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Manager's Essay vol.5 「About NAMURA ATTACK」

2022.09.30

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マネージャーエッセイ vol.5 - NAMURA ATTACK2022について

初めてFRESHの発表会に出た時のことを覚えている。

初めてFRESHの発表会に出た時のことを覚えている。

リハーサルの時から既に漂っているパリッとした空気。

最後の練習でさらに高まっていくクラスの一体感。

本番直前の中に浮くような緊張感。

それに反して集中力が研ぎ澄まされるような感覚。

「もっと練習できたんじゃないか…」という不安と、「ここまで来たら今の全力をぶつけるしかない」という覚悟が入り乱れる。

目の前にいるはずなのに、ぼんやりしか聞こえないお客さんの声。

そして瞬きをするくらいの時間しかない本番。

終わったあとに気づく汗の量。

「やっと終わった…」という安堵感と「もっといけたなあ…」という少しの後悔。

最後に発表会に出てから5年ほど経っているけど、あの刹那に抱いた感情は今でも思い出すことができる。
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たった1回しかない本番。無情感から生まれる尊さ。

インストラクターによって前後するが、発表会の本番まではだいたい2,3ヶ月間の準備期間を経る。

出演者は、毎週のレッスンに通い、それ以外の時間でも練習し、休みの日に衣装を見に行ったりする。インストラクターは、音源を決め、編集をし、振りを考え、それを生徒に教え、構成や衣装を考え、照明プランを書き、場合によっては生徒1人ひとりの衣装作りやヘアメイクも行う。いずれも膨大な時間を犠牲にする。

チームのショーケースは1つネタを作ると、何回か披露する機会がある。それに対して、発表会のナンバー作品は何ヶ月も前からかなりの時間やお金をかけて準備するのにも関わらず、披露できるのは本番1回きりしかない(大きいスタジオになると2回公演のところもあるけど)。泣いても笑っても一回だけ。途中で振りが飛んでも、靴が脱げても、誰かとぶつかっても、やり直しがきかないという、なんともハードな条件だ。無情と言ってしまってもいいかもしれない。でも、だからこそ、本番ならではの緊張感や凄みのようなものが生まれるのではないだろうか。また、緊張で100%の力を発揮できず悔しさを味わうのも、それはそれで貴重な経験ではないだろうか。

そして、本番からしばらく経って「あれ、踊りの感覚変わった…?」と気づいたり「あの頑張った時期があったから今があるよなー」としみじみ振り返った時に初めて、本番に向けて準備をしていたプロセスこそが尊いのだと気づく。そんな準備期間や本番の尊さを、小学生から年配の方までが一堂に会して味わっていることを考えると、改めてダンススタジオの発表会というのは特殊な行事だと思う。
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ハイレベルな発表会。

さて、ここまで発表会の尊さについて書いたけど、もう一つ掘り下げてFRESHの発表会の魅力について書かせてほしい。
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...の前に。
毎度毎度、このマネージャーエッセイを通して書いていると思うけど、僕はここで極めて個人的な主観を書いている。つまりFRESH最強説を唱えたい訳ではないということを念頭に置いて読んでもらえると嬉しい(FRESHから送られてきている記事だから難しいかもしれないけど...)。他のダンススタジオの発表会も拝見しに行けたらいいのだけど、あいにく機会に恵まれず見に行ったことがない。
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僕は、FRESH DANCE STUDIOの発表会の魅力は2つあると思っている。

まずは、実力派のインストラクターが揃っているところだ。つまり、クラス作品のクオリティが高いのだ。自分は初めてoSaamクラスの作品に出ることになったとき、振りについていけるか不安だった。他の生徒さんもめちゃくちゃ上手いのもあって、毎回のレッスンすらもひどく緊張していた。しかし本気で向き合ってレッスンの時間以外にもみんなで集まって練習をするなど、毎日発表会のことだけを考える生活は、今振り返っても充実していたと思う。

スタッフになってからも、時々「FRESHのレッスン行きたいけど、難しそう...」という声を聞くが、たしかに否定はできない。良くも悪くもハードルが高いのがFRESHの特徴なのかもしれない。

今回は全部で27名のインストラクターが作品を出してくださる。マネージャーとして準備に追われるなかで若干感覚も麻痺してくるんだけど、改めてフライヤーの参加インストラクター一覧を眺めると「すごいメンツだな…」と思う。今年に入ってからレッスンがスタートした方もいるので、より一層楽しみだ。新しい風が吹くに違いない。
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フェスのように楽しめる発表会。

