるようなスマートで色気のある大人になりたいものだ。

インタビュー / 文 : Seiji Horiguchi


GENKI(PYRO)プロフィール

活動20周年を迎えた日本を代表するHOUSE DANCEクルー、PYRO)のメンバー。質の高さが際立つステップ、時折見せるアクロバティックかつトリッキーなムーヴ。その爆発力と共に、緩急色気を放つそのスタイルは決して見る者を飽きさせない。国内外問わずWS、バトルジャッジ、ショーケース等をこなし絶えず活動を広げている。また、NY産まれで世界中にそのムーブメントが広がっているパートナーダンス New Style Hustleを日本でも広めるべく、パーティーHustle Break Tokyoをオーガナイズ。New Style Hustle Kobe等、コミュニティ活動も積極的に行っている。20年以上のキャリアを持ち、ソロダンス・パートナーダンスを自在に踊りこなすストリートシーンにおいても希少なダンサーである。

・経歴
00′ Fight Club Solo Battle優勝
11′ Juste Debout Japon準優勝
12′ WORLD DANCE COLOSSEUM関東大会優勝
13′ DANCE@liveKANTO優勝
14′ PLB,NSB HOUSE5on5優勝
17’ ・Dreams Come True Live 2017-2018
【The Dream Quest】“秘密” 振付スタイリング
・EXILE USA/Dance Earth Festival 2017 WS
・TRF舞台「DANCE REPUBLIC」~The devotion~
出演・振付
etc…

New style hustle JAPAN first shooting 2017 at TOKYO
https://www.youtube.com/watch?v=3hbyl5Hfmqc&feature=emb_title


Seiji Horiguchi

FRESH DANCE STUDIOマネージャー。フリーライター。新聞記者になることを夢見る学生時代を経て、気づけばアメ村に。関西を中心に、アーティスト(ダンサー/ラッパー/シンガー/フォトグラファー/ヘアアーティスト stc…)のプロフィール作成やインタビュー記事の作成を行っている。現在の主な執筆活動としては
・FRESH DANCE STUDIOインタビューシリーズ
・カジカジ、連載「HAKAH’S HISTORY」
・その他パーティレポ、ダンスチーム紹介文、音楽作品の紹介
などが挙げられる。大阪のアンダーグラウンドシーンにアンテナを張りつつストリートカルチャーの「かっこいい」を広めるべく日々執筆中。

ご依頼はこちらまで。
sage.the.nara@gmail.com

 

【30min interview】ENDRUNが新進気鋭のビートメイカー達と共に放つ「innervision」

 

S__86941701

大阪から全国、さらには世界へ発信を試みるビートメイカー/プロデューサー、ENDRUN(エンドラン)。
ハードボイルドな映画のワンシーンを彷彿とさせるような煙たいサンプリング、そして無骨で重たいビートからなる音源を武器にフロアを揺らし続け、また多くのビートテープやアルバムをリリースしてきた。そして今年の2月には最新アルバム「innervision」をドロップ。昨今のビートシーンを賑わす著名な日本のビートメイカーとのセッションや過去の音源のRemixを盛り込むなど、マニアにとってはクレジットを眺めるだけでニヤついてしまうような、豪華かつボリュームのある内容になっている。

https://soundcloud.com/endrun-flashtime/innervision-teaser-1

過去のインタビューにおいても「現場でリンクした人と積極的に作品を作っていきたい」と語っていたENDRUN。まさに今回のinnervisionは、”現場のリンク”の賜物ではないだろうか。
今回の作品にまつわるエピソードや最近のマインドについて語ってもらった。


001-ENDRUN-001

―よろしくお願いします。ニューアルバム「innervision」ですが、リリースしてからの反応はいかがですか?

好きな人は聞いて反応してくれるんちゃうかな?自叙伝じゃないけど、自分のやっていることを出し切ったっす。

―アルバムのために新たにビートを作ったというよりも、今までストックしていたビートをアルバムという形に昇華したという経緯なんですね。

自分のソロのビートは全部新しく作ったやつで。あとは遊んだ日のノリで出来た瞬間瞬間で作ったものをコンパイルしたビート達と、フレッシュな新録音のセッションアルバムっす。自分がかっこいいと思ってる人とリアルにコネクトして、やりたいことをやっていきたいというのは変わらないすねー。

002-IMG_0172

―「好きな人と好きなことを」というのは以前FRESHから行ったインタビューでもおっしゃっていました。

FRESH DANCE STUDIOプレゼンツ・インタビューシリーズ。~ENDRUN~
https://freshdancestudio.com/news/details/134.html

「無理しない」が自分の中にあるので。自然体というか。

―ENDRUNさんの今までのビートテープやアルバムは、自身のトラックのみを使用することが多かったですが、今回の「innervision」は一転、他のビートメイカーとのセッションやリミックスがテーマになっています。何かきっかけが?

これもさっきと同じで「アルバム作りたいから誰々とセッションやろう」ってイメージではなく、今まで遊びでセッションしたりして作ってきたデモトラックの数が多くなったんで、タイミングかなーと思って。ビートメイカー同士の1対1のセッションでアルバムにするってゆう形もあるじゃないすか? 例えばYotaroとAru-2とか、ILLSUGIとCRAMとか

Hooba Booba (Yotaro & Aru-2) – Vapor

 

1_3evn9ujkyu5vgxwkckkqm img_40830afb910780a1232e3620013c531f160960

https://cramscram.bandcamp.com/album/below-the-radar

それもやりたいとは思ったんですが、今の自分のライフスタイル的に難しかったので「オールスター」ってイメージで作りましたね。こっち(大阪)に来たついでに僕の家に遊びきて、その時に「何して遊ぶ?ビート作る?」くらいのテンションで作ったものとか。まあ遊びにくる時に機材持ってきてる時点でビート作りにきてるんですけどね(笑)

―確かにそうですね(笑) 普段から機材を持ち歩いているあたりはさすがです。ビートファンとしては「このドラムパターンはYotaroさんみたい」とか「これはENDRUNさんっぽいサンプリングだ」とかそういった楽しみ方もあります。そもそもビートメイカーのセッションは、どのようにして進めていくんでしょう?

002-yotaro

基本的に僕の家に来てもらって作ることが多かったっすね。例えばYotaroがうちにきて一緒に作った時は、Yotaroがビート組んで、ネタも軽く組んで。ネタのFLIPも1ループまではYotaroがやって、ループの後半のアレンジは僕が担当するとか。ベースにしても、前半の音はYotaroが出すけど、小節の後ろは自分が出すとか。メインのビートのループができるまでは、半々で作ってー。

 

―なるほど。かなり細かいレベルまで共同で制作するんですね!想像していたよりもセッション感が強い。

003-Budamunk

あとはBuda君とのトラックは、僕のPCにあるネタのライブラリから、Buda君が選んだネタのFLIPをしてくれて。先に用意してあったドラムKITの中からBuda君がドラムの鳴りを細かくエディットして組んで、僕はベースを足したり、ループの後半のアレンジをやったり。キリのいいとこまで出来てイメージ思いついたら、「次俺行くっす」って感じでビルドアップしていって。交代で進めていくていう意味では、しりとりとかマジカルバナナに近っすね。「次どうする?」みたいな。

 

―面白い!その場のひらめきで少しずつ組み立てていくということは、最終的な着地点というか、「こういうトラックにする」というのはあらかじめイメージできないということですか?

うん、わからないっすねーただ、その人のビートの特徴はわかるから「この音を持っていったら多分こうなるやろな」みたいな予想はできるけど。あ、ほんでJJJとSTUTSと作ったトラックも思い出深くて、一晩に10個くらい作ったトラックのうちの1曲すね。その内のもう1曲がSTUTSのアルバムにも収録されてて。

https://itunes.apple.com/jp/album/fantasia-feat-%E4%B8%80%E5%8D%81%E4%B8%89%E5%8D%81%E4%B8%80/1424866258?i=1424868131

004-JJJ

005-STUTS_400x400

―一晩でですか!凄まじい集中力…!

和歌山の現場で3人でビートセッションをするって回があって、前乗りして温泉入ってからホテルにこもって夜の24時から朝の7時くらいまで制作しましたね。「まだいけるっしょ」みたいな。
「Runnin’」て曲のデモはそん時に出来て。僕がネタのループ組んで、STUTSがビート組んで、JJJがパーカッションやって、んでその後STUTSからパラデータ(曲のギターとかドラムとかのパートごとにわかれた音)が送られてきたから、僕が勝手にEDITし直して完成して。笑

―お互いのスキルや「やれること」を提示する点ではダンスのセッションと似ていますね。

あーどちらかというとバンドすね。一台の機材で交代で作るときもあるすけど、STUTSとJと作った時はみんなが機材を持ってきてたから、そこで1つのスピーカーに3つの機材をつなげて同時に流してたからほんまにセッションでしたね。3人が同時に音を出すのでぐちゃっとなるタイミングも一瞬あるけど、だんだん整ってきたら「あぁ、それそれ」みたいな。

―今回のアルバムに散りばめられているRemixの話になるんですが。「FINEST」のBudamunkさんのRemixは本当にきめ細かく作り込まれていることがわかります。ただトラックを別のものに入れ替えるだけではなく、明らかにラップの部分もエディットされていて。しかもbpmも変わっていますよね?

ENDRUN “Finest” feat. ISSUGI & 茂千代 (Official Video)

実は2年くらい前に、既にRemixのデータが手元にあったんすよね。曲自体はリリースした時にめっちゃいいって言ってくれてて。「アカペラ送ってよ」って言われて、そっこー送ってRemixを作ってもらってたんす。でもずっと世には出せてなかったので、今回ボーナストラックで入れようと思って、改めて仕上げてもらいました。

―そうだったんですか。

Remixは、アカペラさえあれば面識ない人でもさらっとコラボできるのが特徴すね。例えば今の話でいうと茂千代君がBuda君のビートでラップしたり。本人達が知り合えばタイミングでできると思うけど、それを僕が提示するというか。ラッパー個人のコネクションじゃところをつなげていく。それも面白いすね。

007-IMG_0173

―今回エグゼクティブプロデューサーとして参加されている16FLIPさんとの制作はどのようなものだったんでしょう?

