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アメ村放送倶楽部 vol.1" BOXERのアニマルトーク"

2020.06.29

アメ村放送倶楽部 vol.1 BOXERのアニマルトーク

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◆ゲスト
BOXER

◆コメンテーター
keiko

◆ホストMC
Seiji Horiguchi

※2020年5月15日(金)のインタビューです。



Seiji : 毎回ディープなゲストを迎えて好きなことや仕事についての話を掘り下げてお聞きする「週末アメ村放送倶楽部」。本日が記念すべき第一回目です!早速、今回のゲストをお呼びしたいと思います。東京より、ハウスダンサーのBOXERさんです!

(BOXER、画面右より登場)

BOXER : こんちは!

Seiji : お久しぶりです!今日はよろしくお願いします。さらに、本日はコメンテーターの方にも来て頂いています。同じくハウスダンサーのkeikoさんです!

Keiko : お願いしまーす。

(一同拍手)

BOXER : お久しぶりです!keikoちゃんCity Attack以来だね!

Seiji : BOXERさんとkeikoさんは、去年、一昨年とCity Attackにてゲストショーに出演いただいています。いつもお世話になっています!

BOXER : とんでもない!

Seiji : で、ですね。ハウスダンサーのお二人をお呼びしてはいるんですが、今回のトークのテーマは「動物」なんです。
BOXERさんはダンサーとしての顔とは別に、ダンサー界随一の動物愛好家としても知られているんです。そこで是非お話を聞きたいと思いまして。


BOXER : よろしくお願いします。

Seiji : 実はBOXERさんに声をおかけしたのにも、きっかけがあってですね。以前、僕が神戸の動物園に遊びに行った時に、準備中の檻があって「この動物がもうすぐやってくる!」みたいな看板と一緒に、その動物のシルエットが描かれていたんですよね。でも名前は伏せられていて。「誰がわかるかー!」っていうノリでストーリーにあげたら、1分も経たないうちにBOXERさんからコメントがきて「これは~~~ですね」と回答されたんです(笑) そこでめちゃめちゃ詳しい方なんだと知りました(笑)

BOXER : そんなこともありましたね(笑)

Keiko : あと、動物の名前のあだ名もつけてくれるんですよ。

Seiji : あだ名?

Keiko : 似てる動物の名前をあだ名としてつけてくれるんやけど、動物の名前がコアすぎてわからへんねん(笑)

Seiji : ちなみにkeikoさんは何に似ていますか?

BOXER : テナガザルだね。

一同 : (笑)

Seiji : さて、早速ですがここからはBOXERさんのトークになるわけなんですが、今日は具体的にどういった内容を話していただけるんでしょうか?

BOXER : 今日は天王寺動物園の動物たちについて、お話しようと思っています。コロナが終息して天王寺動物園に行ったときに「こんなやばい動物なんだ」っと見方が変わるような内容にできたらなと思っています。しかも、次に僕が大阪に行った時にみんなでいけたらいいっすね(笑)

Keiko : やば!(笑) 絶対行きましょう!

BOXER : じゃあ早速。天王寺動物園って入ってすぐ右手にワライカワセミっていう鳥がいます。鳴き声が笑い声みたいなんですよね。まずは鳥にちなんだ話をしていきますね。けっこう学術的なんですけど、動物にはある言葉を聞いて何かを連想することができないとされていたんです。例えば僕ら人間は「イス」って言われた時に椅子を想像できますよね。シジュウカラっていう鳥が、蛇がきた時にする特有の鳴き方があって、それを聞くとヒガラっていう鳥が逃げるんです。今までは、鳴き声に条件反射で逃げてるだけって言われてたんですけど、最近は実験で、シジュウカラが鳴いた時に、蛇に見立てた細長いものを動かすとヒガラがその細長いものを見たっていう結果が出たんです。これってシジュウカラの鳴き声を聞いたヒガラの中で蛇を連想しているってことになるんですよね。「連想することは人間特有の能力」というのが崩れた瞬間なんですよね。そもそも人間特有の能力ってほとんどないんですよね。つまり人間以外の動物といろんな能力や感覚が共通しているわけです。ここが今日の大きなテーマです。

Seiji : なるほど。ヒトと動物の共通点。

BOXER : 鳥の話でいくと「首なし鶏のマイク」の話をしましょうか。

Keiko : 首なし…?

