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FRESH DANCE STUDIOプレゼンツ・インタビューシリーズ。BOXER JUNTARO後編

2018.07.16

FRESH DANCE STUDIOプレゼンツインタビューシリーズ。BOXER JUNTARO編。
この日アメ村の飲み屋「146STATE」にて3時間にわたって行われたインタビュー。
多少の脱線はあったものの、JUNTAROの大事にしているマインドを叩きつけてくれた。
前半記事はこちら
後半も彼の貴重なエピソードと、パンチラインが飛びかうことになる。

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3, 海外でも堂々とペイントを行ったJUNTARO.

海外で活動されたときのエピソードをお聞きできますか?

スプレーでベタの部分を塗ってから黒のペンキでライン(外側の線)をおさえるやり方が
自分にとって一番綺麗に描けるやり方やからそれでいこうと。
黒だけペンキであとの色はスプレーで描こうと思ってアメリカの塗料屋に行ったんやけど、
アメリカのペンキって水性でも(粘度が高くて)固いからめちゃ描きにくかってん。
なんとか描いたけど。アメリカは全部スプレーでやった方がいいなと思った。
だからあのビギーの壁は、全部スプレーで描いた。
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国が変われば塗料の質感も違うんですね。それでも描き上げるのがプロですね。

でも実は失敗談もあるねん。
アメリカでスプレーが調子良かったからジャマイカでもスプレーで描きたかったけど向こうにはスプレーがあんまないねん。
で、ある後輩とやりとりしてたら「前に飛行機で普通に持って行けましたよ!」って言われてん。
そこでブルックリンのグラフィティショップでがっつりスプレーを買い込んで、ドラムバッグに詰めてん。
NYからマイアミ経由でジャマイカに飛ぶねんけど、マイアミついたらバッグ見つかれへんかって。
でやっと見つけたと思ったらパンパンのはずのバッグがぺしゃんこで。中身が空っぽやってん。
「は、何これ…?」ってなって職員探して聞いたら
「お前か」ってめっちゃ怒ってて。
「飛行機にスプレーはだめに決まってるだろ」てね。
スプレーて気圧の変化で爆発するかもわからんから飛行機に乗せられへんの俺知っててんけど、
あいつにだまされた!って(笑)

痛いミスですね…(笑) ということは買い込んだスプレーを全て没収されてしまったんですね。

全部で3万円分くらい損したかな。節約して回ってたから痛かったね。で仕方ないからペンキで描くことに。
でもアメリカと違って、ペンキの伸びがよくて調子いいんよ。
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多分その土地の気候や環境の影響もあってスプレーは適してないんやろね。
やっぱりその土地の環境に向いてる塗料が残っていくねんな!て感慨深かった。
「環境が変われば、臨機応変に描き方も変えていく」ということを学んだ。

Snoop Doggのスタジオに描いたときのエピソードも気になります。
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いろいろ動いた結果、最終的につながりができたっていう話。
現地で色々動いてつながっていった結果、Snoopのスタジオもいけるかもって話が出てきてん。
もともとはLA、NY、ジャマイカの順で回る予定やってんけど
NYからジャマイカに移る時に、Snoopのスタジオで描けるって話が飛び込んできて
急遽日程調整して、LAに戻ったのよ。LAに戻ってそのままスタジオ行って描いてって流れやった。
急やったからキャンセル料も結構かかったけどね。

現地で地道に動き続けた結果、名誉ある仕事ができたということですね。夢のある話です。
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4, 最後に残るのはアナログな人間性。

「THIS IS BOXER JUNTARO vol.2」を出したタイミングで
韻シストやHEX BEXとツアーを敢行されたことについてお話を伺いたいです。


自分がイケてると思ってて仲良い人間と回りたいな~と考えたら絶対HEX BEXと韻シストやなって。

JUNTAROさんは、他ジャンルのアーティストとの結びつきが特に強いですよね。
何かきっかけがあったりするんですか?