006-16FLIP

16FLIP氏にはおおまかなディレクションを担当してもらって。
今回デモ段階でいろんな方向性のビートが大量にあったので、まとめるのが難しくて。その過程で、「このビートは今回はやめておこう」とか「これは入れておこう」とかそういったアドバイスすね。ベースとなる僕の考えやアイデアは尊重した上でリードしてくれました。
それからサウンド面でもサポートしてくれて、ここは多少マニアックな話になってしまうんすけど。
ダンサーの人はわかるかもしれんけど、耳で聴いて「あ、おっきいな」って感じる音と、体にダイレクトに感じる腹にくる音って、明らかに音の固さってゆうか質感に違いがあって。
より体にバーンって入ってくるような太い音が出るように、サウンド面の修正点とかもディレクションしてくれたっす。
「首が勝手に動く」音っていうか。ただそういう「体にくる」っていう感覚は、言葉やったり数字に表しにくい世界やし、音圧の上げ方というのも説明の指示がどう言ったらイメージの方向性がちゃんと伝わるか。その部分をきっちり言葉でこうやったらどう?って感じで示してくれましたね

―ストイックな制作だったんですね。今回のアルバムはCDと同時に、デジタル配信も行うとうかがいましたが、どういった配信サービスで聴けるんですか?

iTunesとか、Spotifyとか?ですね。海外へ発信したいと思ってたので、すぐ韓国のダンサーの人がinstagramに上げてくれるのを見たり。あとは個人のplaylistとか作って紹介するblogとかでフランスとかイギリスとかの人もチェックしてくれてたり。まだまだ少ないけど、色んな人が聴いてくれてんねやって。

―今回のアルバムはタワレコなどの大きい流通ショップでも展開されています。そこも個人的には嬉しかったりします。

けど地に足つけて音源をデリバリーすることも重要だと思いますね。最早CDだけで音楽聴く時代じゃないから、流通に通してやってたらアーティストとして成立するかというと、関係ないと思うし、DIYで販売経路作ってる方が繋がりが明確で確実やと思う。自分一人でも配信サイトにもすぐupできるし。そこまでこだわりはないすけど、参加してくれている人達が皆ぶちかましてる人達やから示しがつかないというか、ビートメイカーとして今のライフスタイルで出来るベストの形を探した結果すね。
002-IMG_0172

―「innervision」というタイトルはどのように決まったんでしょう?

「自分の頭で想像したことが現実に起こる」っていうニュアンスでつけてるんすけど。心像現象だったり。結局自分のライフストーリーがここに詰まってて。自分の内側で見てる景色がビートの中に刻まれてるって感じすね。

―直訳で「内観」ですよね。

Stevie Wonderでも同じタイトルの曲がありますね。

Stevie Wonder – Innervisions

 

僕は今、どちらかというと自分の内側に向かって音楽を作ってるていうか。言い換えれば自分の魂の表現すね。その爆発の実験結果として受け取ってもらえれば。笑
インストのビートってそういうものじゃないすか?言葉がないので。

―ENDRUNさんの内側への探求が、アウトプットされて世に広まるというのは逆説的なようで面白いですね。

そうですね。まぁでも、聴いて何かを感じ取ってくれたらというくらいっすね。抽象的な表現やしね。

―それがインストの良さですよね。シンパシーを感じたり、不思議に思ったり、シンプルにビートのかっこよさに浸ったり。人によって受け取り方も千差万別だと思います。

最近のアルバムと比べたら曲数も多くて、アルバム通して聴くと45分くらいあるので、真剣に聞いたらめっちゃ体力いると思います。mixみたいに適当に流して軽く聴くぐらいがベストかもしれないすね。掃除のお供にでも。

―ははは(笑) シリアスな掃除の時間になってしまいそうです。他に何か情報などはありますか?

アルバムから1曲”New Birth feat.Willow”のmv作ったんで見て欲しいす。
rap曲なんすけど、今回のハイライトはこの曲。new birthってサンプルネタで組んでて笑
映像はRollswyze。この人の映像は知ってる人が見たら1発でわかると思うんやけど、本当今回のんほんまめちゃいいから。

ENDRUN – New Birth feat.Willow

あと福岡のDJ GQとのスプリットMIXも出してるからこっちも聴いてみて欲しいです。

IMG_7456


 

インタビュー中、「無理せず、マイペースに」と再三語ったENDRUNであったが、確固たるビジョンとそれを実現するためのたゆまぬ歩みがそこにはあった。ただリズムの表現としてのビートを楽しむだけではなく、そこににじみ出るENDRUNの思想や思考やライフスタイルに意識を向け、”内なる景色”を共有するのも楽しみ方の一つではないだろうか。

S__63356963


インタビュー/文 : Seiji Horiguchi

Seiji Horiguchi

フリーライター。
新聞記者になることを夢見る学生時代を経て、気づけばアメ村に。関西を中心に、アーティスト(ダンサー/ラッパー/シンガー/フォトグラファー/ヘアアーティスト stc…)のプロフィール作成やインタビュー記事の作成を行っている。
現在の主な執筆活動としては
・FRESH DANCE STUDIOインタビューシリーズ
・カジカジ、連載「HAKAH’S PROCESS」
・その他パーティレポ、ダンスチーム紹介文、音楽作品の紹介
などが挙げられる。
大阪のストリートカルチャーにアンテナを張りつつアンダーグラウンドの「かっこいい」を広めるべく日々執筆中。

https://www.instagram.com/horisage/

依頼はこちらまで。
sage.the.nara@gmail.com

【30min interview】 DJ QUESTA NEW MIX CD “BLACK LABEL”リリース

2017年春に発足し、オンラインにてレコード/CD,DVD/アパレル/各種グッズを取り扱っているBETWEEN MUSIC STORE。大阪アンダーグラウンドにて長年活動を続けるDY&QUESTAの二人が仕掛け人だ。

http://www.betweenmusicstore.jp/

そんなBETWEENから不定期で発信されているmix CDシリーズの最新版が3月にドロップされるという情報が。初回はDJ DY、2作目はDJ SOOMA…と、毎回異なるDJの音楽を楽しむことができるmixとして話題となっているが、今回は満を持して(?)DJ QUESTAがselect & mixを担当する。

S__21045257
最新mixの内容とDJ QUESTAのキャリア、そしてDJingとの向き合い方に迫る。


 

QUESTA-04

—-よろしくお願いします。早速ですが最新版のBETWEENからのmixについて。QUESTAさんが担当することになった経緯を教えてください。

「HOUSEはまだ誰もやってないね」という話になって。自分は好きなHOUSE DJがいっぱいいて、どの人に頼もうか考えてたんやけど、DYちゃんから「それやったらヒロ(QUESTA)が出したらいいやん」て言われたから、ほな俺がやろかーって。

—-あっさりとした流れ(笑) 以前、DYさんとQUESTAさんを迎えて行った30分インタビューの中で、QUESTAさんは「ジャンルの縛りがないとmixを作るのが苦手」という話をされていましたが、今回は「HOUSE縛り」になったわけですね。

 

<DY&QUESTA 30min interview>05278bfc93433ce8459af47926d648db

https://freshdancestudio.com/news/details/167.html

正確にはジャンルというよりも、選曲する上での「テーマ的な縛り」が必要だと思っていて。

—-もう制作自体は終わっているんですか?

うん。今年の1月に体調を崩してダウンしてしまった時があって。家にいるけどなかなか寝れんくてやることないし、せっかくやったら(mixの)選曲もしてしまおうと思って。どちらにしろレコードはずっとかけてるし。2日で作りました。そういえば今までHOUSEでmix作ったことないね。

—-部屋でレコードをかける作業というか習慣の延長でmixの選曲もされたということは、今回のmixは全てレコードからの音源というわけですね。

そうやね。でもあまりアナログやからすごいとか、データやからどうとか、そこへの偏見はないかも。どちらにもいい点はあるし。レコードにこだわってるというよりも、めちゃめちゃレコードが好きというだけで。

DSC04072

—-寝込んでいる時間もレコードを聴いているあたりもまさに。

レコードを通ってきてる人と、データでDJをするところから入った人では、曲の捉え方が違うかもしれない。どっちにもいいところはあると思うけど。俺らは選択肢がレコードしかなかったけどね。

—-なるほど。ところでデジタルのDJが主流になり始めたのはいつ頃からなんでしょうか?

だいたい10年くらい前かな。自分が25,6歳くらい。serato(セラート)っていう機材が出てきて、みんな一気にそっちに流れた。
やっぱりレコードを買うというのはお金がかかるし。自分の働いてたレコ屋もつぶれたりして。
それでも一番レコードが売れない時代から、今は若干巻き返してるかなっていう感覚はあるけどね。若い子の中でもレコードを買う人が増えてきてたり。

—-他にも一周回って「カセットテープが渋い!」となったりも。時代は回る、ですね。

もちろんその流れはあるね。音楽もそうやけど。自分が高校生くらいの頃って、レコ屋で買い物してその袋を持って歩くのがちょっとしたステータスやったからね。
メジャーどころやったらmanhattan recordsとか。CISCO(シスコ)とかDMRとかやったら「あ、ちょっと渋いな」って思ったり(笑)

—-最初に熱心にレコードを集めだした音楽は?