BOXER : だいたいの場合は頭を切ると、数秒ほどは羽をパタパタさせて死ぬんですけど、マイクと名付けられた鶏は頭を包丁で切ったのに18ヶ月間生きたんです。

Keiko : えー…こわ!

BOXER : 「首なし鶏のマイク」って検索すると、頭のない鶏を抱っこしてる研究者の写真が出てくると思います。首なし鶏がいるっていうので、かなり儲かったらしいんですよね。じゃあなぜ、頭を切ったのに生きていられたかというと、脳って考えたり判断をしたりする部分である「新皮質」と生命維持を行う部分である「脳幹」があって。首を飛ばした時に、脳幹の部分は残ってて死ななかったんです。最後なんで死んだかというと餌をやるスポイトを忘れてしまって、食べ物を喉に詰まらせて死なせてしまったんですね。

Seiji : 凡ミス…! それがなければもっと生きてたかもしれないということですよね?

BOXER : そうなんです。

Seiji : 初っ端からかなりディープですね…。keikoさん、ドン引きしてません?(笑)

Keiko : 鳥苦手やねん(笑) それは実験で頭を切ったっていうことですか?

BOXER : いや、単純に殺そうと思って頭を切ったんだよね。でも、頭がなくなった後も毛づくろいみたいな仕草を見せたらしいんだよね。ネットで「首なし鶏」って調べたらいっぱい出てきます。

Seiji : 鳥以外の動物だとどうなるんでしょうね…。

BOXER : 鳥どころか、まだ「マイク」でしか確認できていないんで実験して行くしかないですよね(笑) 脳みその位置も関係あるから難しいと思いますけどね。ゴキブリは有名ですよね。頭を切っても餓死して死んじゃうっていう。

(コメントにて「怖くて検索できません」)

BOXER : 「怖くて検索できない」かー。でも、首ないから大丈夫ですよ。

Seiji : いやいや、首がないから怖いんですよ!

一同 : (笑)

BOXER : ちなみにさっき言った首なし鶏を抱っこしてる研究者の写真なんですけど、その研究者がマイクのもう片方に頭を持ってるんですよね。でも、この頭はマイクではなく別の鳥の頭だと言われています。

Seiji : コメントにも続々「めっちゃ出てきました」と送っていただいています。

(恐る恐る調べるkeiko)

Keiko : わー…あかんやつ!

BOXER : だから、動物園の鳥を見たときも「あーあいつも首切っても生き続けるのかなー」って思って楽しんでください。あと、ペリカンなんかは鳩を飲み込む写真なんかもいっぱい出てきますね。「ペリカン 鳩」で検索してみてください。鳥が鳥を丸呑みにして食ってる様子って、けっこう自分の今までの概念壊されると思うんで。みんな検索してほしいですね。

Seiji : わかりました(笑)

BOXER : さらに進んでいくと、天王寺動物園って熊がけっこういます。ホッキョクグマとか。熊の話にいきましょうか。ホッキョクグマ(シロクマ)は世界最大の熊で完全に肉食なんですよね。なぜかというと、北極には植物が生えないからなんですけど。あとホッキョクグマは毛が透明なんですね。真ん中に空洞があってそこに光が反射して白く見えるんです。

Seiji : 知らなかったです。

BOXER : 熊で有名なのでいうと、北海道の「三毛別(さんけべつ)ヒグマ事件」っていうのがあって。三毛別村ってとこで、めちゃくちゃでっかいヒグマが出てきて村人が何人も殺されるっていう世界でも類を見ないヒグマの事件なんです。その事件について詳しく書かれた「羆嵐(クマアラシ)」っていう本も出てるんで、気になる方は買ってみてください。

Keiko : それはいつくらいの事件なんですか?

