2019年3月29日
川崎CLUB CITTA’にて開催されたHIPHOP村おこしパーティ、SOWL VILLAGE 。
関東のプレイヤーだけでなく日本全国からMC,ダンサー,DJ,ライター,そしてヘッズが駆けつけました。FRESH DANCE STUDIOのインストラクターであるHONGOUさん,oSaamさん,DYさん,MAHINAさん,KOSIO RAWMANさんの5名もショーやバトルで参加されたりと、関西圏のダンサーにとっても要チェックなパーティ。
私ごとではありますが、僕も「ENTER THE 5 TEAM 」というpick up枠にて出演させていただき、パーティを楽しんできたので今日はその様子を少しだけ紹介させていただきます。
アンダーグラウンドなHIP HOPパーティでは間違いなく日本最大規模のイベント。
その雰囲気が少しでも皆さんに伝われば幸いです^^
そしてそれだけでは少し読み物として物足りないので、参加されたアーティストの情報や映像も紹介したいと思います。そちらもぜひチェックのほど。
さて、この超大規模パーティ。STRAD の名で7年、親しまれたのち、「SOWL VILLAGE 」という新たなパーティブランドへ名前を改めました。ダンスカルチャーだけではなく、HIP HOPカルチャーを構成するエレメンツ(DJ,Dance,MC,Graffiti)が全て盛り込まれて、しかもそれら全てがハイレベル、というのがSOWL VILLAGEの人気の理由と言えます。「この人も出るの!?この人も出るの!?」とフライヤーを手に取った時に目を丸くしたのは僕だけではないはず。
それでは、早速当日の様子をThrow Back.
CITTA’のエンジニアとプレイヤーが、丁寧かつ迅速にコミュニケーションをかわし
入念なサウンドチェックやショーのリハーサルが勧められたのち、ほぼタイム通りにオープン。
まず、エントランスを経て最初に目に飛び込んでくるのは、YOSSY(SOUL FLOWER)さんと阿多野 琢哉さんによる作品。
YOSSY(SOUL FLOWER)さん Instagram
https://www.instagram.com/soul_flower_p_a/
阿多野 琢哉さんInstagram
https://www.instagram.com/t_adano/?utm_source=ig_profile_share&igshid=y3yzh552kxok
抜群の存在感!特に真ん中の梟がこちらを見つめる阿多野 琢哉さんの作品には引き込まれます。
立ち止まって眺める人も多くいらっしゃいました。
「SOWL VILLAGE」というパーティ名の由来として、フライヤーにも
「SOWL=SOUL+OWLからの造語。(梟は)アイヌでは”神の鳥”とも言われていた。」
とありましたが、大阪のアンダーグラウンドシーンにとっても「梟」というのは馴染み深いアイコン。勝手にしみじみしてしまいました。
茂千代&DJ KENSAW LIVE
VIDEO
24時を少しすぎた頃、いよいよメインフロアでのダンスショーのスタート。
この日のメイン司会であるサイプレス上野 さんによる、ラフだけど緊張感もキープしてくれるようなMCでショーがスタートしました。よっしゃっしゃっす。
(ここで自分の出番でした。応援に駆けつけてくださったみなさん、ありがとうございました!!)
トップバッターは零~ZERO~ 。いきなりメーターを振り切るようなフルスロットルのショーは圧巻でした。超絶技巧とパッション、そしてこの日限りのMPCとのセッションスタイルに、オーディエンスの熱も一気に上昇。今年の5月にワンマンを控える4人の覚悟がダイレクトに伝わってきました。
零~ZERO~ Instagram
https://www.instagram.com/zero._.japan/
そこから個性豊かなダンサーによるショーが続いたのち、
1部トリは我らがsucreamgoodman.