もちろんHIP HOP。でも気づいたらHOUSEとか他のジャンルも集めだしたなぁ。いつからやっけなぁ。

—-いろんなジャンルの音楽をプレイできるDJというのは多いですが、QUESTAさんに関してはあらゆるジャンルに精通していて、そしてかっこいい。
例えばPROPSでのHIP HOP DJとしての一面もあるし、Monday Channelにもゲストで呼ばれるHOUSE DJとしての一面もあるし、あるいはテクノのパーティでも回されたり。そういうDJは少ないんじゃないかなと。

DSC04056

自分の完全なバックボーンはHIP HOPやねんけど、ちょっとあまのじゃくな所もあって。人とちゃうことをしたいというか。
レコード屋に出入りするくらいの頃にSTONES THROWが人気になってきてて。自分もMadlibの大ファンやし。
そうやってアンダーグラウンドのHIP HOPをいろいろ掘っていく中で自分の耳がどんな音楽でも聞けるようになっていったんやと思う。
そこでHOUSEも好きになったね。もちろんSoulとかFunkとかJazzとかReggaeも好き。
それから最初に働いてたDMRっていうレコ屋を辞めた後、NEWTONE RECORDSっていう店で働くねんけど、そこはいろんなジャンルの大好きなDJが働いてるレコ屋で。
そのDJがbuyingする音楽を自然に聴いてて。その中でかっこいいと思ったレコードを貸してもらったり。

<NEWTONE RECORDS>
https://www.newtone-records.com/

—-働く環境が重要だったと。

人からの影響はかなり大きいね。一人やと入ってくる情報も限定されてしまうけど、自分の場合はいろんな人からいろんなことを教えてもらってきた。
それに対して自分なりに良いところを見つけて楽しむ。自分は基本的にどんな音楽でも良いところを見つけることができるタイプやと思ってて。もちろんその中でも「好きかどうか」という基準もある。人がいいっていう音楽に対して「自分は好きじゃない」となる時もやっぱりあるし。そういう聴き方で、選(よ)って選っていろんなジャンルのレコードを集めてきたね。

—-普段、他のmixを作る時もだいたい2日ほどで完成するのでしょうか。

録ってからは早いねんけど録るまでが遅い、というか腰が重いね。でももっと気軽に「今はこういう音楽を聴いてる」というのを発信できた方がいいのかなとも思ってる。今回BETWEENからはHOUSEのmixを出すわけやけど、そうすると「最近はHOUSEしか聴いてないのかな」って思われたりもするので。

—-そんなことが…。偏った見方ですね。

そういう捉え方をされるのは嫌やね。mixで選んでいるのは、ごく一部のジャンルのごく一部のレコードなので。でも、だからこそいろんなジャンルのmixを作らないといけないのかなと思ったり。

—-今回のmixを拝聴して、前半がシックなイメージで後半が歌モノをはじめ明るい印象になったりと展開を感じられますが、内容的に何か意識したことは?

QUESTA-03

「DEEPにいきたい、でもそうなりすぎない」みたいな…駆け引き?(笑)
でも正直「HOUSE入門」みたいな位置付けで作ったつもりもなくて。クラブのフロアで聴くのと、普段聴く音楽の間をいくような。あんまり深いところに行くとみんな疲れるやろし、キャッチーにしすぎると普段聴いてる人からしたら物足りないやろし。そういうのが難しいねんな。

—-絶妙なバランス感覚が必要になりますね。先日DYさんから「今年はBETWEENのmixをいいテンポでリリースしたい」という話をうかがいました。確かに前回のDJ SOOMAさんの「GROUNDWORK」から4か月弱という短いインターバルを考えると期待も高まります。

Playground jacket

GROUNDWORKS jacket

これくらいのペースでいけたらいいかなぁ。一応もう次も声はかけて決まりつつあるよ。
個人的にもmixは今年は頑張って作りたいな。…けどこういうことを言うとまたハードルが上がるからやめとこ(笑)

—-楽しみが増えます。ところでmixというのはQUESTAさんの中でどういった役割を担っていますか?デモンストレーションのようなもの?

なんなんやろ。でも実際のパーティでのDJはまた微妙に違うやろし。
やっぱりパーティでは、クラブの雰囲気、遊びに来るお客さんの雰囲気、時間帯とか全部意識するしね。それに対してmixは録音物やから。自分を知ってもらうアウトプットの中の一つやね。

—-QUESTAさんは先ほども話したように様々なジャンルに精通していると同時に、繋がり方が尋常ではないというイメージがあります。大小様々なパーティ、フェスにも出演されていますし、また地域を飛び越えて各地のプレイヤーとの繋がりを持っている方だな、と。

いろんな音楽に興味があって、いろんなジャンルの好きなDJが今どんな音楽かけてるんやろっていうのに興味があるから、昔からいろんなクラブに遊びに行ってた。そしてもちろんNEWTONE RECORDSで働いていた経験も大きい。レコ屋ってほんまにいろんなレコードと触れ合う機会があってさ。
出会う音楽を最初に否定してしまえばそれまでやけど、興味を持って踏み込んで見れば新しい発見ができたり。逆にそっち側から見た時に自分が元々好きやった音楽にも再発見があったりするし。
今でも俺の知らん音楽を知っている人は沢山いるし、そういうのをもっと知っていきたいな。それを自分なりのフィルターを通して表現していけたら面白いよね。

—-1つのジャンルにこだわって追求する職人肌なDJも自分は好きですが「いろんな音楽に好奇心がある」というのはQUESTAさんの魅力であり能力ですね。

自分はやっぱり「レコードを売る、買う、かける」が好きなので。それをもっと続けていきたい。でも人の音楽に対して否定する気はないし、自分の良いと思ってる音楽がみんなにとっても良いと思える音楽とは思ってない。ただ「こういう音楽がある」っていう紹介はしていきたいし、そこから引っかかるものがあって広がっていけば素敵やし。


個々が自由に音楽を楽しむことを尊重すべきだと繰り返したQUESTA。
にこやかにラフにインタビューに応じながらも、確固たるバックボーンを感じさせる言葉選びや所作が印象的であった。肩の力が抜けつつも、音楽を楽しみ楽しませる彼の姿勢を見れば、ファンの多さにも頷ける。インタビュー中も、たまたま店内に居合わせた府外のヘッズとパーティの話に花を咲かせたり、これまた偶然遭遇したクラブスタッフと挨拶を交わすなど、繋がりの広さを感じさせた。
歴年のキャリアと音楽への飽くなき好奇心を持つDJの快進撃が今年も始まる。

QUESTA-01


<QUESTA(HOOFIT/BETWEEN MUSIC STORE) プロフィール>

QUESTA02

フロアの感覚と音楽的な流れに則って、時代、ジャンルに捕われない様々な音楽からダンスするグルーヴを抽出。パーティーに合わせた縦横無尽な選曲を安定感抜群のダンスグルーヴに纏め上げるプレイスタイルがコアなパーティーピープルやダンサー等を中心に、多くのミュージックラバーから信頼を集めている大阪のDJ。
現在は自身も主催に参加する『HOOFIT』、『PROPS』を中心に、大小、ジャンルを問わず多くのパーティーに参加し、大阪を拠点に県外や海外へも招かれる等、活動の幅を広げている。
またこれまでのレコード店勤務の経験を活かし、仲間のDYと共にレコード、CDの販売を中心としたオンラインショップ、BETWEEN MUSIC STOREを立ち上げ運営中。
日々フレッシュな音楽を探し求めながら底の見えない音楽の沼をゆっくりゆっくり遊泳中。


 

<DJ QUESTA’s SCHEDULE>

3/2 HOOFIT with DJ KENSEI at Compufunk Records
3/8 at INC COCKTAILS東京
3/9 TBA at Bahama Kitchen 東京
3/10 at INC COCKTAILS東京
3/16 Y.U.R.E…3 atBar Antonio加古川
3/17 day time RAWD2 at神戸ハーバースタジオ
night time Stones Throw Tour with Mndsgn at Noon
3/20 Superplume at Club Contact東京
3/22 at淡路島
3/24 ALTZ.P リリースパーティー at Socore Factory
3/26 Nostalgia 1st anniversary at Camon


インタビュー,文 : Seiji Horiguchi

30 min interviewシリーズ ”DJ K-KATSU、2019年スタートダッシュ”

日々多忙なアーティストにわずかな時間を割いてもらいインタビューを敢行する
「30min interviewシリーズ」

2019年。新年早々動きを見せるのは、日本を代表するHOUSE DJ、K-KATSU氏

IMG_9019

昨秋にはNYへ渡り、刺激的な経験を通して音楽への愛とNYの人々とのつながりを再認識した。

昨年からFRESHでも取り扱いを行なっているHOUSE mixシリーズである
“BIG APPLE NOIZE”の最新版 (もう21作目になる…!)を先日ドロップしたばかりのK-KATSU氏。
驚異のペースでリリースし続けているmixやその他の活動について話を聞くべくインタビューを行った。

DJ K-KATSU mixcloudアカウント
https://www.mixcloud.com/masarukuroishi2/

DJ K-KATSU Sound Cloudアカウント
https://soundcloud.com/dj-k-katsu


(去年の秋に出た)KAZUKIYOのインタビュー読んだよ!面白いね。

https://freshdancestudio.com/news/details/158.html

―ありがとうございます。K-KATSUさんにそう言ってもらうのは嬉しい…。

昔のサンチャン(SOUND CHANNEL)の話も出てきたりして、ワクワクした。
KAZUKIYOは、今じゃゆっくり話す機会もないからね。
サンチャンでイベントやってる時は、ホストダンサーで入ってるYUKIHIKO,KAZUKIYOに加えて
(SODEEPの)NAO君やOHISHI君に入ってもらってショーやるとか。おもろいことやってたね。

―スペシャル感がありますね。今ではフラチャン(Friday Channel)での
ダンスセッションが話題になっています。

DJタイムにプラスしてダンスセッションをやってる。
TAKEさん,KORGE,KAZUKIYO,keiko,TSUNEの5人にメインで入ってもらってて
その時のゲストDJの音でセッションしてもらってる。毎回ダンサーの違う顔が見れるから面白いね。

—今回のブランニューミックス”BIG APPLE NOIZE 21”についてですが。

IMG_9024

NYでよく通ってたDELIの写真が今回のジャケット。この写真気に入ってて。
ここのDELIは、お菓子やらご飯が手前にあってその隣に野菜のコーナーがあって、
そのまま店員のおっちゃんに好きな具材を言ったらサンドイッチを作ってくれるんよね。
で、ジュースが入ったでっかい冷蔵庫があって、奥には日用品があったり。ずっと見てられる(笑)

S__70819847

 

S__70819849S__70819848

S__70819851

—去年の秋にNYに一ヶ月ほど滞在されたということですが、もちろんDJの現場もあったんですよね?

