FRESH DANCE STUDIOでは、好きなことと向き合う力や新たなアイデアに出会うきっかけを作っていただくべく定期的にダンサーやアーティストにインタビューを行い、そのライフスタイルや活動の内容などを紹介しています。
スタジオスタッフをしながらダンサー/ライターとしての活動も並行して行なっている僕、セイジが
このインタビューシリーズに関わらせていただいてから はや2年半。実に12名のアーティストにお話を伺ってきました。
どなたのお話も本当に素晴らしく、鳥肌が立ったり、涙腺が緩んだり、背筋が伸びたりと様々な回がありました。その中でも特に皆さんに紹介したいと思う名言(パンチライン)をセレクトするという企画。
本日はその後半です。
※前半戦はこちらから↓
これまでのFRE$Hインタビューのパンチラインを振り返る。前半戦。
前回のブログでも書いたのですが、できることならインタビュー全文を読んでいただきたいですし、心に響くワードはもちろん以下にあげるものだけではありません。人によって琴線に触れる言葉というのは違うはずですので気になった方は時間のある時にぜひ過去のインタビューもご覧ください。
FRESH DANCE STUDIOロングインタビュー記事一覧
https://freshdancestudio.com/news/longinterview.html
それでは、早速。
MIO & MAHINA
インタビュアー –「GIRL’S HIP HOP」というMIOさんの一面は、MAHINAさんとのユニットでは、なくなりますよね?例えば衣装一つとっても、肌の露出が、二人のユニットでは少なくなるイメージがあります。
MIO — なんというか、エミちゃん(MAHINA)がGIRL’S HIP HOPに寄せてしまうと違和感がある。うまく言えないけど…エミちゃんがエミちゃんじゃ無くなるねん(笑)
MAHINA — MIOさんとユニットをするとなった頃にMIOさんが「ここは出したくないんよね」と言ったのにほっとしたのを覚えています。MIOさんのいう”隠す美学”については私もとても共感できる部分があって、「隠していても内側から見える色気」に惹かれます。ナチュラルに出る色気だったり、女性らしさを大事にしたいですね。外見も当たり前に大事だけど、無理しすぎると違うというか。そういう感覚は共通しているなぁと、この3年一緒に踊ったり話したりする中で感じてきました。
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大阪をはじめ日本各地でショーやWSを行うMIOさん、MAHINAさんのお二人。ここでは「隠す美学」という部分について話していただきました。ここは自分も非常に共感する内容で、性別に関わらず色気を感じたりショーにグッと引き込まれる時というのは、外見的なものよりも内面的な性質やオーラのようなものが作用してるんじゃないかと常々思うわけで。もちろんMAHINAさんがおっしゃる通り「外見も大事」ではあるんですが、そこに中身がともなって初めてオーディエンスを引き込むショーになるのではないか、と。
それからFRESHインタビューでは、ほぼ毎回「ダンスのスタイルは異なっていても、人として重要な部分を共有していれば魅力的なチームになる」という話になるのですが、「根底の部分の感覚を共有できる」と話されたMIOさんMAHINAさんは、それをより明確にしてくださいました。
CHEKE(HEX BEX)
Youtubeとかインスタで一個だけ動画見て「あ、今これが新しく流行ってるんや」って真似してまう人と、音とか踊りが大好きで、自分のかっこいいって思うやつを探しまくって自分に響いた踊りを真似する人とでは、全然違うと思う。言い方が正しいかはわからんけど、90’sのステップにしろ、今の流行りのムーブにしろ、ある程度までは「切り取り貼り付け」でできるやん?第一線でやってる人も落ち着いて見たら結局「切り取り貼り付け」やったりするんやけどそのやり方がかっこいい。ニュアンスが全然違ったり。
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ここでは、現行のHIPHOPをチェックし続け、自分の中に取り入れるということの難しさについてCHEKEさんに話していただきました。「流行っているからやる」と「めっちゃ好きだからやる」の違いについての話はとても興味深い内容でした。もちろん楽しむ方法というのは自由に与えられるべきものなので「こうしなければいけない」という決まりはないです。しかし、楽しむということに、”教養”が加わることこそが、ダンスをより高い次元の娯楽にする鍵ではないでしょうか?
このインタビューの翌日にちょうどCLUB JOULEでCHEKEさんのショーを拝見したのですが、「インタビューでおっしゃっていたことはこういうことだ!」と腑に落ちたというか、改めて衝撃を受けました。
oSaam(sucreamgoodman)
(チームのDVD作品である)LINKSというものをやろうってなって、その時に初めてチームメイトと向き合ってんな。それまでは、言葉で伝えなくても(チームメイトが)自分のこと理解してついてきてくれるもんやと思っててんけど、実際は全然ちがくてわかってもらえないことが多かった。でもそれは自分が言葉足らずなだけやってんな。相談もせず、決めたことだけを報告するとか。自分が伝えようとしないとみんな理解してくれへんねやって。そこからちゃんと伝えるようにしようって思った。
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sucreamgoodmanの映像作品「LINKS」。NYで撮影を行うにあたってチームメイトとのコミュニケーションがスムーズに取れず、はじめは苦悩したとoSaamさんは話されていました。仲の良い友達との間で、重要な説明や自分の感情を表す言葉をついつい省いて(もしくは省かれて)失敗してしまうことは、僕自身も何度もあるのですが、そんな経験がoSaamさんにもあったということが意外でした。チームメイトや仲間と作品をクリエイトしたり、プロジェクトを企画したりする時、そしてもちろんショーを作る時もいかに自分のやりたいことや方針を伝えるか、が重要だと。
今年の春にドロップされた「LINKS2」では、そういったわだかまりもなくスムーズに制作できたようです。(まだご覧でない方は是非LINKS1,2を比較して欲しい!そして意見を交換したい!)
METH(XXX-LARGE)
「田舎に住んでるけど、地方に呼んでもらえるようなダンサー」のモデルケースになろうと思った。そうなれば、他の人も「ダンスするなら東京か大阪」っていう考えからもっと視野が広くなると思って。そういう影響の与え方もできるかな、と。
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XXX-LARGEメンバーとして東京のアンダーグラウンドの最前線で活動されていたMETHさんは2011年の東日本大震災を機に地元である北海道は斜里へ戻られました。都市部に比べて環境は決して良いとは言えない状況の中で、ダンサーとしての活動も継続し、JUICE Recordsを設立してオーナー、あるいはデザイナーとしても活動を行いながら生活をするのは並の努力ではなかったはず。
僕自身ももともと、長野県の松本市というところからダンスをするために大阪へ出てきた身なので、ローカルでサバイブするという選択を行ったMETHさんの覚悟と行動力には本当に感服しました。
それと、個人的に今年は東北や北海道のプレーヤーと繋がる経験もあったりしたので都市部とローカルの違いについてよく考えます。
以上でインタビューの名言紹介は終わりです。
前回の記事でも何度か書きましたが、結果を出している方の言葉というのはスタイルやジャンルやエレメンツを超えて響くものがあるのではないでしょうか。紹介した言葉のうちのどれかが、胸に残って皆さんの生活のどこかのヒントになればこれ以上の喜びはありません!
今年も残り4ヶ月ほどとなりましたが、現在新たなインタビューもじわじわ企画中。そちらも是非注目いただければと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Seiji Horiguchi