今までに見たことがない種類の流動的で目をそらすことのできないショー。まるでRPGのラスボスのように他を圧倒するようなドス黒さと力強さを見せつけつつもどこか3人の少年ぽさというか、夢中で好きなものを追っている!というようなキラキラ感がそこにはありました。
(NYでシューティングした映像作品も要check)
Budamunk x sucreamgoodman – Flute Slaps
VIDEO
さて1部ショーが終わったあとは休憩がてら会場をブラブラ。各種ブースに足を伸ばしてみました。
東のEXTRA STORE
西のBETWEEN MUSIC STORE
北のJUICE RECORDS
そして地元のDLIP RECORDS などなど
日本各地のアンダーグラウンドから発信を続ける店舗がワクワクするアイテムを展開。
自分はLOCO SOUL のコーヒーブースにてブラジルのアイスコーヒーをGETした後
DLIP RECORDSの物販ブースにてDUSTY HUSKYさんによるMIX CDを購入。(休日感…)
そしてBAHAMA KITCHENのホットサンドを頬張って一息ついたころ(休日感…!!)今回フライヤーにも特に大きく載っていたLIVEがスタート。
MONJU&BES によるMC LIVE。Japanese HIPHOPファンとしてはここは絶対見逃したくないステージ。
BES&ISSUGIのアルバム、仙人掌のアルバム、Mr.PUGのEPなどなど、昨年の豊作を振り返るようなセットにCITTA’のヘッズも、首を振りながらHands Up。仙人掌さんのファンキーで熱いスタイル。BESさんの必要最低限の喋りと、圧倒的声量。ISSUGIさんのクールなフロウ。Mr.PUGさんのDJブースからの力強いパンチライン。そしてそれら全てを包むBoom Bap Beats!!音源を超える迫力のLIVEがそこにはありました。
BES & ISSUGI – BOOM BAP
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仙人掌 – Show Off
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Mr.PUG – Set to Work
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ここまででもお腹いっぱいだったのですが…途中でシークレットゲストが参戦!!!
JJJ,OYG,KID FRESINO のお三方。
写真ではわかりにくいですが、ステージにこのメンツが揃うと、流石に壮観。ファンにとっては嬉しすぎるサプライズでした。(FRESINO氏はステージ上でにこやかに踊るだけで、マイクを持つことはありませんでした笑)
シークレットゲストの参加は、あらかじめ企画されていたのかもしれませんが、次のMCにマイクをパスしたり、Back DJがMr.PUGさんからFRESINOさんへ変わったりと、パフォーマンスを自在にシフトしていくところが本当にかっこよくてプロのラッパーの地力をまざまざと見せつけられました。
さらに…このメンツが揃えばこの曲をやらない訳が無い!2015年にリリースされたBudamunkさんのアルバム「The Corner 」からsucreamgoodmanも出演したことでダンサーにも広まったこの曲。
BudaMunk – Five Elements Feat. MONJU & OYG
VIDEO
最後にはsucreamgoodmanも登場して、PVの空気感を再現。
GUEST LIVEが終わったタイミングでメインフロア以外のスペースにも足を伸ばして見ました。
まずはLafayette LOUNGE .
シンプルかつムーディな照明が配された階段を登って上階へ。雰囲気がガラッと代わり、バーカンとDJブースのみのラウンジ空間。DJ K.DA.Bさんによるダンスホールミュージックがセレクトされていて、 心なしか大人なお姉様の人口密度が高めでした。 アクティブに踊る、というよりも おしゃべりをしたり乾杯したり、と クールなラウンジとしての性格が前面に出ている空間でした。
LafayetteのLOOK BOOKやショップカードも。
次に CLUB AREAへ
1階のメインステージへ通じるスペースでも、DJ TIMEが展開されていました。
HOUSE/SOUL/DISCOなど、心地いいdance musicが…。さらにDJブースの真横にPAブースも併設することで、常に良質な音をデリバリー。廊下のスペースさえもクラブに変えてしまう自由な発想とそのスペースの音質さえも妥協しない合理的なシステム。クラブ好きだからこそ作り出せる心地いい空間でした。
さぁメインフロアに戻れば、今回初の企画となるBATTLE CHRONICLES !!
