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FRESH DANCE STUDIOプレゼンツ・インタビューシリーズ Aura

2021.03.11

今回のFRESHインタビューは4月11日開催のCity Attack零にゲスト出演していただくシンガーÄura(アウラ)。穏やかながらも独特な引力を持つ歌声にファンが急増している大阪の新たなフッドスターだ。数年前まではカバー曲でのライブを主に行なってきたが、2020年には初のオリジナル楽曲『monologue』や7inchバイナル限定の『SKYWALKER cover』などリリースが目立っている。また絵描きとしての顔も持ち、個展を開くなど独自の活動を展開している彼女。これまでの活動や歌との出会いについて話を聞いた。今回のインタビューは堀江にあるメキシコ料理屋「覇王樹(サボテン)」。メキシコ産のビールTECATE(テカテ)の瓶を傾けながらインタビューは始まった。

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本日は宜しくお願いします。

お願いします!こうやって呼んでいただいてありがたいです!

ステージで歌われている姿や声から受ける印象と、こうやって話していただいているÄuraさんとの間にはギャップを感じます。「下町の姉さん」という感じが(笑)

よく言われます(笑) 初めの頃はライブで喋る内容を考えたのに緊張しすぎて飛んでしまったこともありましたね。「イェーイ」って言って乗り切ろうとしたらお客さんみんなシーン…ってなってしまうみたいな(笑) スローテンポな曲がほとんどなので。隠そうと思ったけど無理ですね!友達のDJ MO-RIからも「そのままスナックのママみたいな感じでいこ」って言われました(笑)
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正直に白状すると、そのDJ MO-RIさんのMIX CD『BREAK OFF』に入っているÄuraさんの『SKYWALKER cover ver.』をヘビロテしすぎて、そのトラックの再生回数だけケタ違いになってしまっています。

嬉しいです。この曲は、同じイベントに出演したのをきっかけに仲良くしてもらっていたJambo Lacquerのパートが好きでよく聞いていて。

NICKELMAN Feat Jambo Lacquer / SKYWALKER Prod.matatabi


中崎町のNOONでDJ MO-RIが主催のPOTATOHEAD PEOPLE & BASTARD JAZZのJAPANツアーのミーティングの時にDJ MO-RIとDJ INGAにそれを言ったらライブで歌わせてもらうことになったんです。そのライブレックバージョンがMO-RIの『BREAK OFF』に入っている音源ですね。曲を歌い終わった後の「ありがとうございました」までMIXに収録されているので、よく「ありがとうございましたの人」って言われますね(笑)

確かにそこまで込みで何回も聴いているので、そのイメージはあります(笑)

で、それをきっかけに加古川のGREENWORKSさんからオファーを頂いて、ブラッシュアップした音源を7inchのバイナルでリリースさせてもらって、ジャケットも自分が描かせていただきました。原曲のPVにもあった景色を絵にさせてもらったんですけど、思い入れが強いのもあって2日程で描き上げました。
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原曲も沁みますよね。そもそも「Äura」というシンガーネームの由来はなんでしょう?

「Äura」には「雰囲気、香気、空気感」とかいう意味があって。「声も楽器の一部でありたい」という意味で付けました。これから先、いつ聞いてもいい曲やと思ってもらえるようなシンガーでいたいと思ってます。

なるほど。英語でいう「オーラ」ですね!当たり前ですがシンガーの方は作詞に加えて作曲も必要なわけですが、メロディラインはどうやって組み立てていくんですか?「降りてくる」という感覚なんでしょうか?

基本的に今はビートメイカーからもらった曲で制作しているので、まずはメロディから作ります。ハミングを何回も繰り返してその後にリリックを乗せます。心地よく音に言葉を乗せることを大事にしてますね。
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Äuraさんのこれまでの活動についてお聞きしたいのですが、まずは音楽や絵との出会いについて教えていただけますか?