BOXER : かなり昔。明治ですね。当時、村人は熊を殺そうとして銃を使おうとしたんですけど、銃を手入れしていなくて使えなかったっていうね。で、村の嫌われ者の猟師がそのヒグマを倒してくれたっていうかっこいい逸話があるんですよね。あと、熊でいうと、「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」っていうのがあって。福岡大学の山登りサークルがヒグマに襲われて3人くらい亡くなった事件なんですけど。で、襲われたうちの一人が日記みたいなのを残してて「今、クマがキャンプの周りを歩いてる」とか生々しくて。熊の怖さを知ることができます。あと、ロシアの方だと女の人が熊に食われながらお父さんに電話したっていう話もあります。

Keiko : えー…。食べられてる状態で電話なんかできるんですか?

BOXER : ヒグマって肉食動物じゃないんですよ。肉食動物って喉を噛んで窒息させて殺してから食べるんですけど、ホッキョクグマ以外の熊は、肉食じゃなくて雑食だから殺し方をあんまり知らないんです。そのロシアの女の子の場合はお腹から食べられたんで、息がまだあったんです。で、最後の話をするためにお父さんかお母さんに電話をして、「私はもうだめだ」っていう話をしたんです。

(一同絶句)

Keiko : 天王寺動物園、楽しくなくなっちゃう…!(笑)

BOXER : 動物園に行ったら、そういうことも思い出しながら熊を見て欲しいですね。

Seiji : 自然の厳しさ、ですね…。

BOXER : 後は俺、アイヌの人が「熊にあったらどうするか」について書かれた本を読んだことがあって。アイヌでは熊は神として扱っているんですよね。その地方ではクマには襲われないらしいんです。何故ならば、クマは人間の方が自分たちよりも強いと認識しているんですよ。ただ、何かのタイミングで「クマの方が強い」と認識すると人喰いグマになる。だから、実際に会った時に熊をびっくりさせなければ襲ってくることはないんですね。

Keiko : 鈴をつけると熊が寄ってこないっていうのもありますよね?

BOXER : 最近は、熊鈴(くますず)にも慣れちゃってるから効果が薄いらしくて。空のペットボトルをくしゃくしゃさせるのがいいらしいです。後はアイヌの伝承で「腰につけたベルトのようなものを振るといい」っていうのがあります。野生動物って蛇を恐れる動物が多くて。なぜかと言うと、野生の動物って人間と違って医者がいないから解毒するすべがないんですよね。マムシとかに噛まれると治るまで待つしかない。だから野生動物は蛇を恐れるんです。一回、SNSで猫の後ろにきゅうりをそっと置いておいたらびっくりして飛び上がる動画が流行ったじゃないですか。

Keiko : あったあった。

BOXER : あれは猫が蛇を嫌がって本能的に跳ね上がってるんで、あれは絶対やっちゃいけないやつなんです。

Seiji : 愛好家として許せない行為ですね。

BOXER : はい。それから天王寺動物園に戻りましょう。さらに進んでいくと…。

Seiji : BOXERさん、中断してしまってすみません。今、過去の記憶を頼りに進められているんですか?!

BOXER : ネットでざっくり天王寺動物園にいる動物を調べて「そういえば実際に前行った時にこんなのいたな」っていう記憶を頼りに進めてます。

Seiji : 本当にすごい。BOXERさんは動物への愛もですが、何より記憶力が凄まじいですよね。かなり前に話していた内容を覚えられていたり。

BOXER : そうですね。そういう得意技がありますね。

Seiji : すみません、話を止めてしまって。

BOXER : とんでもない!で、さらに進んでいくとアシカがいて。アシカとアザラシの基本的な違いはわかりますか?

Seiji : わからないです。毛の長さとか?

BOXER : これね、アシカには耳たぶがあって、アザラシには耳に穴が空いてるんですよ。それが一番わかりやすいです。で、アシカもアザラシも魚を水の中で追うんですけど、魚が泳いだ後の波の微妙な揺らぎというか乱れを追って魚を追ってるらしいんです。

Seiji : へー!足跡のようなことですか?

