City Attack零レポと、スタッフの視点からの振り返り

 

2021年4月11日にスタジオパルティッタにて開催したCity Attack零(ゼロ)

コロナ禍での開催ということで難しい問題もあったものの多くの方々の協力のもと、無事に開催することができた。

イベントレポートと、スタッフとしての個人的な感想を書こうと思う。


前回、2019年12月8日の「City Attack最終回」から実に16ヶ月と3日
イベントを開催できないどころか2020年4月からの緊急事態宣言の影響で存続自体が危ぶまれたFRESHにとって「復活」を象徴する、とても大切な日となった。

コロナ禍での開催・スタジオパルティッタでの開催・オンライン配信も同時進行…と、今回はとにかく初めてづくし

それでも無事に開催できたのはインストラクターや生徒さん、そして当日サポートしてくださった技術スタッフのおかげだろう。特にこの技術スタッフ(音響・照明・VJ・撮影班)の功績は大きい。毎回思う事だが、彼らプロフェッショナルの力なくしてはCity Attackの成功はあり得ない。

またそれだけでなく、今回は多くの奇跡に見舞われた日だったと思う。


1, 晴れ男のパワー炸裂!

City Attack零が大成功をおさめた大きな要因はなんといっても天候だ。というのも、今回は海沿いのロケーションに合わせて野外のスペースにDJブースや物販、フードブースの配置を決めていたからだ。これらはもちろんピーカン前提の計画である。
(もちろん雨天用のプランも用意していたけど、とても窮屈な配置になっていたことは間違いない)

そんな賭けに出た我々スタジオサイドに嫌なプレッシャーをかけるようにイベントの前3~4週間ほどは日曜になるたびに雨が降っていた。それも少雨ではなく、傘をさしていても足元は濡れてしまうほどのしっかりとした雨。不安が漂うなか「イベント当日は絶対大丈夫っすよ!」となかば自分に言い聞かせるように根拠のない「晴れ予想」を先生方や生徒さんに語っていた。

そしてイベント当日…この一世一代の大博打に見事打ち勝ち、文字通り雲ひとつない晴天!

朝焼けとともにレンタカーをゲトりに大国町に走っていた僕はこの時点で安堵のため息をついていた。非科学的なことは信じないタチだがこの日ばかりはオーナーの見事な晴れ男っぷりに感服した。(これまでもFRESHのイベントは晴れが多かったのだ)

こうなれば、野外で行われる人気パーティ「HOOFIT」も本領を発揮してくれるというものだ。

安定のDJ陣によるgood musicとDISCOBALL-IKEDA氏による照明&スモークの演出。密を避けて遊べるという安心感と、何より久々に音楽を大音量で聴けるというシンプルな快感。早い時間から多くの方がアルコールを求めて続々とバーカンに走っていたのも無理はない。

「野外にパーティスペースを設ける」という発想はコロナ対策の一環として生まれたものではあるが結果、FRESHにとって新しいイベントの形を作り上げることができたと思う。オーナー2人が長年、最前線のプレイヤーとして自分が楽しむことと、人を楽しませることを大事にしてきたからこそ、ピンチをチャンスに変えることができたのだと思う。


2, メインコンテンツのクラス作品&ゲストショー

多くの出演者は、久々の大舞台ということで、レッスンの前後やレッスン以外の曜日に自主練を行う人もいたりと、練習期間から並々ならない気合いを込めていたのが伝わってきた。それは本番前の舞台裏でもひしひしと感じた。

 

そして今回、ショーにおいても初めてのコンテンツを取り入れた。それはソロショーだ。7名のゲストダンサーが続々登場し、1分半~2分ほどのソロを披露する。なんとも贅沢な時間だ。せっかくなのでおひとりずつ紹介したい。


GON (サカナウマゴン)

トップバッターらしさ全開!Pete Rock&CL SMOOTH  – They Reminisce Over You の有名なイントロと共に颯爽と登場しバイブスの鬼と化してぶちかましてくれた。この日のために減量にも挑戦したという。ショーのラストは伝家の宝刀、捨て身のフロア技で完全燃焼。


MAHIRO(error)

クラス作品ではUSのHIPHOPを使った新鮮なフレイバーを届けてくれたが、ソロショーでは真っ向勝負で「これぞKRUMP!」な曲とともに、気合い十分なソロを見せた。帽子も器用に使いながら最年少とは思えない貫禄でラストまで踊りきった。


KOSSY (FOUNDNATION)

TRAPにフットワークを乗せたり、BREAKINGで音にはめることに関してはこの人の右に出る者はいないのではないだろうか… 。ここ数年追求している立ちのHIPHOPもアクセントに用いながら自在な表現。まさかの2曲使いで気迫のソロショーを見せつけてくれた。


MA-NA(BOO-YA)

「お立ちダンサー」としてのキャリアも長い彼女は、ノっているだけで魅せることができるダンサー。振りを踊るだけでは出ないナチュラルなかっこよさを存分に見せてくれた。今年リリースの Kyah Baby / Love Storyが、もはや彼女のテーマソングに聴こえるほど音楽を「纏って」いた。


YUKIE

ひとつひとつのラインが本当に美しく、無駄や隙のないショーだった。そもそも彼女のソロショー自体が凄まじく貴重なことなので、出演を決めてくれた時点でとても嬉しく思った。「愛した時間は決して無駄ではない」という曲のメッセージも相まってエモーショナルなソロとなった。


IPPEE (GIDDAP)

いぶし銀なHIP HOPスタイル炸裂!自然に繰り出すフロアや何気ないスライドの中にもスキルが詰まっていて、暦年のダンサーとしての貫禄と経験値が随所に見られた。「穏やかにぶちかます」というのだろうか。とにかく味わい深いショーだった。


REIKO(OUTSET)

ラストはこの人!妖艶なオーラを解放し、会場を一気にREIKOワールドに染め上げソロショーのトリを飾った。生徒の中には「REIKO LOVE」のうちわとサイリウムを掲げて応援する“ガチ勢”の姿も。

結果、最高なソロショーのリレーが実現した!