みんなジャンル内で小分けにしすぎやと思う。
俺は、普通のことやと思うねんけど、周りの人からしたら韻シストとHEX BEXが一緒におるというのが、おかしいって感じたみたいやねん。
接点がないし、カラーが違うから。SWジャンルも違うと。
でも俺からしたら、同じHIPHOPやしエンターテイナーやから自然なこと。

JUNTAROさんとHONGOUさんは何年来の付き合いなんですか?
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(しばし二人の会話になる)

JUNTARO : そこまでべらぼうに長いわけではないよ。分かり合うのは、時間じゃないと思ってる。

HONGOU : いろいろ経て今があるけど、分かり合える前とかは「なんなんこいつ」ってキレられたりしたで。

JUNTARO : それは今だにやで。

HONGOU : ははは、いや顔まじですやん。(笑) 

JUNTARO : まぁ、HONGOUとはROOMでビリヤードする関係です。

HONGOU : そんだけなわけないでしょ!

全員 : (笑)

HONGOU : でもJUNTARO君ってほんまにいろんな場所で飲みまくってると思うんすよね。
だから繋がり方も半端じゃないし、飯屋、飲み屋に絵を描くことが多いんやと思います。
あと、イベントで一緒になって気があったプレイヤーを自分のイベントにゲストとして呼んで、つながりを一回きりで終わらせへんとこも素晴らしいっすよね。

確かに自身のイベントには一見見慣れない取り合わせのプレイヤーを呼ばれていますね。

ストリートっていうものは「人」やからね。繋がり続けないとあかん。
スキルを磨くのと、どれだけ仲間を大事にするかっていうバランスが大事やと思う。
俺もずっとそういうのを気にしてやってる。実際、自分一人では何もできないからね。
で繋がりたいんだったら上だろうが下だろうが関係なく直接絡みに行けばいいと思うよ。
俺の一番リスペクトしてるアントニオ猪木の「バカになれ」って言葉をみんなに知ってほしいです(笑)
けど何事も礼に始まり礼に終わるんで挨拶はちゃんとした方がいいと思う。
逆にそこ出来てたら結構いけるでしょ!

またもや偉人の名言が(笑)

SNSが発達して、やりとりもSNS上で行うことがほとんどやんか?
でも俺的には直接電話したり、もっと言うと会って話すことの方が大事やと思ってるんよね。
電話、長いってよく言われるけど(笑)
実際会わないと伝わらんこともあるから。

ブッキング1つとってもそれは言えるということですね。
SODEEPのNAOさんとJUNGLEさんも今年のBOXER NITEに呼ばれていましたよね。


FRESHのVillage Campがきっかけで仲良くなってん。NAOはもともと知ってたけど。
Village Campにライブペイントで呼んでもらった時に、JUNGLEとNAOのショーを見て食らいまくってん。
特にJUNGLEのキレ。会場をブチ上げてるのが、すげえなってなって。
で、フロアで2人が飲んでるところに話しかけて。
JUNGLEと同い年ということがわかって、お互いのスタイルに共鳴して、瞬時にマイメンになった。

NOVOLさんとのペイントセッションで描かれた作品も見事ですよね。
あれはJUNTAROさんの作品の中でも、特に素晴らしくて惹きつけられるものです。
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NOVOLから個展を回るって聞いて、
横浜のGRASSROOTS、と大阪のMONO ADAPTERでコラボしたら面白いんじゃないか?と提案してみた。
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きっかけはシンプルやけど、作品を半々で描くのは初めてやった。
ただ、大阪場所で自分が筆を忘れてしまってNOVOLに筆を借りたっていう(笑)
誰かに筆を借りてペイントしたのは、後にも先にもその時だけだった。

逆に言えば、同じ筆であれだけ違う画風になるということですよね。
2人が半々を完璧なバランスで描くというのは本当にすごいことですし、見応えがあります。


あの絵、NOVOLに言ったらすぐ送ってくれると思うで。

そうなんですか!その時はFRESHに飾れたらいいですね!

いやいや、俺には今、Gucchonとこ(SUNNY HOOD)もあるから!(笑)
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※JUNTAROは今年4月にCo-thkooのGUCCHONがオーナーを務める
寝屋川のSTUDIO SUNNY HOODでもウォールペイントを行った。

(笑)最後にJUNTAROさんが手がける、アメ村BLOCK PARTYについてですが。

捉え方によっては誤解を生むかもしれないけど、関西ストリートの真ん中って言ったらアメ村やと思ってる。
つまりアメ村が”ヘソ”なわけやから、そこでBLOCK PARTYをやるというのは意味があると思ってる。
今年で5年目。

終わった後、みんなで三角公園一体を一斉に清掃したりして街に”恩返し”するようなパーティという印象があります。
ただ、あのパーティを開催することによって、JUNTAROさん自身にプラスはないですよね?