BOXER : そう、足跡みたいに。で、野生のアシカって昔日本にもいて。千葉に犬吠埼(いぬぼうさき)っていうところがあって。その「犬」はアシカのことなんです。昔、そこにアシカがいっぱいいてね。アシカの鳴き声が犬に似てることからそういう地名になったという説もあります。あ、犬でいうと日本にも昔オオカミがいてね。今、日本にオオカミを復活させようっていう団体がいて、NHKで「ニホンオオカミ復活への奇跡」っていう番組をやってたことがあるんです。日本の在来の犬の中にオオカミの血が残ってるはずだと。日本の犬をどんどん掛け合わせて、オオカミを生み出そうとする団体がいて。

Seiji : BOXERさん的にはそれは可能だと思いますか?

BOXER : 厳密にいうと、最後オオカミにはならないと思います。でも俺が見た時はもう、犬みたいに「ワン」って吠えてなかったので、多少オオカミに近づいてはいましたね。限りなくオオカミに近い犬ですね。ただオオカミに近づくにつれて人間には懐かなくなるらしいですね。イギリスに、オオカミの群れと一緒に暮らした人の話があって。やばい軍人の人がオオカミと暮らしたいっつって、オオカミの群れに入って生の肉を一緒に食ったりしてたんです。その人の本を読んだんですけど、オオカミって生まれた時から群れの中での順位が決まってて。リーダーがα(アルファ)でその次がβ(ベータ)で調整役がσ(シグマ)っていう具合で。努力して、βがαになれるわけじゃなくて。生まれた時にリーダーって決まったりするらしいんです。けっこうシビアな世界なんです。リーダーって大体メスなんですけど、リーダーは病気の個体がわかったりするんです。「あのバッファローは病気だからあいつを襲おう」とか。

keiko : すご…。

BOXER : 人間にはわからない小さいガンも匂いでわかっちゃうらしいです。だから最近はオオカミにガンを見つけさせる研究もあって。しかもオオカミの群れは、子どもが生まれる時とかは、若い健康な個体をエサとして食べていると群れ全体のエネルギーが上がっちゃって子どもが襲われるかもしれないので、あえて病気の個体とか年をとった個体を狙うことで群れ全体のエネルギーを下げる細工をリーダーがしてるんです。

Seiji : あえてみんなを100%元気にさせない、という。

BOXER : そうです。

(コメントにて「犬も糖尿病のアラート犬、いますよね」)

BOXER : それも匂いでね。ただ脳の大きさでいうとオオカミよりも犬の方が小さいんです。多分オオカミの方が覚えることがいっぱいあるからだと思います。この時期はこの動物が移動してくるとか、ここには熊が住んでるとか。

Seiji : 生き残っていく中で脳が発達していったんですね。

BOXER : さあ、次にいきましょうか。今回のコロナの件なんですけど。研究機関によると発生源はどうやらコウモリっぽいんですよ。で、コウモリってめちゃめちゃ菌を保持してて、しかもコウモリ自体は無症状なんですよ。今日、何かのニュースで見たのは、12月くらいにコロナが発生したとすると、コウモリは冬眠してるからコウモリから別の動物を介して人間に移ったんじゃないか、と。コウモリの中で血を吸う種はほとんどいないんですよね。2種類くらいしかいない。ただ、どんなコウモリでも絶対菌は持ってるんです。狂犬病とか。狂犬病って人間にかかったらどうやって死ぬかわかりますか?

Seiji : 全然わからないです…。

Keiko : またグロい話がきた(笑)

BOXER : 狂犬病って発症すると致死率が99%くらいなんです。ほぼ死ぬんです。最終的に頭がおかしくなって死ぬんですけど、特にやばいのは「怖水症」って言って水が怖くなっちゃうんです。あと痛風の人みたいに扇風機の風とかも痛くなるらしくて。でも、発症しなければワクチンを打てば絶対治るんですよね。だから海外に行って動物に噛まれたら絶対に病院に行ってワクチンを打ってください。狂犬病って犬だけじゃなく哺乳類全部かかるんで。アジアの国に行って猫触って噛まれたりしたら、絶対病院行かないとマジでやばいです。

Seiji : 発症する前にワクチンを打てば助かるんですね。

Keiko : 狂犬病って人から人も移るんですか?