今回のNY滞在では12回くらいDJしたかな。
向こうのスタジオのバトルとかセッションのDJで呼んでもらったり、あとはクラブで回したり。
クリケットっていうMOP TOPの下の世代のダンサーが呼んでくれた。

—1ヶ月で12回!めちゃめちゃ忙しい(笑) NYに住んでいる日本人の友人には会ったりしますか?

そうそう。NYって物価が高い分、向こうに住んでる日本人は暮らしが大変だったりするみたいで。
スタジオのセッションとかは参加するけど、その後のクラブにはなかなか行けなかったりするみたい。
それでも俺がDJで行くときはクラブにも来てくれるから、日本人のコミュニティの空気感がふわっと良くなるみたい。それを聞いた時は嬉しかったね。

―さて、今年のDJとしての動きなのですが、少し情報が出始めているのは今月のDJ FOUR NIGHTですよね。

錚々たるメンバーで1月19日に心斎橋JANUSでDJタイムだけのパーティをやる。
何かが起こりそうな予感しかしないね!

IMG_8077

IMG_8076

―確かに豪華すぎるDJ陣ですね…!

もともとこのDJ FOURっていうコミュニティは以前から存在していて。
常に連絡は取り合って、「でかいパーティをやりたい」っていう話はしてたんよ。

東北の方でDJ辰君がメインで動いてやった時もあったけど、
フルメンバーでパーティするのは、今回で初やね。
その日はDANCE@LIVEがあるんやけど、俺もBATSUさんもTOGACEE君もバトルDJで参加してるから
会場にいるダンサーにもアナウンスして、そのまま来てもらえれば面白いことになるかなって。

―確かにタイミングもバッチリ。爆発しそうですね…。

ちなみにタイムは決めてなくて。いい意味で適当にラフにやろうと思っていて。
その時のフロアの空気を見て「今の時間は誰かと誰かが回す」みたいな流れを作って
それがはまれば面白いよね。

―みなさんDJの幅も広いので、どんな音がかかるかも楽しみの一つになりそうです。

みんなの共通項というか、音楽的な軸としては”DISCO MUSIC”がキーになると思ってて。
自分はbpm 115~120くらいのdiscoから徐々にHOUSEに寄せたり。
TOGACEE君なんかも,NEWもOLDもどっちもいける人やし。
BATSUさんも、もちろんdisco,funkかけさせたらめちゃめちゃかっこいいし。
ぜひ来て欲しい!


IMG_9014この他にも、大阪のDJとコラボし新たなパーティをしてみたいと話すK-KATSU氏。

「シーンの為」「生活の為」などシビアになるべき事情ももちろんあるかもしれないが
彼の話す姿を見ていると、昨今のビジネスライクなイベントとは一線を画し
「ワクワクする空間をクリエイトしたい」という感覚に従ってパーティをメイクしているように感じる。
今年も日本人離れした行動力と包容力を持つ彼のDJに、酔いしれようではないか。


DJ K-Katsu (SOLE channel Music NYC)

Katsu201602

<<プロフィール>>

1999年末よりDJ活動を開始。
NY Deep House, Garage, Soul, etc…様々なDance Music, DJに影響されTimmy Regisford,Black Coffee,DJ Spinnaなど、名だたるアーティストと共演し経験を積む。
またトップレベルのDance CrewであるDance Fusion NYCやELITE FORCEをはじめ数々のDancerをフューチャー、共演しダンサーサイドからの注目もやまない。
数々のHOUSE DANCE BATTLEにBATTLE DJとして参加。(JUST DEBOUT JAPAN, Summer Dance Forever Japan, DANCE @LIVE, THE GAME, HOOK UP, REAL (韓国), etc…)   日本国内最大級のHOUSE DANCE SHOW CASEイベント、”HOUSE DANCE CROSSING”に毎年MAIN FLOOR DJとして参加。
また、毎年の渡米にてNYCの様々なREAL PARTYでDJ Playを経験。
Mr.V主催SOLE channel Music アパレルラインのJPライセンスを取得し日本でも展開。
2016年SOLE channel Music NYCに正式加入。
2014年からNew York CityのInternet Radio Show “NYC House Radio”にてExclusive Mixを毎月配信中。
2015年House Music x New York Cultureをコンセプトに自身のThe5Circleアパレルライン”T5C DELI”を立ち上げる。SOLE channelアパレルラインと並行して展開。

【30min interview】 QUESTA&DY “BETWEEN MUSIC STORE POP UP2018autumn”

BETWEEN MUSIC STORE POP UP STORE
30min interview to DJ QUESTA & DY


 

2017年春よりオープンした「BETWEEN MUSIC STORE」
sucreamgoodmanのメンバーとして日本を所狭しと駆け巡り、近年ではDJとしての認知も広まっているDY。
そして関西を中心に長年DJを続け、レコードショップのスタッフとしても音楽に携わり続けてきたQUESTA。そんな2人によるオンラインミュージックストアであり、FRESH主催のイベントをはじめ、パーティでもブースを展開するなどストリート密着型のショップだ。
オンラインストアの発足に先駆け昨年4月に、アメ村真ん中のCATS BARにてPOP UP STOREを開催。
連日、多くの音楽ファンが訪れ、賑やかなパーティが続いた。

IMG_7595

ride67

ride66

ride64

その際にDYにFRESHから独占インタビューを行っていたので、こちらの記事も合わせてチェックしてほしい。

https://freshdancestudio.com/blog/2017/04/%E3%80%90%E7%8B%AC%E5%8D%A0%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC%E6%9C%89%E3%82%8A%E3%80%91%E3%82%A2%E3%83%A1%E6%9D%91%E3%82%92%E8%B3%91%E3%82%8F%E3%81%9B%E3%81%9Fbetween-music-store/

さて、STOREの創立から1年少しを経て、再びPOP UP STOREを開催するという情報が入ってきた。
今回はどういった狙いがあるのか。初回の盛り上がりを体感したスタッフとしてはその中身が気になるところである。そこでスタジオに2人を招いて、30 min interviewを敢行した。
DYはちょうどFRESHでのレッスンが終わり、息を弾ませている。
時間差でQUESTAがビール缶を片手に登場。極めて和やかにインタビューが始まった。IMG_5481


 

—-宜しくお願いします。早速ですがオンラインショップを1年運営してみてどうでしたか?
個々の活動を通してBETWEENとの向き合い方など。始めた時と比べて変化したことがあれば教えてください。

DY : 正直、特に”すごい変わった”ってことはないかな。俺もヒロ(QUESTA)も、プレイヤーとしての活動が最優先にある分、
「BETWEENで商売をする」というよりもアーティストとしての活動を軸にしていて、そこをおろそかにしたくないというのがある。

QUESTA : お互いそこを重要に考えてるもんね。

DY : 2人やからこそできることもある。俺が地方行く時は、ヒロが見てくれるし。
逆にヒロが遠征行ったりLAに買い付け行く時は自分がこっちのことをして。
プレイヤーとしての突っ走り感をお互いに認めあえてるのは大きいなー。

QUESTA : 確かに何が変わったというのはないかな。お互いに活動が忙しいのは前からわかってるし。
もちろんBETWEENにもっと時間を使って良くしたいことはいっぱいあるけど、今はそれ以上に個々の活動を継続していくべきだと思ってる。
かといってBETWEENを軽く見てるわけじゃないし、やれる時は目一杯やるし。

DY : オンラインショップは、店頭がない分、サイトの見え方は工夫すべきやんな。
例えばシーズンごとにページのディテールを変えたり。例えば一面にダーンて目玉商品を載せたり。
ただ商品の情報をアップデートしていくだけじゃなく。
でも「ワクワクする場所を作りたい」というのは、始めた時と変わりないねー。

IMG_5501

QUESTA : 今まで店頭でしか働いたことがなかったから、オンラインだけというのは新鮮やし難しさも感じてる。でもさっき言ったように2人ともそれぞれの活動で動き回るし、店頭を持ってしまうと店に立たないとあかん。

DY : 店頭に立つことがない分、自分たちが動いただけ何かが変わるとは思ってる。
例えば地方に行ったらその地域からのBETWEENへの受注があったり。目に見えて動きがあるのは面白い。

—-プレイヤーとして動いただけ、ショップの活性化にもつながるんですね。
BETWEENの認知はどういった層に広まっていると感じますか?

QUESTA : グッズとか服はダンサーが多いのかな。でもレコードに関してはオンラインやからわからない。
時々、DJとかビートメイカーとかでメールに名前が書いてある人はわかるんやけど。
でも正直、単にレコードを検索してページにたどり着いてるのか、俺らのことをチェックしてて、BETWEENで買ってくれているのかは、読めないね。でもまだまだやと思う。1年しか経ってないし。他のレコ屋のパイセン達は何年もやって徐々に広げてきてはるし。

—-BETWEENがまだ創立から1年というのが、変な感じです。もっと前からあるようなイメージです。

QUESTA : ここ2人(DYとQUESTA)はずっと一緒におるしな。普段から連絡もずっとマメにとってた。今は「あれ送っといて!」とか「今、ちょっと外出てるねん!」とか業務連絡もかなり増えたけど(笑)

IMG_5478

DY : ヒロは今までCOCOLO BLAND、NEWTONE RECORDS etc. で働いていて、オンラインの経験があった。
自分はそういう知識はなかったから、改めて自分がショップを持つとは思わなかったわ。

QUESTA : 逆に言うと自分のそういう経験もあって自信があったからBETWEENを始めたというのもあった。

—-POP UP STOREの話に移りたいと思います。昨年のPOP UPはやってみてどうでしたか?
また今回はこういうことを盛り込みたい、というイメージはありますか?

