【FRE$H11周年記念】NAMURA ATTACKを振り返る。

2021年12月12日。FRESH DANCE STUDIOの11周年を記念した発表会「NAMURA ATTACK」が開催された。

スタジオスタッフとして奔走しつつも、イベントを最初から最後まで楽しんだ1人として、イベントの様子を記したいと思う。なんせ長くて濃ゆい1日だったので、文章もひたすら長くなってしまうと思う。でも写真やYoutubeのリンクなども載せながら書いていこうと思うので、文章を読むのに抵抗がある人は写真や動画だけ流し見してもいいかもしれない。とにかく当日の雰囲気を少しでも伝えられれば嬉しい。


2020年。新型コロナの影響で、FRESHの年一の発表会「City Attack」の開催は叶わず、夏にオンライン配信を軸としたゲストショーのみの「Village Camp」を辛うじて開催できただけだった。だからこそ今年の春に1年4ヶ月ぶりに開催した発表会「City Attack零」は、それまで溜まりに溜まった先生や生徒さんのエネルギーが集結・解放されて本当に感動的な日になった。一度は存続の危機に立ったものの、クラウドファンディングで多くの人からの愛を受け、息を吹き返したFRESHの完全復活を象徴する回だったと個人的には思っている。

そんな「City Attack」から名前を変え心機一転、「NAMURA ATTACK」が誕生した。


「『City Attack』から名前を変えたのはなんで?」

といろんな人から聞かれる。

裏話をすると「10年続いた味園ユニバースでの発表会に一度区切りをつけた今、これからは発表会の会場を固定せずいろいろ変えてもいいかも」という案が2019年の終わり頃の企画会議で出たのが始まりだ。

そもそも「”に“衝撃”を与えるイベント」という意味で11年前に「City Attack」がスタートしたわけだが、去年の会議で「これから会場を変えていく事があれば、その場所の名前を頭に付けて『○○○○ ATTACK』とイベントのタイトルも変えていくのはどうだろう?」となったのだった。つまり今回は[名村造船所跡地]で開催したから「NAMURA ATTACK」だ。だから今後「服部緑地 ATTACK」や「Bagus ATTACK」さらには「京セラATTACK」なんていうイベント名になる可能性も0では無い。


…早くも脱線してしまった。


今回の会場であるスタジオパルティッタ(旧 名村造船所)。ここの何が魅力かというと、会場の使い方が自由なところだ。

屋内のステージはダンスショーにぴったりだし、屋外でも音楽を流したり飾り付けを行なったりしてフェスっぽくもできる。クラス作品の発表やゲストショーはもちろん、ライブやDJタイム、そしてフードブースや物販ブースなど細かいところにもこだわるFRESHのイベントにもってこいだと考えた。


重要な野外スペースの使い方だが、今回は中崎町[NOON]で定期的に開催中のパーティ「The Lights」のクルーに、野外のパーティサイドへの出演を依頼した。

 

 

DJ・LIVE・DANCEが絶妙なバランスで混ざり合って、良い意味で敷居が低いというか、遊びに来る人を選ばないフリーなパーティだ。さらにその野外スペースに、照明演出家のDISCOBALL-IKEDAさんも参入。淡路島の自治体の倉庫に眠っていたミラーボールをもらい受け、それを毎回会場に持参するくらい気合いの入った人だ。

これで野外のスペースは盤石だろう。

ただ、野外のパーティサイドは天気にモロに左右されるという弱点もある。少雨はともかく、豪雨の場合は開催自体が危うくなるし、今回は12月の開催ということで寒さも心配だった。晴れれば天国、降れば地獄。野外フェスをイメージしたイベントを打つのは、大博打なのである。


いよいよNAMURA ATTACKの当日。気になる天気は…

晴れた!