母親が歌謡曲が好きで、家でずっと聴いてたんです。幼稚園くらいの時に初めてカラオケに連れて行ってもらって歌った時に褒めてもらったのがきっかけで歌うことが好きになって。でも私、声が低いから声がうまく出なくて。そこからはひたすら自己流で練習しました。ボーカルレッスンも行ったことなくて独学なんです。絵も小さい頃から描くことが好きで、誕生日に買ってもらった60色の水彩色鉛筆を使ってひたすら描いてました。油絵専攻の高校に通ってキャンバスに色を乗せる時は常にイヤホンでJAZZを聴いてましたね。特に聴いてたのはChet Bakerとか。とにかく昔から歌と絵はずっと好きで、その二つをいつか形にしたいと思って来たので、今そういう場所がある事、表現できてる事を本当に嬉しく思ってます。

本格的にシンガーとして活動するに至ったのはどんな経緯だったんでしょう?

二十歳の頃はReggaeが好きで、ずっとReggaeのクラブに遊びに行きまくってたんですよ。実はかくれあわびでも働いてて。もう10年くらい前ですけどね。アメ村のSound Channelの上にかくれあわびがあった時です。その頃から周りから「何してる人なん?」って聞かれた時に「何もしてないけど歌は歌いたい」とは言ってて。ある日、R&Bのシンガーの子から誘われてJouleで歌わせてもらったのが最初でした。あと絵を描く時によくJAZZを聴いていたのもあって、JAZZバンドに入りました。20人も入れば良いくらいの小ぶりな箱で、座りながらライブするみたいなね。その後はR&Bのバンドも組んだりしてましたね。その頃はずっと洋楽のカバーをやっていたんですけど、段々オリジナルもやりたいっていう気持ちになって。ただ日本語の歌詞をうまくメロディに乗せるのが苦手で、そのうちにバンドメンバーも各々が活躍し出して解消してしまったんです。で、ソロでやっていくという時に今の旦那のDJ INGAと出会いました。「トラックを作れる人を探してる」って言ったらラッパー/ビートメイカーのO.D.Sを紹介してもらいました。彼との出会いは私にとってとても大きくて。1ループのトラックに展開をつけたメロディを乗せる事を勉強させてもらいました。その頃主催に携わったイベント「Afternoon Blend」でJambo Lacquer、DJ MO-RI、O.D.S、そしてCHAKRAをはじめBACKROOMのメンバー達にも出会い、その後の活動に繋がっていった感じです。
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一気に大阪アンダーグラウンドのプレイヤーと繋がったわけですね。Reggaeの曲もカバーして歌ったりされたんですか?

Reggaeは歌ってなかったです。今、O.D.Sと作ってる曲ではReggaeの名曲をアレンジしたのを製作中です。

ÄuraさんのReggaeフレイバーも楽しみです。O.D.Sさんの他にも大阪のMCとの作品が多い印象があります。例えば2020年10月リリースの誤さんの『 ACTOR』にも参加されたり。そうやって大阪ローカルに根ざして活動されているという点もÄuraさんの歌に親しみを感じる理由の一つかもしれないです。それに自分が遊びに行くミナミのパーティでもよくお見かけします!

でもHIPHOPのパーティに遊びに行くようになったのは、言ってもここ4,5年前くらい。結婚してからです。その前はReggaeは好きだったけどHIPHOPは全く知らなくて。今でも周りに色々教えてもらったりしていますし。最初の頃に旦那に「これ聴いてみ」と教えてもらった音源の一つが、初めに話したニッケル(NICKELMAN)の『SKYWALKER』だったんです。

NICKELMANさんと言えば、彼のアルバム『THE FACT』に収録されている『BLUECITY』のフックにÄuraさんが参加されていますね。自分はこの曲で初めてÄuraさんの歌を聴きました。

NICKELMAN / BLUECITY ft. Äura prod. by 1co.INR


『SKYWALKER』をライブレックした日にNICKELと会って、その時にこの曲を作ろうっていう話になったんです。ちなみにこのPVに出てるダンサーのnahoikedaにはその少し前に出会っていて「ダンスで出て欲しい」って私が頼みました。City Attackのフライヤーに載っている私のアー写のヘアも彼女(BARBERIKEDA)が担当してくれたり、彼女には色々お世話になってます。で、こうやって歌を出す前からもイベントでライブさせてもらった時に周りのプレイヤーから「曲出したらいいやん!」って言ってもらってたんですけど、なかなかできなかったんですよ。リリースについてわからない部分が多いのもあったりで。

なるほど。昨年はデジタルもフィジカルもリリースが続きましたが、何がきっかけでリリースに踏み切ったんでしょう?