QUESTA : 1回目はめっちゃ楽しかった!めっちゃ遊んだなー。
あの時の精一杯はやったつもりやから、反省点とかは特にないかな。
もうちょっとレコード売りたいっていう気持ちはあるけど。でも個人的にはPOP UPに対してグッと構えてるって感じはなくて。飲めて、いい音かかってて、レコード買えて…ができれば俺はいいかな。もちろんちゃんとやるけどね。(DYに)なんかやりたいこと…ある?

IMG_5480

DY : うん、まあ今回に関しては、SOOMAくんのMixを手にとってほしいなってゆうのがあります。
POP UPでこうしたいとゆうよりは、これがあるからPOP UPをする、て感じ。
今回もこのMixリリースをキッカケにスタートしているので。
あとは、タイミングとゆうか…。CATS BARのスケジュール、今回Mitsu The Beats君をゲストに呼んでるHOOFITと
かぶってるのも、ある意味タイミングが良かったし。そっちの方が遠方の人もみんな来やすかったりすると思って、このタイミングにしました。

QUESTA : 正直POP UPに対してそんなに深く考えてないなぁ。

IMG_5508

全員 : ははははは(笑)

DY : でもその4日間に関しては、つきっきりで入る。ダンスのレッスンも休ませてもらってるし他の仕事もとってないし。とにかくPOP UPに集中する。最高な時間にしたいなぁって。
もちろん大変やけど、そこに来てくれたお客さんと話して、音掘ってもらって、いいDJ聞いて、酒飲んで、みんなで遊べたらいうことないやん?

QUESTA : 大阪の知り合いとか友達に関してはオンラインよりもPOP UPの方が見やすいやろしね。
だから定期的にやらないとな、というのはずっと頭にある。

—-今回BETWEENからリリースされるSOOMAさんのmixについて話を聞きたいと思います。まず、気になるのは人選。QUESTAさんではなくあえてSOOMAさんが手がけるということ。それからMixの”GROUNDWORK”というタイトル。前回のDYさんの”Playground”からの流れがどうしても気になってしまいます。PlayからWorkに変わったのは何か意味があるのでしょうか?

DY : 第2弾は俺もヒロかなって思ってた。

QUESTA : 俺もそう思ってた(笑)
ただBETWEENのあのMixのシリーズはそもそも、いろんなDJにお願いしようと思ってて。自分たちがかっこいいと思うDJに。あと俺、Mix作るのめっちゃ苦手やねん。

—-そんなの信じられないです(笑) 今年の夏にもブラジルの曲をセレクトしたMixをリリースされたばかりですよね?

IMG_5469

DY : ヒロは音楽のジャンルが広すぎて選びきれないという悩みもあると思う。
(DYとQUESTAが手がける)RADIOシリーズみたいに「新譜」とか縛りがあれば作りやすいと思うけど。
あとはBETWEENのMixのイメージは、BBEっていうイギリスのレーベルの「Beat Generatiaon」って企画をヒントにした。
「こちらがすべてサポートするので、好きに製作してください」っていうスタンスでプロデューサーに依頼するねんな。
今まで参加したのは、Pete Rock,J Dilla,King Britt,DJ SPINNA,Marly Marl,Madlibとか。
そういうシリーズのMix CD版をしたいと思って。そこで自分が大阪で一番かっこいいと思ってるSOOMA君に声をかけさせてもらった。

ride62

それこそ「好きにやってください」って投げて。で、かえってきたMixのタイトルが”GROUNDWORK”だった。そこに深い意味があるかどうかは俺も聞いてないからわからない。SOOMA君の俺らに対する答えやっただけ。

QUESTA : 多分適当やと思うで(笑)

—-えー!こんなに色々考えさせられるのに!(笑)

QUESTA : みんなが思ってる以上にタイトルつけたりってけっこう適当やと思う。
めっちゃ考えるけど最後はこれでいいかってなる。特にオレの場合は。もちろん受け手は、そこから色々連想するものであっていいと思うけどね。

DY : 音源を聴いてもらったらそれがめちゃめちゃわかるようになってるねんな。
「なんで今までこれMixに入れてなかったんやろ」っていう曲も入ってたりとか。
極端に言えばそのタイトルにした意味をわざわざ本人(SOOMA君)に聞かなくてもよくて。
そういうところでグッときたし、これから第3弾、第4弾って進んでいった時にそれぞれのDJがどういう答えになるんやろっていう楽しみもあるね。
みんな回ったあとにラストがヒロのMixとかでも俺はやばいと思うし。

QUESTA : そんなん言ったら余計作りにくなるわあ(笑)
難しく考え出すとMixって作りにくい。LIVE REC(パーティでのDJプレイを録音したMix音源)の方がやっぱ楽やなー(笑)

—-Mix CDの中身で、タイトルの回収が出来るというのは音楽家としてすごく理想的なあり方ですね。最後にMixでも出てきたワード、「PLAYとWORK」の話に戻るのですが、オンラインの運営やPOP UP、あるいは普段のパーティオーガナイズにおいて、遊ぶ事と働く事との境界線はありますか?

IMG_5491

QUESTA : POP UPの期間中に関していうと、全力で遊ぶよ。結局自分らが楽しめないとね。
ただそこまでの準備に関してはめっちゃ頑張る。寝なかったりもするし。

DY : 準備が仕事やと思う。ダンスのショーもDJのプレイもそこは一緒やと思ってて。やっぱり準備しないと最強のパフォーマンスはできひんわけやし。
ダンスやったらルーティンを作るとか、DJやったら何時間もかけてレコード選ぶとか。
その時間はシビアにならんとあかん。それすらも楽しんでる人も、もちろんいるけどね。「このレコードかけたらあの人、お客さん、絶対あがるやろなー!」とか。
その代わりにショーケースとかDJの時は最強の「遊び」やな。
準備ができてれば安心感が違うから、必然と自信につながると思うねんな。

QUESTA : プレイすらも仕事って感覚になってしまうと、もう無理やんな。

DY : 遊びじゃなくなると、安定が必要になるから、同じプレイリストをかけてしまうと思う。

IMG_5477

—-なるほど。ステージとバックヤードこそが”PLAYとWORK”の境界なんですね。
最後にPOP UPへの意気込みがあればお願いします。

DY : POP UPに関しては俺らのバックボーンを知らない一見さんでも、楽しんでもらえるような空間にしたい。セレクトも、かかってる曲も、レイアウトも。表現したいものを出したい。今回はSOOMA君のMixのリリースを軸にしているので、これは是非聞いて欲しいって思います。

QUESTA : いいMixやで。まああとはみんな普通にフラッと遊びに来て欲しいです。


 

舞台裏で地道な作業や準備を繰り返し、表舞台でそれを解放するというプロセスは
ストリートのエレメンツ全てに共通して重要なことではないだろうか。
肩肘張らず、まずは自分たちが楽しむことを追求する2人。
それでもPOP UPがとても刺激的で多くの人が訪れるのは、彼らの長年の活動と経験があってこそだろう。
DYとQUESTAが盟友となったきっかけは共通のファンだというJ Dilla。
お互いに「こいつ分かっているな」という信頼を築いたところから今のBETWEEN発足に至っている。
大阪を代表する2人のDJのこれからの動きにも注目だ。Two DJs Can Win.IMG_5529


 

“BETWEEN MUSIC STORE”
RELEASE SPECIAL POP UP 2018 AUTUMN

IMG_7612

11/01 (THU)
17:00-24:00
11/02 (FRI)
15:00-24:00
RELEASE PLAY: DJ SOOMA
11/03 (SAT)
13:00-20:00
11/04 (SUN)
15:00-24:00
CLOSE PLAY: DJ QUESTA & DJ DY

at CATS BAR
〒542-0086 大阪府大阪市中央区西心斎橋1-8-16 3F

http://www.betweenmusicstore.jp/


インタビュー/文 : Seiji Horiguchi

 

30 min interviewシリーズ”DJ K-KATSU”

日々多忙なアーティストに、わずかな時間を割いてもらって敢行する「30min interview」シリーズ。今回は第4弾。
毎週月曜にアメ村で良質なDEEP HOUSEを鳴らし続けているDJ K-KATSU氏だ。
大阪に根を張りつつも、ニューヨークのレーベルに所属し、世界にその名を轟かせているKING OF HOUSE。
制作やDJ業などで超多忙な中、貴重な時間を頂いた。


 

—–本日は短い時間ですが、宜しくお願いします。まず、FRESHでも取り扱いが始まるmixシリーズ。最新版はNo. 19ということですが、どれくらい前からスタートしたんですか?

よろしくお願いします!
BIG APPLE NOIZEはかなり前やね。8,9年くらい前かな。その時々によって更新のペースも変わるけどね。

IMG_4754

—-K-KATSUさんが手がける”BIG APPLE NOIZE”そして”SOLE THANG”
この2つのmixシリーズの違いについて教えてください。

まず、“BIG APPLE NOIZE”は、「雑音」っていう意味合いがあって、ニューヨークの日常に流れているHOUSE MUSICを身近に感じて欲しかったんよね。
日本では、アパレルとか雑貨屋ではHIP HOPがかかってるところが多いけど、ニューヨークではラジオからも店からも、走ってる車からもHOUSEが流れてる事が多いんよ。
日曜のお昼にみんな公園に遊びに行く時もHOUSE流してたりね。

――そうなんですか!みんなにとって生活の一部になっている音楽なんですね。

もともとHOUSEってDisco Musicから来てるから、おじいちゃんおばあちゃんも普通に聞いてたりする。まさに老若男女って感じ。

――そういった日常の中のHOUSEを切り取ったミックスということですね。

そう、日常的にそこにあるもの。だからいい意味で「雑音的」なんよね。
だからあえてきっちりパッケージせずに、MIXのジャケットも自分で撮ってきたニューヨークの写真を使ったりしてるねん。ブート感が欲しいというか。

――ジャケットに使われている写真は、ニューヨークの生活感を生々しく切り取った写真が多いですね。

S__63258687

S__63258695

S__63258694

S__63258693

S__63258696

S__63258689

 

S__63258688

年に一度はむこうに1か月くらい滞在するんやけど、そのなかでよく通ったDELIとか、フードとか。どれも馴染みのあるものやね。
眺めた時に思い出をスローバックできるし、それによってまた気持ちも引き締まるから、こういう写真を使ってる。

――もう片方のシリーズ、”SOLE THANG”はどういったテーマなんですか?