しかも少し動き回っていればアウターも要らないほどの気温。スタッフ全員、胸をなでおろした。


会場の設営やリハーサルが終わってお昼過ぎにいよいよオープン。各所のスタッフがインカムを装着して連絡を取り合う。この頃には、野外に構えたフードブースの「日の松」と「ちから食堂」も稼働。

あたりにはスパイシーな香りが漂って、リハ終わりの生徒さんの中には、早くもネギ塩豚丼を頬張っている人も。


野外のDJブースの上に目をやると、ミラーボールがクレーンで吊られていた。

IKEDAさんがわざわざトラックで重機を持参して吊ってくれたのだ。IKEDAさんの妥協なしのセッティングに胸が熱くなる。

そんなバッチリな雰囲気の中、野外のパーティサイドはトップバッター0mSv(ゼロミリシーベルト)君のDJで幕を開ける。インストのビートや日本語ラップをかけながら少しずつ会場を温めてくれた。

ステージ裏では、クラス出演者達が最後の確認をしながら自分の出番を待っている。「何分後かにはもう本番…」と考える彼らの表情は緊張と興奮が入り混じっている。


屋内のフロアに戻ろう。


静寂の中、おもむろにNAMURA ATTACKのオープニング映像が流れ始める。SNSでも話題になっていたCMだ。

登場するキャストは、REIKOさんKAZUKIYOさんの2名。始まりを予感させる壮大でスピード感のあるトラックはYUNGEASY&ip passportプロデュース。撮影&編集はダイコク映像。ディレクションはTEIKOKU FILM。各方面の技によって生まれた2分の映像は、会場(と、恐らくはステージ裏でスタンバイする出演者)の緊張感を一気に高める。


そしておなじみMC TATSUYAさんの声が響き、クラス発表が始まる。

【1部クラス】

◉TAKUYA CLASS

◉MA-NA CLASS

◉MAHIRO CLASS

◉michi CLASS

◉TAA CLASS

◉ZOO CLASS

◉IPPEE CLASS

◉MAHINA CLASS

【2部クラス】

◉YUKIE CLASS

◉K-KO NUMBER(特別出演枠)

◉GON CLASS

◉aoi takase CLASS

◉HONGOU CLASS

◉keiko CLASS

◉MIO CLASS

【3部クラス】

◉ayana CLASS

◉Amichoke NUMBER(特別出演枠)

◉TAKENO CLASS

◉DRAGON CLASS

◉SHIZUKA CLASS

◉FunkyP NUMBER(特別出演枠)

◉MAKOTO CLASS

全22の濃厚かつエネルギッシュな作品が続々と登場。矢継ぎ早に移り変わっていく世界観は見応え抜群!何より最高な表情で踊る出演者の姿に思わず目頭が熱くなる。本番までの準備期間というものは誰にとっても長くて大変な時間だけど、このショーの瞬間は何度味わっても最高だ。

バイブス満タンで最初から最後までフルスイングで踊りきったTAKUYAクラス。難しい三点倒立を決めるmichiクラスの子ども達。特別出演枠で出てくれたK-KOナンバーの圧巻の構成力。目出し帽スタイルで途中から誰が誰か分からないTAKENOクラス。ガチ揃えでステップを踏みまくるMAKOTOクラス…。

挙げ出すとキリがないけど、本当に良い踊りの連続だった。


イベントは後半戦へ突入。屋内はゲストショーの時間に移る。


【4部ゲスト】

◉RAD FOOTMAN

 

◉At

 

◉MO★JO

 

◉GENESIS

 

◉Amichoke+MAI

 

◉DIVAcrew

 

◉DONUTS+白ごはん

 

◉Asian Kung

 

今回、初参戦となるRAD FOOTMANDIVAcrewなど女性クルーのエネルギーがとにかく凄まじい。1人ひとりの必殺技や性格は活かしつつ、一つの世界観にまとめあげるayanaさんK-KOさんの手腕が遺憾無く発揮されたショーだった。それから4部トリのAsian Kungは、先ほどのTAKENOクラスと同じく3人とも目出し帽スタイル…!!でも誰が誰かは、ファンならすぐわかるはず。