もちろんクラスやゲストショーについてもひとつひとつ振り返りたいところだがスペースの関係で割愛させていただく。その代わりに敏腕カメラマン Quwaaan氏がおさめてくれた臨場感あふれる写真を紹介しよう。

運営サイドになると時々麻痺してしまうのだが、写真を並べて眺めていると改めてこのイベントの規模と豪華さに鼻息が荒くなる。

ただ、イベント直前に新型コロナの濃厚接触者になってしまったり、PCR検査では陰性だけど熱が上がってしまったり、地方から大阪に行くことが認められず不参加になったりと、やりどころのない悔しさを持たれた方がいたという事もここで記しておく必要がある。手放しで全てを「楽しかった」で済ませられないのもこのコロナ禍でイベントを開催する難しさだ。


3, とうとう来たなぁ、この時が!

野外ステージにて登場したシンガーÄuraさんのライブ。海沿いの夕焼けロケーションにしっかりとハマって最高な時間になった。この時をどれだけ待ちわびたことか…。

裏話をひとつすると、年末の企画会議の段階から「名村で夕焼けの時間にÄuraさんのライブ見れたら最高だな」と話していたのだ。そのために「4/11 大阪 日没」でググるなどして、ベストの時間を割り当てた。(それによって「絶対にタイムを押せない…!」という更なるプレッシャーにも見舞われた訳だが…)

また、事前にFRESHプレゼンツでインタビューもさせていただいたこともあり、彼女や彼女の歌に対する親近感も増していたのでこの瞬間ばかりは舞台裏の「小部屋」を抜け出し、ライブを拝聴した。


いざ、ライブの時間。夫であるDJ INGA氏がバックDJを担当し、英語曲のカバーからゆったりとスタート(この間に、バーカン前にいた人もゆっくりとステージに集まってくる)。次にkzyboost氏と制作した「monologue」 や1Co. INR氏がトラックを手がけた「BLUE CITY」そして恐らくまだ未発表の曲も披露するなど盛り沢山なセットリスト。そしてもちろんラストはやっぱり「SKYWALKER cover」…。しっとりと締めくくった。

(なぜ「やっぱり」なのかはインタビュー記事を読んで欲しい)
https://freshdancestudio.com/news/details/243.html

大人から子どもまで、みんなが一つの音楽に聴き入る極上の時間だった。海沿いの景色や、ゆっくりと夕焼け空に溶けていくようなÄuraさんの歌声によって涙腺もついつい緩めに。僕もすっかりおじさんである。


4, イベントを終えて思うこと。

大阪市を対象とする「まん防」にしたがって泣く泣くイベントは20:00までに。…なのだが、ラストのDJ DYが針をあげても名残惜しそうに会場内に居座るクラバーの姿も。「撤収なので帰ってください!」と言いにくいこの複雑な感情…!できることならそのまま打ち上げで語らいたかったところだが、断念せざるをえない。

自分は今回、イベントのフライヤーに書かせてもらったコラムで「『みんなに楽しんで欲しい』というシンプルな理念に立ち戻って…」と「生徒会かよ!」とツッコミをもらうような真面目な目標を掲げていたのだが、まさにその通りになって心からほっとしている。


個人的な思い入れを書かせてもらうと今回のCity Attack零について「久々に開催できてよかったなあ」程度の気持ちではない。去年の春、2,3人でスタジオにこもってネットワークの調整をしたり
、オンラインレッスンの説明ムービーを撮ったり、日々更新されていくコロナ関連の情報を集めたりしていた試練続きの苦しすぎる時期から考えれば、多くの方と集まって音楽やダンスを共有できるだけで奇跡同然だと思うのだ。City Attackに参加された出演者や、会場に来てくださったお客さんの笑顔を見てようやく去年から続いたその長い試練に一つ区切りがついたような気がした。

もちろんコロナの問題が解決している訳ではない。大阪はまた陽性者数が激増しており、この文章を打っている間にも「緊急事態宣言の発令要請」のニュースが入ってきたりもしている。しかし、スタジオ最大のイベントが無事に開催できたことに対して胸をなでおろして休息をもうける権利はあるはずだ。

イベント後、数日は放心状態だったが、ようやく整理がついてPCと向き合ってレポを書いてみた。会場に来ていただいた皆さん、オンライン上で観覧してくださった皆さん、そして今まで10年間FRESH DANCE STUDIOを愛して支えてくださった歴代の生徒さん、インストラクター、そしてスタッフにお礼を申し上げてイベントレポを閉じる。

本当にありがとうございました。

FRESH DANCE STUDIO STAFF Seiji Horiguchi

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