”BIG APPLE NOIZE”が、ソウルフルで「柔らかい」のに対して、
“SOLE THANG”は、もっと「固い」というか。ビートもしっかりしてて、よりDEEPな感じ。

――確かにBIG APPLE NOIZEは、HIPHOPやR&Bのリミックスや
アフロビートなどが多くて、明るい印象がします。一方SOLE THANGはもう少しシックというか。

2016年から、SOLE CHANNNEL MUSICに加入して、そこから作品を出してるんやけど、その中で発表しているmixやね。
Mix Cloudのアカウントでも聞いてもらえます!

――K-KATSUさんは、毎週月曜にMONDAY CHANNEL(通称「マンチャン」)も主催されていますが、どういった空間を意識していますか?

音楽的な話でいくと、今の最新のHOUSE MUSICをできるだけ流すようにしてる。
HOUSEって毎日、大量に曲がリリースされるんよ。レコードプールみたいなサイトがHOUSEにもあって、星の数ほどのレーベルが毎日曲を更新していて。海外のつながりで、世に出てないプロモ曲とか、何か月か先に世に出る曲をもらったり。
その中で良いものをセレクトして、mixの中に凝縮してるというイメージやね。
そうやって新しい曲をかけ続けることによってディスコとかハウスクラシックとか、
長年培ってきた曲も活きてくるし、新しい発見があったりする。
できるだけ向こうのクラブと時差のないように意識してるよ。

—-毎週開催されている場所とはいえ一回一回が本当に贅沢なんですね。時々ダンサーの主催するイベントでもDJされることがありますが、普段HOUSE MUSICにそこまで馴染みのない層に対してはどうアプローチしていますか?

やることは、そこまで変えないかな。ダンサーに寄せたりとかは考えてないよ。
R&Bのリミックスものとかはかけるけど、あくまで「今フレッシュなもの」というイメージで。

――HOOK UPやTHE GAMEなど、関西を代表するHOUSE DANCEバトルでもスピンされていますよね。そう言った場所には、バトルは出るけどHOUSEのパーティには馴染みのないダンサーもいるかと思いますが。

かける曲はそこも同じ感じやで。ダンスバトルの時もその日ギリギリまで最新の曲のデータを落としてバトルでかけたりするね。
それから音を止めることをしたくないから、この仕事を請け負う時に「常にmixをさせて欲しい」と、イベント側に交渉した。

――それは面白いですね。一般的なバトルでは、ダンサーが踊り終わったら一度曲を止めて、次のバトルで新しく曲をかけ直すのが通常の流れですが。

クラブの臨場感を失いたくなかったんよ。HOUSE感というか。
仕切り直すことなく、グルーブがずっと続いていれば、ダンサーも次に行く準備ができるやんか。
だから例えばジャッジしてる間なんかも、音は下げるけど途切れずにMIXしてるね。

――クラブでDJし続けるK-KATSUさんならではのスタイルですね。

クラブとダンサーが遠いというのは前から感じていたけど、自分が何かやり続けることで少しでも変わればいいと思ってます。

――他にDJとしてダンサーに思うことはありますか?

今はネットが発達してダンサーでも音楽を大量にダウンロードできる時代だけど、それでもやっぱりDJの掘っている曲というのはダンサーの手の届く範囲とは比べものにならないくらい深いとこにある。
だからもっと深くを知りたいならコミュニケートしてきて欲しいと思う。
以前は、DJがダンサーに曲を教えたりショーの音源を作ったりしていたけど、今ではそういう風に聞いたり依頼してくるダンサーはほぼいないね。ダンサーとDJが離れてしまっているというか。
DJ中にSHAZAMとかSOUND HOUNDなんかせずに、気軽に聞きに来て欲しいです。

――確かに。そうやって生まれる会話から、また次のアクションが生まれたりしますよね。

例えば、次にそのダンサーがクラブに遊びに来てくれた時に、前に反応してくれた曲をかけるとか。
それだけでもコミュニケーションになるしね。

――DJに声をかけるのは勇気がいりますが、必要なことだと思います。自分もクラブで大御所のDJに声をかけてチームの曲編を依頼した経験があるのでわかります。(笑)
これからの活動として何か考えていることはありますか?

夜中やってるマンチャンとは別路線の、日曜お昼とかのイベントを考えてるよ。
ダンスのショーもあって、世代をこえて参加できるような。
そこでもっと渋いものに触れたければマンチャンに来てもらえればいいし。


終始にこやかに話すK-KATSU氏、しかしそこには長年にわたりストイックにHOUSEと向き合い続けた音楽家としての経験値と自負が見えた。

頑固なまでに自身のDJスタイルを貫く芯の強さと、地に足をつけた我慢強い活動こそが、彼が日本にいながら、海外のリスナーにも評価を受けるに至った由来だろう。

また、インタビューの中で彼は「パーティは、肩ひじ張らずにもっと自由に来て、楽しんでもらえればそれでいい」と話す場面があった。
今回のmixの値段も、1000円とかなり良心的な価格。
HOUSE MUSICはもっとラフに自由に「そこにある」音楽であっていいのだ。
ニューヨークの日常に流れるように。


 

DJ K-KATSU Profile.

Katsu201602_1c

1999年末よりDJ活動を開始。
NY Deep House, Garage, Soul, etc…様々なDance Music, DJに影響され国内外のアーティスト,Timmy Regisford, Francois K, Joe Clausell, Danny Krivit, Kenny Dope, Black Coffee, Tony Touch, DJ Spen, KARIZMA, Eman, Donna Edwards, Kimlight Foot, Andre Collins, Jovonn, DJ Spinna, Osunlade, Quentin Harris, Adam Rios, Jerome Sydenaham, Ian Friday, Mr.V, AlixAlvarez, Franck Roger, Hallex M, Jihad Muhammad, Braian Coxx, Glenn Underground, Boo Williams, Alton Miller, Cordel Johnson, Alex From Tokyo, Cory Soulfuzion, DJ SHAN S., DJ Nori, DJ Hiro, Toshiyuki Goto, DJ Uchikawa Masahiko, Kaoru Inoue, 高宮永徹, DJ Gomi, etc…のFront Act, 共演し経験を積む。 

また国内外Top House Dancerである、Shan’s (Dance Fusion NYC) ,Caleaf (Dance Fusion NYC) , Marjory (Dance Fusion NYC), MIKEU4RIA (Dance Fusion NYC), Ejoe , Brooklyn Terry (Elite Force) , Cebo (NXGE NYC) , Yuki (Sound Cream Stepperz) , ALMA (Koji , Hyrossi , Pino , Hiro) , Glass Hopper (Tatsuo , Itsuji) , Jig (Take , Tsukasa) , Pinochio (Pino , Kenji) , Zero db (Wadoo , Yan-C) , SYMBOL-ISM (TAKUYA , Suthoom)etc…数々のDancerをフューチャー、共演し数々のDancerから注目される。 

数々のHOUSE DANCE BATTLEにBATTLE DJとして参加。(JUST DEBOUT JAPAN, Summer Dance Forever Japan, DANCE @LIVE, THE GAME, HOOK UP, REAL (韓国), etc…)   日本国内最大級のHOUSE DANCE SHOW CASEイベント、”HOUSE DANCE CROSSING”に毎年MAIN FLOOR DJとして参加。

2012年関西DEEP HOUSEシーンに一石を投ずるべくNEW PARTY “DROP ZONE”@GRAND Cafeをスタートさせる。(Mr.V, BRIAN COXX, FRANCK ROGER, KARIZMA. etc…を招聘。現在休止中)

毎週月曜日MONDAY CHANNEL@UNIONも展開中。
毎年の渡米にてNYCの様々なREAL PARTYでDJ Playを経験。(JUS DANCE, FUNK BOX, SOULGASM, IT’s A FEELING, etc…)
Mr.V主催SOLE channel Music アパレルラインのJPライセンスを取得し日本でも展開。
2016年SOLE channel Music NYCに正式加入。(www.solechannelmusic.com)
2014年からNew York CityのInternet Radio Show “NYC House Radio”にてExclusive Mixを毎月配信中。(www.nychouseradio.com)
2015年House Music x New York Cultureをコンセプトに自身のThe5Circleアパレルライン”T5C DELI”を立ち上げる。SOLE channelアパレルラインと並行して展開。

[Instagram] http://www.instagram.com/djkkatsu

[Twitter] http://twitter.com/djkkatsu

[Web] http://www.solechannelmusic.com


インタビュー・文/Seiji Horiguchi

【30min Interview】SHIZUKA 「 “DaNcE Squad”について」

今年のGWにリリースされ、
本日からFRE$H DANCE STUDIOでも購入可能になったmix CD “DaNcE Squad”.
MO★JOによる選曲、DJ HIDE-Oによるmixという「ダンサー×DJの合作スタイル」が特徴だ。
毎週土曜日に、Instagramでコレオムービーをアップする企画や、
レゲエチームとのユニットショーなど、彼女たちならではの活動を展開しているMO★JO
現在の大阪のFEMALE HIP HOPを語るうえで避けて通ることのできない
今もっとも旬なチームの一つだ。

FRESHインストラクターとしても活動中のSHIZUKAに、今回のmixについてインタビューを行った。

images


—-new mix「DaNcE Squad」ですが、どういうきっかけで作ることになったんですか?

今年の2月ごろにHIDE-O君から
「MO★JOセレクトのmix CDを出したい」
と連絡があったんです。
DJが選曲するmixではなく、”ダンサー目線”のmixを一般層にも広めたいという考えがあるみたいで。

—-もともとHIDE-Oさんとは絡みがあったんですか?