ここでお客さんはみんな外へ移動。ライブの時間だ。


これから始まるという時に、DISCOBALL-IKEDAさんがすっと僕の横に来て言った。

「野外を完璧な照明にしたいんで、パルティッタ側の電気を消してもらえませんか?」

確かにDJブースの頭上に浮かぶミラーボールや、会場全体を彩るレーザーが良い雰囲気を醸し出しているけど、その逆サイドから野球場のナイターのようにこうこうと照らされている投光器の光が少し邪魔をしている。パルティッタ的には安全面の関係で、夜間は投光器を付ける決まりになっているみたいだが、わざわざ淡路島から重機を運んでミラーボールを吊ってくれたDISCOBALL-IKEDA氏の気持ちに僕も応えなければ!と、無理を承知で会場側に交渉したところ「ライブの時間だけなら」と、快く明かりを消してくれた。これでいよいよ野外ステージのムードはIKEDAさんが掌握。レーザーやミラーボール、そしてスモークの演出でライブをがっつりサポートしてくれた。


スペシャルゲストライブの前に、なんと前回ゲストとして出演してくださったÄuraさんがなんとショットライブでカムバック。旦那であるDJ INGAさんと共にThe Lightsクルーに所属されているので、特別にマイクを握ってくれた。この1,2年で音源制作やライブなどの活動も忙しくなったÄuraさんは、なんとこの前日も東京でライブがあって昼頃に大阪に帰ってきたところ。それでも疲れを一切見せない伸びやかな歌声を届けてくれた。

 

今年10月に7インチバイナル限定でリリースした『on the other side』も特別に披露するなど大阪の新たなディーヴァとしての存在感を示した。


続いていよいよスペシャルゲストライブ。大阪アンダーグラウンドで長年活動を続けるHIPHOP集団、THA JOINTZの登場だ。数年前にアメ村で産声をあげ、今や全国的にファンも多い大阪ミナミのヒーロー。今回ライブを披露してくれたのはJASS、KOH、GOTU、MFS、JNKei、そしてオリジナルメンバーではないが駆けつけてくれたKID PENSEURの6名。

同じくJOINTZファミリーのDJ JAMもブースで準備万端の様子。

自分がリスペクトしてる人らにこうやって呼んでもらえるのはめっちゃ嬉しいっす!HIPHOP、音楽、最高やろ!」とライブができる喜びをストレートにぶつけるKOH君のMCを皮切りに、彼らの代表的な曲が続く。今年はメンバーのGOTU君もついに1st Album『Osaka Trash』をリリースしたということで、ライブのセトリも厚みを増している。途中でJOINTZにダンサーとして所属するDITI(from SS)nagamune(from白ごはん)も登場し、わやくちゃ感はさらに加速!

 

 

 


今回彼らが披露した曲の中でMVが上がっているものをまとめたのでチェックしてほしい。

『NEWDAY』prod. MoneyJah

『It’s OVER』(JASSアルバム『獅子奮迅』より)

KOH『WE GOTTA POWER ft. KID PENSEUR&MFS』prod. Lil May (EP『Throwback Future』より)

『Beyond The Line』MFS

KOH『Don’t Breathe ft. JASS,EMKAY & anddy toy store』

終盤には彼らの代名詞とも言える『SHAKE』(prod DJ SOOMA)も披露。前列の方で見ているオーディエンスも巻き込み、ステージの周りはお祭り騒ぎ。この曲のプロデュースを手掛けた、DJ SOOMAさんによる極太でファンキーなベースラインに、初めて聴く人も思わず首を振っていた。

JASS『SHAKE ft. KOH,JNKei』(prod. DJ SOOMA)

 


さあ、いよいよフィナーレ。屋内では最後のゲストショーが始まる。


【5部ゲスト】

まずはゲストソロ。今回は5名のダンサーがソロとして登場。

◉MAHIRO(Roa)

◉MA-NA(BOO-YA)

◉ZOO(BOTTOM BOUNCE/R’zmanatiC)

 

◉IPPEE(GIDDAP)

◉GON(サカナウマゴン)

 

もはや恒例となっているGONさんのアクロバットは計3発!いつもより多めに回っていた。写真にも捉えられているが、完全に腰から落ちているのでそろそろドクターストップがかかってもおかしくない…。文字通り捨て身の大技に会場もおおいに湧いた。