BOXER : 人から人は移らないっすね。

Seiji : アジア圏に旅行に行く方は覚えておいた方がいいですね…。

BOXER : 次ですが、天王寺動物園にはチンパンジーがいるんですよね。上野動物園とかにはいないんですけど。これはテンション上がりました。チンパンジーはもう本当に色々あるんですよ。チンパンジーの話だけでご飯いけちゃうくらい!

一同 : ははは(笑)

BOXER : チンパンジーって人間と遺伝子的にはほとんど同じなんですよ。98%くらい。チンパンジーには普通のチンパンジーとピグミーチンパンジーってのがいて。さらにアフリカにはマウンテンゴリラがいて。アジアに唯一の霊長類だとオランウータンがいますね。この4つくらいの種類を意識したうえで人間を見ると、色々見えるものがあるんすよね。

Seiji : というと?

BOXER : まずチンパンジーって戦争をするんですよ。戦争の定義の話にもなるから難しいんですけど。互いに群れ同士で争い続けてるんですよ。出会ったら喧嘩して、殺し合いにまで発展しちゃうくらい。チンパンジーって雑食で肉も草も食べるし、他のチンパンジーも食べてしまうんですよね。で、殺してからその上に糞をするんです。謎の行動ですね。

Seiji : なんだかやられた方からすると屈辱ですね。

BOXER : アフリカには大河があるんですけど、上の方にはチンパンジーがいて下にはピグミーチンパンジーが生息してるんです。小さいチンパンジーですね。そいつらは全然違くて。群れ同士が遭遇しても争わないんですよ。それどころか違う群れに混じっちゃって一週間くらい過ごしてしまうこともある。で、どのように群れ同士の争いを避けるかというと、擬似的な交尾をするんですよ。喧嘩になりそうになったら、オス同士だろうがメス同士だろうが擬似的な交尾をして争いを避けるっていう行動を取るんです。ピグミーチンパンジーは別名ボノボとも呼ばれます。

Keiko : (iPhoneで検索する…) 黒い。全身が真っ黒なんですね。

BOXER : そう。黒くて小さいんです。全然争いがないんです。チンパンジーの群れはとにかく争いが多いらしくて。自分の群れのリーダーが違う群れの若い奴に殺されたり、育ててる子どもが若いオスに殺されたり。とにかく殺し合いが絶えない。そこが人間と似てる部分なんですけど。

Seiji : そのチンパンジーの争いの中には、感情はあるんでしょうか?

BOXER : いい質問ですね。ヒト以外の霊長類にも感情はあるはずなんです。なぜかというと、ゴリラの研究でココっていう知能の高いメスのゴリラがいたんですけど、研究者が手話を覚えさせたんです。で、そのゴリラに「死んだらどうなるのか」って聞いたんですよ。そしたら「死んだら苦しみのない穴に落ちていく」って手話で答えたんですね。ということは何らかの宗教的な感覚が備わってる可能性が出てきたんです。あとそのココは、自分が飼ってた猫が死んだ時にめちゃめちゃ悲しんだんです。これはYoutubeで検索しても出てきます。ということはチンパンジーにも感情はあるはずなんですよね。

Seiji : 脳の大きさに関わらず感情があるんですか?

BOXER : 脳の大きさに関わらず、ですね。これも研究があって、魚の脳の研究をしてるところがあるんです。

Keiko : 魚にも!