あるで!めちゃ気分いいで!演者、お客さん入り乱れてみんなでゴミ拾いしたらテンション上がるもん!
そのバイブスでプレイして三角公園で盛り上がって!最高しかないで!
けど色々問題があるねん。
止めたら何の意味もないし、あかんと思うねん。縮小はしたとしても続けるべき。

今後、アメ村とどう関わっていきたいですか?目標というか野望のようなものがあれば聞きたいです。
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野望みたいなものはなくて、アメ村はみんなの村やし、みんなで盛り上げていけばええ話やねんけど、村のこと考えずに好き勝手遊んでる奴が多い気がする。
ここをレペゼンするって言うならもうちょっと何か考えたほうがいいという気はするよね。

「アメ村が盛り上がっていく」とは具体的にどうなっていくことだと思いますか?

俺とかHONGOUが今やってることをキープし続けることももちろんそうやねんけど、
ストリートにしっかり足つけて、やることやってますっていうのが大事。
HONGOUもそうやと思うけど、アメ村に愛着があって、アメ村で遊んだ分何かしたいって思ってるやん。
けど、そこまで思ってる奴がどこまでいるか。
だから、アメ村に対して、地に足つけてくれる人が増えて行くことが盛り上がって行くことじゃないかなぁ。
でもそれは無理強いすることではないけどね。

プレイヤーとして活動するだけではなく、内側を向いている人間が多くなればいいという話ですね。
では、パーティ以外に、アメ村を上げていくことは考えていますか?
例えばアメ村でJUNTAROさんの絵をもっと増やしていきたいとか。


そりゃ増えたら嬉しいね。
FRESHにしてもここ(146STATE)にしても、俺を認めてくれたから絵があるわけやし。
もっと多くの人に見て欲しいし認めて欲しい!
俺からしたら、マイメンのところに自分の絵があるっていうのはすごい嬉しいこと。
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FRESHも含めて。仲間と動くことがストリートやし、その中で生まれるのが俺のアートやと思うから
そこが失われるなら、俺のアートではないし、ストリートではないと思う。
「この場所に根付く」というのはそういう意味。
結びつきが大事になってくるし、そのために挨拶一個にしても大事になってくる。

まとめると、今までもこれからもJUNTAROさん一人での活動ではなく仲間と動くことが大事だし、
アメ村を盛り上げていくにはそうやって内側を向いてスクラムを組める人間が増えていくことが必要…
ということで大丈夫でしょうか?


はい、その通りです。うまくまとめたなぁ(笑)
少し先の話になるけど、11/22(木)の祝前日にBOXER NITEを自分の20周年も兼ねてやる予定なのでぜひ遊びに来てください。
CHEKE、oSaam、GUCHHON、NAO CHA CHA CHA、Yacheemiをセッションで呼んでるから。

毎度のことながら贅沢ですね…。他のダンスイベントでは確実に見れないです。

俺しか呼べへんやろ、このメンツは。

どんなに酩酊していても、JUNTAROの言葉には迷いがない。
アルコールも手伝って、時おり爆弾級の毒は吐くものの、その根底にある信念は豪快かつ明快で、毒そのものさえ清々しく感じる。
丸みのあるPOPな画風からは想像もつかない尖りすぎた人柄が印象的であった。
その画風と性格のコントラストが、彼の作品の見え方をより面白くしてくれるであろうことは言うまでもない。

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インタビュー/文 : Seiji Horiguchi


Seiji Horiguchi
フリーライター。
新聞記者になることを夢見る学生時代を経て、気づけばアメ村に。関西を中心に、アーティスト(ダンサー/ラッパー/シンガー/フォトグラファー/ヘアアーティスト stc…)のプロフィール作成やインタビュー記事の作成を行っている。
現在の主な執筆活動としては
・FRESH DANCE STUDIOインタビューシリーズ
・カジカジ、連載「HAKAH’S PROCESS」
・その他パーティレポ、ダンスチーム紹介文、音楽作品の紹介
などが挙げられる。
大阪のストリートカルチャーにアンテナを張りつつアンダーグラウンドの「かっこいい」を広めるべく日々執筆中。


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