トークボクサー/ビートメイカーのkzyboostとの出会いが大きいですね。kzyboostとダンサーのFunkyPの夫婦には頭が上がらないです!真面目でスキルも文句なし、それでいて人当たりよくて人との関わりをすごく大事にしているし、なんせ初体験だらけの私に本当によくしてくれて。その二人がやってる「Link Up!!」というイベントに呼んでもらったんですけど、その時に作ったのが『monologue』なんです。
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Äura / monologue (official video)

この曲も気持ち良くて何度も聴いています。トラックのゆったりしたテンポや落ち着いたメロディもÄuraさんの歌と相性が抜群だと思います。東京のレーベル「KSR」からのリリースになったというのも興味深い繋がりですね。

運よく合格してリリースに繋がりました。MVもひとつひとつ手書きのパーツを作って、それを組み合わせた1ループの動画を作ったりして。楽しい時間でした。
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そのままラジオにも出演されたと聞きました。

そうなんですよ。mondo grossoの大沢伸一さんとのラジオだったんですけど、緊張してうまく喋れなかったです!去年(2020年)は大阪から東京に行くのも厳しかったから電話出演でね。

やはりどこで繋がっていくかわからないですね。最後に今後のリリースの情報などあれば教えていただけますか?

O.D.Sと温めてきた曲をバンドスタイルで今年出す予定です。ニッケルとは、2曲ずつの7inchを3パターン、計6曲を作ってますね。それから『SKYWALKER』も今は7inchでしかリリースしていないので、良いタイミングを見つけてデジタル配信できたらと考えています。あとはラッパーとのfeat曲もリリース予定です。今年は制作、リリースを頑張りたいですね。環境も落ち着いて、もっと気持ちよくライブができるようになった時の為に、止まらず歌い続けたいなと思ってます。
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幼少期から好きな事にまっすぐ向き合ってきたÄura。バンドでの活動を経て、ソロシンガーとして活動を行って数年。環境の変化を経てもなお自分の表現を全うしてきたブレないスタンスこそが、彼女の歌声がすっと懐に入ってくる感覚の所以かもしれない。活動が活発になりはじめた時期にコロナ禍に突入した事で活動が制限されてはいるものの、既に彼女の音源に癒され励まされているヘッズは多いはずだ。これからもナチュラルで芯のある彼女の"空気感"に身を委ねたい。

インタビュー・文 : Seiji Horiguchi

【メキシカンレストラン覇王樹(サボテン)】

本場のメキシコ人シェフが腕を振るう本格派メキシカンレストラン。名物はメキシコ料理を代表するタコス。15種類以上のテキーラをはじめドリンクの種類も充実しており、バー感覚で2軒目使いでも人気。店内ではウォールアートやメキシコならではの小物も楽しむことができ、フレンドリーなスタッフの対応も込みで、余すことなく“Mexican Vibes”を体験する事ができる。都会の喧騒から程よく離れた場所で、程よい刺激と心地よいCHILLを。
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◆☎️ : 06-6535-8836
◆住所 : 大阪市西区 北堀江 1-16-25 YSSビル 1F
◆営業時間 : 11:30〜20:00 (コロナウイルスの影響により時間が変更となる事があります)
◆定休日 : なし


Seiji Horiguchi
フリーライター。新聞記者になることを夢見る学生時代を経て、気づけばアメ村に。関西を中心に、アーティスト(ダンサー/ラッパー/シンガー/フォトグラファー/ヘアアーティスト stc…)のプロフィール作成やインタビュー記事の作成を行っている。現在の主な活動としては
・メディア「草ノ根」ZINE 発行(2021年1月)
・FRESH DANCE STUDIOインタビューシリーズ
・アーティストプロフィール / アルバムインフォメーション / パーティレポ
などが挙げられる。大阪のアンダーグラウンドシーンにアンテナを張りつつ、ストリートカルチャーの「かっこいい」を広めるべく日々執筆中。
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