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30MIN INTERVIEWシリーズ"DJ MO-RI"

2018.07.27

関西アンダーグラウンドのパーティで長年スピンし続け、
Jambo Lacquer (WARAJI) のバックDJも務めるなど、
独自のルーツとキャリアを持つDJ MO-RI。

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2018年春、「個人発信としてはかなり久しぶり」というmixtape ”SEIES”(セイエス)をリリースした。

アメ村でも、レコ屋,SHOPをはじめ各所でジャケットを目にする。
1000円という手頃な価格でありながら、全曲レコードからの音源。
音質において、すでにこの時点で”お値段以上”なのは、明白である。
価格設定や、一風変わったタイトルなど、気になることが多い。
そこでFRESH DANCE STUDIOより、緊急企画として
「30分インタビュー」を行った。



まずは、MO-RIさんのキャリアからざっくり話してもらえますか?

出身は兵庫の武庫川です。もともとHIPHOPミュージックが好きでした。
高3の時に、ターンテーブルを買った友達のDJ KEITA(※)の影響でDJを始めました。
※レーベル「ITAL」主宰。現在はアメ村mizu no toにて毎月開催されているアナログ限定のGood Party、「layers(レイヤーズ)」でもDJを務める。

始めた当初は、神戸のイベントに出ることが多かったですね。
STILLINGというライブメインのパーティにDJとして参加していたり。
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HOT CONNEXION CREW(HCC)のJUMBOと出会って意気投合して、心斎橋フラットでイベントを主催したり。
HCCかつWARAJIのDJ TOBBACOがリンクして繋げてくれて、7年前からみんなでエアコン(Air Controller@服部緑地公園)やってます。



あとは大阪STOMPで、ジェリーロールってイベントを6,7年ほど続けてました。
PROPSがスタートした時に、準レギュラーとして隔週でDJしてました。
今は代表のDJ A-KILLERさんが東京に行ったので、代わりにクラブ側との橋渡し的な役割をしてます。
フライヤーとかポスター関係とか。

ありがとうございます。早速mixについての話なんですが、全体のテーマや、タイトルの意味など教えてもらえますか?

まず、タイトルは某邦楽アーティストの代表曲をもじった造語です。
周りの友達としゃべってる時に、その話になることが多くて。(笑)

その「セイイエス」からだったんですか(笑)

それもあります。日本語英語みたいなんにしたくて。
MIXのテーマは哀愁が漂っていて、なおかつ気持ち良く聴ける感じですね。
女性について歌ってる曲もあるので「セイイエス」もあながち遠くない(笑)

たしかに全体的にゆったりで聴きやすいですね。メロウな曲もあったり。一足早くmixを聞いた周りの反応的には「MO-RIさんが新譜でmixを作るのは新鮮」という声もあったり。
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普段はほとんど新譜や数年内のリリースの楽曲を使います。
数年前に出した「NAVY SAUCE」はゆったり系だったんですけど、Jazzyな90sのイメージで作りましたね。
それに対して今回は、どちらかというとデジタル感というか、ビートがはっきりしてるけど、哀愁のある質感でまとめました。

取り扱いされている店舗はどのくらいありますか?

今の所は以下の通りです。

・TUNNEL(アメ村)
・Fedup(堀江)
・Lumps(中崎町)
・FRESH DANCE STUDIO(アメ村)
・ROOTDOWN RECORDS(アメ村)
・REGULAR CRAFT RECORDS(枚方)
・BETWEEN MUSIC STORE(web)
・Factory No.079(加古川)
・5HOUSE(新町)
・東三国ボディーサポート(東三国)
・波の上ミュージック(那覇)
・Good Diggin(宜野湾)

DJのmixってラッパーのアルバムと違ってタワレコなどの流通にかけれないので、自分のつながりで回れるだけ回って置いてもらってます。
ここ数年は、エアコンのmixを作ったり、ショップの企画で作ったりだったので、自主製作で、CDを大量に出したのは久しぶりです。
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このタイミングでMIXを出すというのは、何かねらいがあったりするんでしょうか?