BOXER : 感情というかまずは記憶なんですけど、ホンソメワケベラっていうのがいて、そいつは他の魚の体を掃除するんです。で、ホンソメワケベラのところに常連さんと一見さんの魚がきたとしますよね?そうすると、一見さんの方を先に一生懸命掃除するんです。で、常連の方を後回しにするんです。

Seiji : へー!ということは記憶があるということですね。

BOXER : 記憶があって、かつ選択してるってことなんです。あとは、猿とか鳥って文法を持ってると言われてて。例えば、鳴き声の最後の声を変えることで意味が変わったりする。鳥の鳴き声を研究してる人からすると、鳴き声によって群れの中のゴシップを話してるんだそうです。群れで暮らす以上、ゴシップって大事なんですよね。「あいつとあいつが仲悪い」「あそこが付き合ってる」「あそこは浮気してる」とか。恐らく俺ら人間も、そういうのから会話が始まったって言われてて。

Seiji : 群れの中の情報をより伝達しやすくするためなんですね。

BOXER : そうそう。群れの統率を高めるために。で、チンパンジーとボノボの違いって群れの結束なんですけど、チンパンジーは外側の敵と殺し合いをする関係で結束力がめちゃめちゃ高いんですよ。でもボノボはそういうことがないからゆるい集まりらしいんです。人間と似てて。

Seiji : そうですよね。違う群れに混じってしまうくらいですもんね。

BOXER : フランソワ島ってとこにフランソワ原人っていうのがいたんですけど、ホモ・サピエンスがきたときに、フランソワ原人がなんらかの原因で滅亡したらしいんです。それは恐らくホモ・サピエンスが殺したと言われています。こういう攻撃性があったためにホモ・サピエンスは生き残ったんじゃないかとも言われています。あとアフリカだとピグミーっていう小さい人たちを漢方薬として現地のアフリカの人が食ったり。あとはある部族がすごい病気がちで、成人の男性がすぐに病気になってて、それはそれまでの習わしで、死んだ人の脳みそを体中に塗りたくるっていう風習があったらしくて。それをやめさせたら治ったとか。だから、共食いってあんまり遺伝子的によくないんですよね。

Seiji : 脳みそを…想像できないですね。

BOXER : 死体つながりで言うと、カバは仲間が死ぬとその周りに何頭か寄り添う形でくっついてたんです。ずっとカバは仲間を弔ってるって思われてたんですけどたまたま見つかったら、仲間の死体をカバが食ってたらしいんです。しかもなんで食ってるのかわかってないんです。

Seiji : 共食いの話ばっかりですね…!

Keiko : そういえば、昔飼ってた金魚も共食いしてましたよ。おばあちゃんちに行ってて家を一週間くらい空けてたんですけど、その間餌が足りなかったみたいで一匹だけ残ってました。

BOXER : なんでかわからない事って本当に多いですよね。これは「環世界」って言われる考え方があって。人間には人間の世界があって、チンパンジーにはチンパンジーにしかない世界があるというように。俺たちが完全に理解するのは不可能なんです。理解できない感情もあるだろうし、そもそも欠落している感情もあるだろうし。

BOXER : それからチンパンジーって樹上生活者なんですけど映像記憶力が凄まじいんです。画面にパパパって数字が出たら人間よりもチンパンジーの方が覚えているんです。なぜかと言うと、森の中って全然目印になる情報ってないじゃないですか。なので森の景色を暗記して迷わないようにしてるんです。この木はこの季節に生えて、この木の実は何月になって、とかを覚えてなきゃいけないんです。それにしたがってゴリラとかは移動してるんです。だから彼らは記憶がすごく良くて。

Seiji : 見たままを覚えておく必要があるんですね。

BOXER : だから志村どうぶつ園のパンちゃんも志村さんのこと覚えてましたよね。ただ、チンパンジーは成人になると非常に凶暴になるので一緒には住めないんですけどね。あとHIV(ヒト免疫不全ウイルス)ってチンパンジーから来たんですよね。以前「パンデミック新時代」っていう本を読んだんですけど、あるチンパンジーがいて。シロエリマンガベイってのとオオハナジログエノンってのがいるんですですよ。これどっちも猿の名前なんですけど。で、両者が違うウイルスに感染しててそれをチンパンジーが食べちゃったんですけど、チンパンジーの体内で二つのウイルスが混ざってHIVができたんです。で、現地の人ってチンパンジーも食べるんですけど、たまたまHIVの菌を持っていたチンパンジーを人間が襲ったところからHIVは広まっていったんです。