クラブに遊びにいった時のHIDE-O君のDJプレイが好きで。
つなぎとかもめっちゃ好きな感じなんですよね!

31292839_2088159644802368_4707599164648261335_n

HIDE-O君もMO★JOのダンスをクラブとかインスタで観てくれていて、
選曲に反応してくれることが多かったんです。
「(曲の)チェックが早いよね」と。
HIDE-O君的には、いろんなダンサーとコラボしてMIXを作っていきたいと
考えているみたいですね。
その第一弾としてMO★JO、みたいな。

—-DJとダンサーがコラボしたmixってありそうでなかったと思うんですが
具体的にはどうやって制作を進めるんでしょうか?

まず「mixを作るうえで100曲くらいあげてほしい」とリクエストがありました。
そこで私と相方のYukkiiで、半分の50曲ずつセレクトして投げたという感じです。
その中からさらにHIDE-O君がpick upして、曲の流れやつなぎ方を練って制作を進めるという流れでした。
最終44曲にまとまりました。

—-候補曲をpickする中で、Yukkiiさんと曲がかぶったりしませんでしたか?

二人の間で曲の好みが微妙に違ったりするんですよね。
例えば私は気持ちいい系が多くて、Yukkiiはゴリゴリ系が多くて、とか。
もちろん話し合って、かぶらないようにもしましたが。

—-SHIZUKAさんはどんな曲をセレクトされたんですか?

年代的には、新旧問わず。
そして今のチームのスタイルに影響を与えてくれたり、自分たちが
追ってきたものをメインにセレクトしました。
テイスト的には気持ち良い系、踊れる系、あとチームのショーに使った曲も選んだり。
昔からMO★JOを知ってくださっている人とか、ずっとレッスンにきてくれている生徒たちには
「懐かしい!」ってなって欲しいですね(笑)

—-選んだ曲の中で特に思い入れの強い曲や、エピソードがあれば教えてください。

特に心に残ってる曲は
Pink Dollaz/Gucci Songです。

(JerkやDoggieなど)今のスタイルになってから初めてショーで使った曲なので。

それから
G-Eazy/No Limit ft. A$AP Rocky, Cardi B

去年の11月に相方とロスに行った時に、コレオを作って良いロケーションを探して
動画撮って…というのを毎日続けていたんですが、この曲で踊ったのが、とても印象深いです。

https://www.instagram.com/p/Bbgc_1gHBkZ/?taken-by=shizukaaa_mojo

あの時は、コインランドリーの待ち時間で仕上げたりしてました。
洗濯機の前で真剣に考えているのを周りのアメリカ人にめっちゃ見られてましたね(笑)

その他にもCRAZY SHIZUKAさんのクラスに通っていた時に
レッスン中、使われていた曲のアーティストを教えてもらってそこから
必死に掘って見つけた曲とか。
Jerkの曲ってマイナーなアーティストが自分の曲をYoutubeにあげてるものが多くて
音質が悪かったりするんですよね。懐かしいです!!!

――話は変わりますが、インスタでアップされている「MO★JOチャンネル」の人気はすごいですよね。再生回数が10000回を超えるものもあったり。

週に一回アップするのを今までコツコツ続けています。
レッスンやショーとは違って、できるだけキャッチーに作るようにしてます。
その方が気軽に見れるのかなぁって。

—-そしてmixのジャケットですが…。なかなかパンチが効いていますね。

S__66076687

やばいでしょ(笑)
HIDE-O君の地元の先輩にバイクを借りたんです。
撮影したのは、住之江のかもめ大橋というところです。
オフショットもあります(笑)

S__66076686

—-ホームメイドな作品なんですね(笑)
最後にこの記事を読んでいる人へ一言お願いします。

今回のmix CDは、気持ちよく聴けるものから、踊れるものまで
バラエティに富んでいるのでいろんなシーンで聞いてもらえると思います。
ドライブ、散歩、部屋にいる時などなど…ぜひ一枚手にとって、聞いて欲しいと思います!


ーSHIZUKAー

shizuka6

「テンション」「バイブス」「パワフルさ」が最大の武器。
アップテンポなビートにも曲負けしないラフでタフな踊りをもって日々「本物」を追求中。
しかし、ただ力まかせに踊るのではなく、表現力にも人一倍こだわりを持ち、
「音がなくてもその曲の感情が見える」踊りを求める。
現在は相方yukkiiと共にHIPHOP team「MO★JO」としての活動を軸にし、年間50本以上のショーをこなす。
旬な選曲、ムーブをいち早く取り入れつつも、
二人にしか出す事のできない「MO★JOフレイバー」全開なパフォーマンスには定評がある。
2016年、彼女の活動はHIPHOPシーンにとどまらず、レゲエのフィールドからも注目され始め、パーティメイクにも精を出している。
彼女のコレオグラファー、表現者としての魅力がストリートシーンに浸透していく事は言うまでもない。

LESSON INFO
毎週土曜日 18:30 – 20:00


 

ーDaNcE Squadー

S__66076685

年間300本以上のPARTYでPLAYし、ダンサーのコンテスト音源や数々のダンスイベントも手掛け、
発表会等でのDJ PLAYも積極的にこなし、関西圏のダンサーから支持を得るDJ HIDE-Oと
数々のプロモーションビデオやモデル、インストラクターとしても活躍している
DANCERのMO★JOがタッグを組んだ、まさにDance Likeな最強MIX!!

発売日:5/3
発売元:Rural Records
Version MO★JO
Mixed by DJ HIDE-O


 

ーDJ HIDE-Oー

dj-hideo

2003年より活動を開始。わずか二年で京都HPCより
MIX CDを全国リリースするという異例の成長速度を見せる。
スキルの高さ・センス・構成等が評価され今では大阪No.1 ROOKEYという声も多い。
国内外問わず数々のビックアーティストのフロントアクトを勤めるほか、
現在、大阪、京都のビックイベントを中心に活動し、数々のヘッズから絶大な支持を得ている。


インタビュー/文 : Seiji Horiguchi

【30min Interview】DJ MO-RI”SEIES”リリース記念、緊急インタビュー!!

 

関西アンダーグラウンドのパーティで長年スピンし続け、
Jambo Lacquer (WARAJI) のバックDJも務めるなど、
独自のルーツとキャリアを持つDJ MO-RI。MO-RI2015
この春、「個人発信としてはかなり久しぶり」というmixtape ”SEIES”(セイエス)をリリースした。

アメ村でも、レコ屋,SHOPをはじめ各所でジャケットを目にする。
1000円という手頃な価格でありながら、全曲レコードからの音源。
音質において、すでにこの時点で”お値段以上”なのは、明白である。
価格設定や、一風変わったタイトルなど、気になることが多い。
そこでFRESH DANCE STUDIOより、緊急インタビューを行った。


ーまずは、MO-RIさんのキャリアからざっくり話してもらえますか?

出身は兵庫の武庫川です。もともとHIPHOPミュージックが好きでした。
高3の時に、ターンテーブルを買った友達のDJ KEITA(※)の影響でDJを始めました。
※レーベル「ITAL」主宰。現在はアメ村mizu no toにて毎月開催されているアナログ限定のGood Party、「layers(レイヤーズ)」でもDJを務める。

始めた当初は、神戸のイベントに出ることが多かったですね。
STILLINGというライブメインのパーティにDJとして参加していたり。

o0400026512676918762HOT CONNEXION CREW(HCC)のJUMBOと出会って意気投合して、心斎橋フラットでイベントを主催したり。
HCCかつWARAJIのDJ TOBBACOがリンクして繋げてくれて、7年前からみんなでエアコン(Air Controller@服部緑地公園)やってます。

 

あとは大阪STOMPで、ジェリーロールってイベントを6,7年ほど続けてました。
PROPSがスタートした時に、準レギュラーとして隔週でDJしてました。
今は代表のDJ A-KILLERさんが東京に行ったので、代わりにクラブ側との橋渡し的な役割をしてます。
フライヤーとかポスター関係とか。

ーありがとうございます。早速mixについての話なんですが、全体のテーマや、タイトルの意味など教えてもらえますか?

まず、タイトルは某邦楽アーティストの代表曲をもじった造語です。
周りの友達としゃべってる時に、その話になることが多くて。(笑)

ーその「セイイエス」からだったんですか(笑)

それもあります。日本語英語みたいなんにしたくて。
MIXのテーマは哀愁が漂っていて、なおかつ気持ち良く聴ける感じですね。
女性について歌ってる曲もあるので「セイイエス」もあながち遠くない(笑)

ーたしかに全体的にゆったりで聴きやすいですね。メロウな曲もあったり。一足早くmixを聞いた周りの反応的には「MO-RIさんが新譜でmixを作るのは新鮮」という声もあったり。

navy_front

 

普段はほとんど新譜や数年内のリリースの楽曲を使います。
数年前に出した「NAVY SAUCE」はゆったり系だったんですけど、Jazzyな90sのイメージで作りましたね。
それに対して今回は、どちらかというとデジタル感というか、ビートがはっきりしてるけど、哀愁のある質感でまとめました。

ー取り扱いされている店舗はどのくらいありますか?

今の所は以下の通りです。

・TUNNEL(アメ村)
・Fedup(堀江)
・Lumps(中崎町)
・FRESH DANCE STUDIO(アメ村)
・ROOTDOWN RECORDS(アメ村)
・REGULAR CRAFT RECORDS(枚方)
・BETWEEN MUSIC STORE(web)
・Factory No.079(加古川)
・5HOUSE(新町)
・東三国ボディーサポート(東三国)
・波の上ミュージック(那覇)
・Good Diggin(宜野湾)

DJのmixってラッパーのアルバムと違ってタワレコなどの流通にかけれないので、自分のつながりで回れるだけ回って置いてもらってます。
ここ数年は、エアコンのmixを作ったり、ショップの企画で作ったりだったので、自主製作で、CDを大量に出したのは久しぶりです。

IMG_3395

ーこのタイミングでMIXを出すというのは、何かねらいがあったりするんでしょうか?