続いてチームショーケース。関西を代表するチームや豪華なユニットが続々登場。

◉MIO×REIKO
妖艶なvibesで、登場するだけで会場の空気を全部持っていく。もちろんソロの時のスタイルは違うものの、高い次元で組み合わされたコンビネーションで、HIPHOPとJAZZどちらの良さが詰まったショーに。

◉sutte sutte highte
Aya Ifakemi Yemさんとmichiさんに加え、今年から加入したmihoさんのスタイルが良い意味で味変をもたらし、AfricanやReggaeのスタイルに新たなフレイバーを追加。完全に三者三様のスタイルだけど、揃える所は揃えるあたりはさすがのキャリア。

 

◉MAHINA×FunkyP
この冬から始動したHIPHOP+POPのユニット、MAHINA×FunkyPは今回最も「どんなショーになるんだろう」と気になる2人だったけど、この日ライブでも歌われたÄuraさんの新曲『on the other side』が空気感にぴったりマッチしていた。

◉BOXER×keiko
今年10月に若くして亡くなったSuchmosのベーシストHSUさんへの追悼の意を込めて『Miree BAY ver.』をセレクトして、HOUSEの枠にはまらない自由なショーを展開。

◉HEX BEX+sucreamgoodman
(DYさんが不在の為、5人での出演にはなったものの)大阪が世界に誇るHIPHOPダンススタイルをレペゼン。爆発力のある全員での合わせから個々のソロまで、バチバチに攻めたスタイルを披露してLiving Legendっぷりを見せつける。

 

◉MIDDLE FILTER
大トリはもちろんこの2人。スムースな音源が流れた瞬間から会場は既に虜。しかもショーの終盤で「そうきたか…!」ともう一段階ヘッズを唸らせる粋な展開はMIDDLE FILTERならではだし、もちろんダンスも圧巻。HIPHOPのサンプリング文化の魅力を改めて教えてくれるようなショーで、この日最後のショーをしっかり締めてくれた。

 


全てのショーが終わり、パーティはいよいよワヤに。ラストのDJタイムは、DJ SOOMAさん。

イベント終了30分前。僕が握るインカムにバースタッフから「ドリンク全部完売しました!!」と嬉しい報告。思わず「すご!!」とインカムで返事したけど「まだまだこっからやんけ!」というParty Peopleの怒号が聞こえてきそう…。余談だが、前回のCity Attack零では、酔っ払いすぎて負傷した人やタクシーで強制送還された人もちらほらいたと聞いていたので、今回はトラブルが起きないといいな…と思っていたけど、後から聞くところによるとしっかり潰れて4部のゲストショーすら見れていない人もいたらしい。どんな飲み方したらイベント前半で潰れるんだ…。でもそんなパーティ感もFRESHのイベントならではだろう。最後はオーナー2人の挨拶でNAMURA ATTACKは幕を下ろした。


最後にパーティスナップや素晴らしい光景を眺めてお別れしたいところだが、今回は、3人のカメラマンがダンスショーやライブ、そしてパーティの様子や舞台裏の出演者の張り詰めた表情まで写真に収めてくれたおかげで、いつもよりもイベントの記憶が鮮明に蘇ってくるし、僕もその余韻を楽しみながらレポートを書けている。改めてREALYさん、Quwaaanさん、Jyunya Fujimotoさんの3名に感謝申し上げる。

 

 

 

 

 

 

 


最後の最後に告知。

来年の発表会の開催日が既に決まっている。2022年10月16日(日)。場所は再びスタジオパルティッタ(つまりイベントタイトルも“NAMURA ATTACK”のままだ)。まだ先のことなのでなんとも言えないが、このままの落ち着いた感染状況のままでいけば、オンライン配信は行わないかもしれない。なので今回、会場に来れた人も来れなかった人も次回は是非現場でお会いしたい

改めて今回NAMURA ATTACKに関わってくださった全ての方にお礼を申し上げてイベントレポを終える。ありがとうございました。

text by Seiji Horiguchi

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