Seiji : 先ほどから聞いていると、ウイルスは動物発信のものが多い気がしますね。

BOXER : ウイルスは動物発信です。森を切り開けば切り開くほど新しいウイルスが出てきやすくなるんです。だから現代社会が自然を破壊すればするほど、新しいウイルスにさらされやすくなるんです。

Seiji : 北極の氷が溶けることによって、未知のウイルスが出てくるという例も聞いたことがあります。

BOXER : そうですね。天然痘は氷の中で大量に死んでいたトナカイがいて、温暖化によって溶けてそこから天然痘のウイルスが発見されたんですよね。

(コメントにて「コロナウイルスは研究所から作り出されたんでしょうか?」という質問)

BOXER : これは、難しいところで。多分研究者によって全然違うと思います。陰謀論が好きな人は人造説を信じています。ただ人造だとしても造る過程でコウモリを利用した可能性もあるんだよね。例えば、コウモリはいろんなウイルスを保有しているので、コウモリを捕まえてきてウイルスを抽出してっていうこともできますからね。

(ここで60分が経過し、延長が決定。一度終了して延長戦を再開…)

Seiji : 改めてよろしくお願いします。第一回目から延長になるとは思わなかったです(笑)

BOXER : もう一発ディープなのにいってからしめようかなと思ってます(笑)

Seiji : そうですね。夜もかなりディープな時間になってきましたしね(笑)

BOXER : お子さんが見てるところはかなりショッキングだと思うので、注意が必要かもしれないです。もしかしたら、動物を嫌いになっちゃうんじゃないかなぁ。

Seiji : これだけアニマルトークしてきて、ここにきて動物を嫌いになるほどの知識なんですか(笑)

BOXER : チンパンジーの話に戻るんですけど、やっぱり魅力的なのって性の部分だと思うんですよね。動物同士の話でいくと、ペンギンが結構面白くて。まずレズビアンとかゲイっていろんな動物に絶対いるんですね。逆にそれがいない動物の方が少ないくらい。虫ですらいます。なぜかはわかってないんだけど。ペンギンで言うとレズビアンのカップルとかゲイのカップルって卵産めないじゃないですか。だから他のオスと交尾して、交尾が終わったらそいつを追い出してレズビアンのカップルで卵を育てたり。あと卵を盗んできたりもします。鳥は性に奔放でね。餌を欲しいがために交尾したり。ある水族館で、つがいのペンギンのオスの浮気がバレてボコボコにされるというのもあって。

Seiji : それはSNSで見たことがあります!

BOXER : 最近は水族館とか行くとペンギンの相関図とかがあって。「こことここがカップル」とか「ここはゲイのカップル」とか。

(リスナーからのコメント「パンダは動物園で交尾の動画を見せるって本当ですか?」)

BOXER : これ、そうなんです。パンダってなかなか交尾をしないからパンダにAVを見せるんですよね。パンダポルノっていうんですけど。中国ではさかんに行われているようです。

Keiko : そっか。数を増やさないといけないですもんね。

BOXER : しかもパンダって一年のうちで一日か二日くらいしか交尾できるタイミングがないのに、野生型と会えないからどんどん減ってっちゃうんですよね。あと、笹を全然紹介できないのも減ってった要因なんですけどね。パンダって熊なんですけど、腸を調べたら腸内の菌が熊のままだったんです。だから笹を98%くらい吸収できてないんです。だから、俺たちは今パンダが進化する過程を見てるんですよね。

Keiko : なるほど!すごい。

Seiji : 肉食動物から草食動物の内臓に進化する過程ということですね!

BOXER : 性に関しても動物っていろんな事件が起きてきたんです。人を襲っちゃったり。だから動物を見たときにそういう目で見て欲しいんですよね。だから俺「動物って純粋でいいよね」っていう人大っ嫌いなんですよ。

Seiji : 今日の一番重要な点ですね!

