「チーム戦」のかっこよさをビンビン感じるアニメ。遅まきながら「映像研」にハマった話。

 

もうすぐ梅雨。家で過ごす時間がまた増えそうな予感。最近のスタッフブログは、イベントやスタジオ内の話が多かったので、今年ハマったアニメの話を。好きな人からは「今さら!?」という声が上がるかもしれないけど、こちら。

『映像研には手を出すな』

架空の高校を舞台に「映像研究同好会」を立ち上げてアニメ制作に挑む学生の姿を描くアニメだ。主人公は、探検が好きだった幼少期から想像力と作画力を自然と身につけてきた浅草みどり、カリスマ読モでアニメーターを志す水崎ツバメ、普段はローテンションだけど、お金に対して異常な執着を見せる金森さやかの3人。


僕が惹かれた部分は、とにかくこれ。

チームプロジェクトのかっこよさをビンビン感じる!!

3人の主人公はそれぞれ全く異なるバックグラウンドや得意分野を持っている。例えば浅草さんは多少コミュ障なところはあるけど、想像力はピカイチ。水崎さんは、電車の中吊り広告にも顔が載るほど有名な読者モデルで、キャラクターデザインが得意。金森さんはお金に貪欲な性格で、プロジェクト成功のため生徒会からの圧力にも臆することなく強気な姿勢を貫く。アニメ制作においては、浅草さんが脚本や全体の構想を練る監督、水崎さんがキャラクターの細部を描くアニメーター、金森さんがプロジェクトの進行を管理するプロデューサーといったところだろうか。

3人はタイプがまるで違う3人なのに、不思議と意気投合してアニメ制作に本気で向き合っている(本気で向き合うというところが肝なのだろう)。ほかにも音響部や美術部、など同じ高校内の部、また町の住人にも協力を仰ぎながら一本のアニメを制作するのだが、この過程がとてもかっこいい。2020年にNHKから放送されたアニメで、僕はNetflixに上がっているのを(遅ればせながら)観たのだが、見事にハマって一気見してしまった。

僕は個人的に

発表会の企画・運営をするときと全く一緒やん!!

となった。ダンススタジオの発表会も、本当にいろんな人の協力のもと開催できている。生徒さん、インストラクター、ゲストライブのアーティスト、照明、音響、VJ、カメラマン、会場のスタッフ、物販スタッフ、フライヤーのデザイナー…あげ出すとキリがない。

一つの目標に向かってそれぞれが力を尽くし、それを運営スタッフがまとめ上げて、当日を迎える。『映像研』とスタジオの発表会は、この本質的な部分がめちゃくちゃ近いのだ。


もちろん、いろんな分野の専門家をまとめあげて一つのプロジェクトに挑むというのは、綺麗な話ばかりではない。制作するなかで摩擦や、葛藤、トラブルも起きる。そういった繊細な部分もこの『映像研』では描かれている(もちろんアニメなので、最終的には全てのトラブルはきれいに解消(回収)され、綺麗なエンディングを迎えるのだが)。

そして「チームで動く」というのは、かなり多くの分野に通じると思う。飲食店で味やサービスを研究する人、ベンチャー企業で業績を上げようと試行錯誤する人、フェスに向けてライブの腕を磨くバンド。そうやって日々、チーム単位で日々奮闘している方にこそ観てほしいアニメだ。

ほかにもこのアニメは、台詞回しが軽快かつ古風だったり、他のアニメの作画を明らかにオマージュしていたりと、仕掛けが随所に見られるのも面白かった(有名なのは『AKIRA』のバイクのスライドブレーキのシーンのサンプリングだろうか)。そういった細かい部分の仕掛けも、全体的な見応えに作用していると思う。というか、監督の湯浅政明さんが、幼少期からいろんなアニメに影響を受けたり、『クレヨンしんちゃん』『夜は短し恋せよ乙女』など、多くの作品に携わってきたりしたことも、おおいに関係している。

あと、ちょっとしたアニメーションのテクニックも、彼女たちがアニメを制作するなかで割と細かく解説されている。これによって今までなんとなく眺めていたアニメも「ここはあえてちょっとずらしてるのか!」とか「動きを高速に見せる為にあえて描かないのか!」とか、素人なりに分析して観るようになったし、もちろんこの『映像研』自体のギミックすらも分析しながら観るようになったことはいうまでもない。

今はNetflix、Prime Videoなどで観られるので、ぜひ1話だけでも観て欲しい。

ちなみに一話は「いや、これもうラピュタやん!!」ってなるシーンがあるので探してみて。

Seiji Horiguchi

 

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