もう一つの魅力は、(ほとんど自明だが)パーティ要素が強いということだ。

単なる"ダンスの発表"で終わらず、後半の時間は、豪華なゲストショーがあったり、DJタイムがあったり、シンガーやラッパー、バンドなどのゲストライブがあったりと、さながらクラブイベントのパーティのように楽しめる。
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また、数年前までは、クラス対抗風船割り対決や、曜日対抗大縄跳びなどのゲームもコンテンツとして入っていた。(今は時間の都合上ゲームはできていないが)
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生徒さんは自分のクラスの出番が終わってからは、イベントを楽しむ方向にシフトしてもらえる。ここが一番のセールスポイントだ。

2021年から開催している[スタジオパルティッタ]では、屋内でクラス作品とゲストショー、そして野外でパーティを行うという同時進行システムを採用している。これはとても画期的だ。千日前にある[味園ユニバース]で開催していた時は、部と部の間でしかDJタイムがなかったわけだが、スタジオパルティッタでは、いつ行っても音が鳴っている状態が続くわけだ。フェスのような楽しみ方が可能になっている。
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今年はどんなコンテンツが?

次に、今年のNAMURA ATTACKの詳細を紹介したい。

まずパーティにとって最も重要なDJだが、前回に引き続き、人気パーティThe LightsのDJ陣が参加が決定している。そしてフードブースにはタイ料理屋[exodus]と本格派のジャークチキンがイチオシの[Corner Shop]が参加する予定。物販にはレコードやMIX CD、そしてアパレルを展開中のBETWEEN MUSIC STOREが出店。

まだまだそれだけではない。屋外の最大の目玉はゲストライブだ。今年はJambo Lacquerさん、DUSTY HUSKYさんが登場する。もともと活動する街も所属するクルーも違うラッパーだけど、数年前に大阪の服部緑地野外音楽堂でJambo Lacquerさんが所属するWARAJIが主催した「エアコン」での共演をきっかけに『MIZUWARI』という曲を制作。それ以降も、数々の音源やMVを発表して界隈を賑わせている。初めましての方は、以下に挙げる曲を是非聞いてから当日を迎えてほしい。

MIZUWARI(2016)


ロールプレイン(2019)


惑星抱擁(2021)


トゥナイト(2022)


また、野外は照明演出家であり、自身も数々のフェスを主催してきたDISCOBALL-IKEDA氏にも参加してもらい、幻想的な空間に仕上げてもらう。僕はこの要素が特に重要だと思う。淡路島から、遠路はるばる巨大なミラーボールを運搬し、クレーンを使ってDJブースの真上に吊るすという本気度合いを聞けば、納得してもらえると思う。そして野外で風もあるにも関わらずひたすらスモークを焚き、そしてそのスモークを縫うようにレーザービームで会場を照らすなど、一切妥協のない照明術を披露してくれた。発表会の参加者全員が夜まで残って、あの感動すら覚える空間を共有できたらどんなに素敵だろうか...。
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企画・運営のモチベーション。

さて、なぜFRESH(というか僕ら運営)は、ここまで発表会「+α」の部分にこだわるのか。各クラスにダンスの発表をしてもらうだけなら前半部分だけで事足りる。そのまま終わって各自打ち上げに行ってもらうでも、発表会は成り立ちはする。それにNAMURA ATTACKのパーティ部分の準備にかける時間やエネルギーは相当なものだ。発表会前の準備期間は、僕も白目を剥きながら準備作業にあたっている(これを書いている9月末もまさに...!)。これはひとえに、僕が初めFRESHの発表会に参加した時の衝撃や楽しさを、次は誰かに伝えたいという気持ちが全ての原動力となっている。

また、毎年この本番前の準備期間を過ごすなかで再確認するのが、「いろんな種類のプロの手が加わって改めてイベントが成り立っている」ということだ。ダンサー、ラッパー、音響、照明、VJ、フォトグラファー、ビデオグラファー、MC、舞台監督、DJ、照明演出家、フライヤーデザイナー...。各セクションがどれか一つ欠けただけで、このイベントは味気ないものになると思う。準備で白目を剥きつつ、そういった感謝の気持ちにも包まれている。

願わくば、生徒もインストラクターも各セクションのキャストも、誰1人欠けることなく当日を迎えたい。そして唯一無二の"衝撃"を分かち合いたい。
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◆文/構成 : Seiji Horiguchi
◆写真 : REALY / Jyunya Fujimoto
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