BOXER : 基本的には人間と一緒で殺したいし交尾したいし。例えばイタチとかは殺したいだけ殺す動物なんですよね。実は動物の中で一番洗い気性なんです。

Seiji : イタチとかアメ村にもいません?時々。

Keiko : いるいる!よくみる!

BOXER : 街中にいるやつは多分ハクビシンだね。イタチはイタチ科で、ハクビシンはジャコウネコ科で、ちょっと違うんです。イタチでいうとラーテルっていうアフリカに住んでるイタチは「もっとも怖いもの知らずな動物」としてギネスブックに乗ってるんです。カナダとかにはクズリっていうもっとも体の大きいイタチがいるんですけど、熊の獲物を奪い取ったりします。ネズミを殺すのって猫が良さそうなんですけど、猫って一匹とったらそのまま食っちゃうんです。でもイタチはいればいるだけ殺すんです。

Seiji : 捕食行動ではないんですね。単に命を奪うという行動。

BOXER : 一匹殺しても動いてるのをみるとまた殺しちゃうんですよね。それって俺ら人間の倫理観でいうとやばいやつですけど、大きい自然界で考えたらそいつも必要な存在なわけじゃないですか。だから俺たち人間の感情とか倫理観では決めれないですよね。そういう奴もいるし、ボノボみたいに平和な奴もいるし。だから哲学的な話になってくるんですけど。

Seiji : 哲学の話にまで進んできました…。

BOXER : で、最後に芸術的な話にいきたいんですけど。動物って絵を描かないじゃないですか。ただニワシドリっていう鳥がいて。Youtubeで「ニワシドリ 巣」って調べるとニワシドリが建設した巣が出てくるんですけど、それがびっくりするくらい綺麗で。それがいかに綺麗かどうかでメスと交尾できるかが決まるんですよね。芸術的なセンスって人間だけじゃないんだなって思えます。

Seiji : しかも、それを比較する基準というか感性もあるということですよね。

BOXER : そうですね。たださっきの環世界の話に戻りますが、人間が綺麗とするものがニワシドリにも当てはまるかはわからないですけどね。例えば孔雀って求愛行動の際に尾を広げるじゃないですか。あれは美しさを競うというよりも、あの羽の中の目のようなマークの数の多さを競ってるんです。あれが150個と151個だったら151個の方が必ず選ばれるんですよ。しかも鳥は人間よりも見える色が多いんで俺たちとは絶対に違う世界を見てるはずなんですよね。あとはアマミホシゾラフグっていうフグがいるんですけど、奄美諸島のダイバー達の間で海底の砂にミステリーサークルがある!とずっと言われてて。どの魚がどう作ってるかもわからないし、もしかしたら自然にできているかもしれないとも言われてたんですけどアマミホシゾラフグっていうのが作ってるのが発見されたんです。オスがミステリーサークルのような紋様を作ってその真ん中に溝を作るんです。それを気に入ったメスがその巣で交尾をして、真ん中の溝に卵を産むんですよね。で、溝があるのも理由があって。溝に海流が流れることで卵にカビが生えないようになってるんです。

Seiji : 理にかなってるんですね…!

BOXER : そうそう。そうなってくると魚にも考えがあるのかな、とか。魚を食べるときにある国、たしかオーストラリアかな、そこでは活け造りが禁止されています。活きたまま食べるのは残酷だから、真水とかに入れてなるべく痛みの少ないやり方で殺してから食べましょう、みたいな。ここ最近の研究で魚にも痛みがあるというのがわかったらしいですね。

Keiko : アマミホシゾラフグ、調べましたがすごいですね!めっちゃ綺麗!

BOXER : そんな感じですね。最後に綺麗な話でした(笑)

Seiji : 今日はグロテスクな話だったり、不思議な話だったり、我々人間と共通する話を沢山聞けましたね。ありがとうございました!

Keiko : 2回目もやりましょうね(笑)

BOXER : 是非是非!今年、必ず大阪に行くんでみんなで天王寺動物園行きましょう!

Seiji : 本日のゲストはBOXERさん、そしてコメンテーターはkeikoさんでしたー!ありがとうございました!




文/構成 : Seiji Horiguchi
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