各地域の予選を勝ち上がったダンサーによる白熱のバトル。
関西の代表はFRESHでもインストラクターを務めるKOSIO RAWMANさん。
https://www.instagram.com/kosio_rawman/
残念ながら優勝なりませんでしたが、熱い熱いB-BOYINGスタイルは会場を
ドカンドカン湧かせていました。ルールはあくまで「HIP HOP BEATS ONLY 」であり、ダンスのジャンルは問わない、というのがCHRONICLESの面白いところ。 東北代表のLOCKERの福助さんもめちゃめちゃFunkyかつアグレッシブでかっこよかった…。
オーディエンスジャッジの結果、優勝を勝ち取ったのは関東代表のTENPACHI さん!
このバトルの仕掛け人であるTAKESABUROさんとYASSさんのインタビューも今一度おさらいしてみるのも面白いかもしれません。個人的にはイベントの主催を通して「本当にヒリヒリしてワクワクするバトルはこうだ」と発信されている二人のアティテュードに感動しました。
SOWL VILLAGE 2019 特別企画 エリアインタビュー【 第二弾 CHRONICLES 篇 】
http://sowlvillage.com/sowl-village-2019-chronicles-interview/
メインフロアのフィナーレはLIVE SHOWから、ゲストショーへ。バンドセット×RAP×DANCE の実験的なライブは 長年のキャリアとお互いの信頼あってこそ。 明らかに他のショーと一線を画すステージでした。
XXX-LARGE&HONGOU&YOSHIO
このメンバーのソロ回しだけでも大迫力なのに、さらに目まぐるしく構成が変化し続け、様々な組み合わせのルーティン、そしてラップとダンスの掛け合いなど自由度の高いセッションが次々と繰り出されて気持ちいいくらいに歓声が上がりました。
ダンスショーのラストは、HMS from WAKAYAMA
NOBBYさん率いる和歌山のHomies NEXT DANCE SCHOOL の大所帯クルーによるショーは思わずニヤっとして声をあげてしまうようなFunky&Pieceなバイブスをお届け。大トリにふさわしいショーでした。通路やトイレ、そして楽屋まで。会場内のいたるところにまかれていたHomiesの周年イベントのフライヤー。会場にいた方は一度は目にしたのではないでしょうか?(いい意味で油断も隙もないところがまたかっこいい…笑)
そして時間の都合上、30分しか残っていませんでしたがメインフロアのClose DJはレペゼンGAGLE、DJ Mu-R さん。最後の最後まで贅沢な時間でした。
音が止まって、照明が上がっても諦めの悪いクラバーはフロアでkeep on drinking.
そうやってマンモスパーティ、SOWL VILLAGEは幕をおろしました。
(なんとか最後の方まで写真を撮ったり、様子を覚えておこうと思ったのですが、お酒をご馳走になったり、疲れと眠気が押し寄せて来たりで朦朧としており、最後の方は細部の記憶が途絶えてしまっています。申し訳ありません…)
OpenからCloseまでが本当にあっという間で、もっと話したい人も、もっと聴きたい音楽も、もっと見たいショーもあったのに!と、物足りなさを感じました。(例えばCLUB AREAでのMCバトルは自分は見れなかったり…)
TARO SOULさんのEverytimeという曲の中で
「『後の祭り』って言葉はきっと、祭りの後の虚しさがヒント」
というラインがあるのですが、僕はいつもパーティの帰り道でこの言葉を思い出します。
そんなこんなで会場を後にしました。
誰もが知る大御所ダンサーから若手ダンサーまで。そして北は北海道、南は沖縄まで。年齢的にも地域的にも幅広いプレイヤーが集まるイベントはそうないでしょう。実際に自分も、様々なダンサーやアーティストの方とお話をさせていただく機会となりました。そしてジャンルの垣根を超えた実験的なコンテンツを目の当たりにして(MONJU×sucreamgoodmanのコラボ、福助さんvsTENPACHIさんのバトル、Cro-MagnonとHONGOUさんのセッションなど)このカルチャーはアイデア次第でもっともっと可能性が広がることがわかりました。
出演者の皆さん
遊びに来られた皆さん
そして何と言っても
SOWL VILLAGE主催の皆さん
本当にお疲れ様でした!
購入したMIX CDを聴きながら、もう少し余韻に浸りたいと思います。
Seiji Horiguchi