ちょうど去年、レギュラーでDJしているイベントを幾つか抜けたんで、メリハリをつけていこうと思って。
今年の3月までにリリースする、というのは決めていました。
この価格にしたのは、プロモーションが目的ということもあります。

個人的な印象としては、USの曲だけではなく、MILES WORDさん、DRAGON Pさんなど、日本のラッパーのシャウトを使ったり日本語の曲も使っていて、MO-RIさんのキャラクターがより浮き彫りになると思いました。

クラブでプレイするときも数曲は周りとか、友達のレコードも混ぜますね。
ただ全体的なつながりは損なわないように意識しています。
USの曲と日本語の曲をmixすること自体は簡単ですけど、雰囲気の違いで違和感が生まれてしまうこともあるんです。
なんかちゃうな、みたいな。

普段のプレイで意識していることをMIXの中にも落とし込んだということですね。

実はPROPSでDJするようになってからスタイルが微妙に変わったんです。
PROPSに遊びに来るダンサーを前にDJした時に、自分が思ってた反応と違ったんですよ。
ダンサーとラッパーって、ビートのとり方というか、間隔が違うんですよね。
ラッパーよりもダンサーの方がリズムを捉えるスパンが長い。

それは興味深いですね。確かにダンサーは「エイト(8カウント)」でカウントするのに対してラッパーは「小節(4カウント)」で数えますよね。

そうですね。そこからGrooveを壊さないようにmixするように意識するようになりました。
12小節くらいMIXするときもあります。
もともと前後の曲が重なるところが好きだったしmixも丁寧にするのが好きだったけど。
今回の”SEIES”もGrooveが途切れないように意識しました。極端に言えばダンサーがレッスンで使えるくらいの。

次にアルバムのジャケットの話ですが。
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描いてくれたのはLANPなんです。

そうなんですね!デザインしてもらう時に何か注文はされましたか?

「夜」とか「冬」のイメージかな、とは話ましたね。
星空の中に「オリオン座」もかいてもらってるんですけど、これも理由があって。
僕の本名の家紋が、オリオン座をサンプリングしてるんです。
それから星空を飛んでいる「飛行機」なんですけど、リスペクトする先輩DJのアイコンを少しオマージュさせてもらいました。あと今住んでる東三国で飛行機がよく飛んでるのもありますが。

関連付けをさりげなくジャケットに挿入する遊び心ですね。このインタビューで初めてみんな知るくらいのレベルの話ですよね。

そうですね。あとは、ごくシンプルに描いてもらいました。

メリハリという言葉が出ましたが、最後に、これからの動きとして考えていることはありますか?

これからは若いDJで頑張ってる人のためにも、色々やり方を考える必要があると思います。
ただ、もちろんセルアウトというわけではなく、自分の好きなカラーは貫こうと思ってますね。
オリジナリティがあって、かつ共感できるようなGood Musicを大事にしたい。
ダンサーもそうだと思いますけど、トップにいるようなプレイヤーって、
やばいのは前提で、なおかつ今もバッチリ動きまくってる人たちだと思うんですよ。
普通にやりまくるというのがやっぱり一番かっこいいですね。その方が健全ですし。

インタビュー中、スタジオの待合室でSEIESを流していたのだが、DJ MO-RIのこれまでのキャリアや人柄、そしてこのインタビューの中での話を踏まえてもう一度mixを始めから聞くと、臨場感のようなものが増して、聞こえ方がかなり変わる。

1000円というお手軽価格とはいえ、ジャケットから内容に至るまで、彼のこだわりと今までのキャリアが妥協なしでしっかりと盛り込まれている。
まさに「余計なものなどない」mixだろう。

インタビュー日時2018/3/24
インタビュー・文 : Seiji Horiguchi

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