ちょうど去年、レギュラーでDJしているイベントを幾つか抜けたんで、メリハリをつけていこうと思って。
今年の3月までにリリースする、というのは決めていました。
この価格にしたのは、プロモーションが目的ということもあります。

ー個人的な印象としては、USの曲だけではなく、MILES WORDさん、DRAGON Pさんなど、日本のラッパーのシャウトを使ったり日本語の曲も使っていて、MO-RIさんのキャラクターがより浮き彫りになると思いました。

クラブでプレイするときも数曲は周りとか、友達のレコードも混ぜますね。
ただ全体的なつながりは損なわないように意識しています。
USの曲と日本語の曲をmixすること自体は簡単ですけど、雰囲気の違いで違和感が生まれてしまうこともあるんです。
なんかちゃうな、みたいな。

ー普段のプレイで意識していることをMIXの中にも落とし込んだということですね。

実はPROPSでDJするようになってからスタイルが微妙に変わったんです。
PROPSに遊びに来るダンサーを前にDJした時に、自分が思ってた反応と違ったんですよ。
ダンサーとラッパーって、ビートのとり方というか、間隔が違うんですよね。
ラッパーよりもダンサーの方がリズムを捉えるスパンが長い。

ーそれは興味深いですね。確かにダンサーは「エイト(8カウント)」でカウントするのに対してラッパーは「小節(4カウント)」で数えますよね。

そうですね。そこからGrooveを壊さないようにmixするように意識するようになりました。
12小節くらいMIXするときもあります。
もともと前後の曲が重なるところが好きだったしmixも丁寧にするのが好きだったけど。
今回の”SEIES”もGrooveが途切れないように意識しました。極端に言えばダンサーがレッスンで使えるくらいの。IMG_3394

ー次にアルバムのジャケットの話ですが。

描いてくれたのはLANPなんです。

ーそうなんですね!デザインしてもらう時に何か注文はされましたか?

「夜」とか「冬」のイメージかな、とは話ましたね。
星空の中に「オリオン座」もかいてもらってるんですけど、これも理由があって。
僕の本名の家紋が、オリオン座をサンプリングしてるんです。
それから星空を飛んでいる「飛行機」なんですけど、リスペクトする先輩DJのアイコンを少しオマージュさせてもらいました。あと今住んでる東三国で飛行機がよく飛んでるのもありますが。

ー関連付けをさりげなくジャケットに挿入する遊び心ですね。このインタビューで初めてみんな知るくらいのレベルの話ですよね。

そうですね。あとは、ごくシンプルに描いてもらいました。

ーメリハリという言葉が出ましたが、最後に、これからの動きとして考えていることはありますか?

これからは若いDJで頑張ってる人のためにも、色々やり方を考える必要があると思います。
ただ、もちろんセルアウトというわけではなく、自分の好きなカラーは貫こうと思ってますね。
オリジナリティがあって、かつ共感できるようなGood Musicを大事にしたい。
ダンサーもそうだと思いますけど、トップにいるようなプレイヤーって、
やばいのは前提で、なおかつ今もバッチリ動きまくってる人たちだと思うんですよ。
普通にやりまくるというのがやっぱり一番かっこいいですね。その方が健全ですし。


DJ MO-RIのこれまでのキャリアや人柄、そしてこのインタビューの中での話を踏まえてもう一度mixを始めから聞くと、臨場感のようなものが増して、聞こえ方がかなり変わる。

1000円というお手軽価格とはいえ、ジャケットから内容に至るまで、彼のこだわりと今までのキャリアが妥協なしでしっかりと盛り込まれている。
まさに「余計なものなどない」mixだろう。

インタビュー・文 : Seiji Horiguchi

【30min Interview】KOSIO RAWMAN”RAWD2″について

FRESHでインストラクターをつとめるKOSIO RAWMANさん(from FOUNDNATION).
KOSIO-RAWMAN

まっすぐな人柄、そして圧倒的なスキルと発想を武器に最前線で活躍されており、同時に優れた指導者としても有名です。

そんなKOSIOさんが主催する
BBOYバトルとパーティ要素を併せ持ったイベント、RAWD2 vol.4が来週日曜に迫っています!

レッスンの前に少しお時間をもらって、緊急インタビューを行いました!!
題して「30minインタビュー」!!
短い時間ではありましたが、イベントやシーンに対する気持ちや、今後の展望など、熱く語ってくださいました^^
イベントの内容とともに、チェックしてみてください!!


ー今回で4回目を迎えるRAWD2ですが。

ありがたい事に回を追うごとに、盛り上がってきています!
BBOYバトルを軸に、自分の好きなものをイベントのコンテンツに詰め込んで表現しています。
こういう文化を好きな人が集まって、同じ感覚を持った仲間と更に高いレベルで開催出来ると信じています。

ーもともとは東京で活動されていましたが、なぜ関西の中でも神戸のシーンを盛り上げようと?

妻の転勤を機に神戸に越して来ました。住んですぐに好きになったのはローカルでありながら街は発展していて山と海がすぐ近くにあることです。
神戸は完成していないのが良いです。そしてまさに今、神戸から全国に発信しようとするメンバーが増えていて、今後飛躍的に発展する場所だと考えています。この流れの一つを自分も作って関わっていきたいですね。

ーRAWD2は、BBOYバトルだけではなく、様々な要素を詰め込んでいるのが特徴と言えますが、特に今回の目玉はなんといってもFOUNDNATIONのショーケースと言えます。

ph_fnc_400

今回全国からFOUNDNATIONを10人招待しています。今まで一人づつ呼んでいましたが、チーム全員のショーを見てほしいですね。今年で15周年になるチームのパフォーマンス、衝撃をうけてください!

ーFNCがチームで関西に集まるとは。関西のダンサーや、ファンにとっては貴重すぎるショーです。

FOUNDNATIONを関西に呼ぶ事を目標にしていました。
これを機にチームも個人も関西に来る機会が増えたら良いなと。
ゆくゆくはもっと沢山の人を巻き込んで大きなイベントにして行きたいですね。
ムラサキスポーツやクリエイティブレクリエーションにはvol.1から協力していただいてて、そういう企業にもっとメリットを作っていけるよう頑張りたいと考えています。

ームラスポはFOUNDNATIONのスポンサーでもありますよね?きっかけは?

もともとアノマリーが繋げてくれました。ダンスの義務教育化やメディアでの露出増加など、ダンスシーンが盛り上がり始めた事で沢山の企業が注目しました。ムラサキスポーツに関してはエクストリーム(※)要素が強いのはブレイキンだから、という事で自分達を紹介してくれました。

(※エクストリーム…過激だったり離れわざの要素を持つスポーツ。)

ーRAWD2は、ライブも豪華ですよね。PUNCH&MAIGHTYを呼んだことも記憶に新しいですが。

そうですね。あの時は本当に最高のライブでした。ダンサーはみんながっつり踊るしPUNCH&MIGHTYもめっちゃ会場を煽ってくれたし、完全ロックしてました!
BBOYバトルにMCのライブやバトルの要素を取り入れる事は、以前からあったと思いますが、一時期から自分達のジャンルのみで集まり、追求する事でかなりの技術進歩がありました。
しかし今また洗練されたダンサーやアーティストが昔のように繋がり出し刺激しあうシーンに戻り始めていると感じます。
RAWD2の次回(1年後予定)のビジョンは僕が若い時、夢中になったB1最強タッグのインスピレーションで、地方予選や学生予選なども開催して、神戸でのファイナルにつなげて行きたいです。

ー4回目にして、ここまで大きくなったのは並大抵の努力ではないはず…。イベントは一人で回されているんですか?

基本僕1人でやってます。いつも手伝ってくれるスタッフもいますが。
最終的には、自分のスクール、イベント、グッズなどひっくるめて個人のブランドを立ち上げ、神戸から新しいダンスカルチャーを発信したいです。
そしてその足掛かりとしてイベントにはダンス以外のコンテンツも入れています。
とにかく様々な人の元に届いて欲しいです!


なんといっても眼力が強いKOSIOさん。まっすぐな言葉に説得力と熱さを感じます。
有言実行という言葉が誰よりも似合うダンサーでしょう。

イベントをやるにあたって、関係者一人一人と顔を合わせてイベントの話をするなど、地道な行動をしていると話すKOSIOさん。
このインタビューを行いながらも、スタジオにやって来た生徒一人一人と話をして、アドバイスを行ったりする姿が印象的でした。
RAWD2というイベントが、徐々に大きくなり、関西のストリート界隈で話題になってきているのは
KOSIOさんの人間力が大きく関係していると感じました^^

ジャンルレスに「本物」に支持されるリアルBBOY、KOSIO。
イベントの発展と共に、今後が気になる存在です!

RAWD2、イベント当日の詳細は以下から。


S__2277412 rawd2.pic02

RAWD2
3/4(日)@Harborstudio Kobe
open/entry 10:00 close 20:00
入場チケット2000yen
事前エントリー2500yen
当日エントリー+1000yen
wエントリー+1000yen
※入場の際+1drink order600yen

◆Special Guest
FOUNDNATION
HIDADDY(韻踏合組合)
SharLee a.k.a. Powerplay

◆Judge
・Bboy 2on2 Battle
Dragon/ERi FeNeSiS/バーガー/Doverman※予選のみ
・Freestyle Toprock Solo Battle
ERi FeNeSiS/KOSSY
・Kids Powermove Solo Battle
ISSEI/YU-KI

エントリー / 詳細 / 問い合わせはこちら→
www.rawman.jp

◆DJ
SINSK8/Sense
Satoci/Bosanobu

◆MC
WingZero/2Goo

◆Showcase
GBQ/HAg/amdi/TOYBOX

◆Shop
Murasaki Sports/FORGET NEVER
Dumbo/aile/monochrome.

◆Food
PRESENT ACT
きぬや
RUTSUBO家

◆Supported by
Murasaki Sports
Creative Recreation
JANSPORT